全国で現存する大正期の吊橋はわずかに3橋しかなくいづれも中部地方に集中しています。
美濃橋(大正5年/長良川)は、桃介橋(大正11年/木曽川)、白川橋(大正15年/飛騨川)と並び大正期に架橋された現存する近代吊橋のひとつで、大正5年の架橋は現存最古、平成15年には国の重要文化財に指定されました。
完成当時は全国でも最大級の吊橋(全長114.2m)のひとつで、岐阜の長良橋より上流に架けられた最初の永久橋として地元の人々の生活を支えてきました。
清流長良川にかかる美濃橋は、赤く塗られたトラスと中国の寺門を思わせる白く塗られたコンクリートの主塔が、小倉山の緑に映えて美しい景観をつくりだしています。
橋の周辺の河原はバーベキューやデイキャンプが楽しめる憩いの場になっていて、春から秋にかけてたくさんの人でにぎわいます。
100年前に架けられた古い吊橋は、美濃市の歴史的景観をつくる貴重な近代化遺産として、四季折々の美しい姿で市民の生活に潤いを与え、当時と変わらぬ姿で訪れる人々を迎えてくれます。
◆美濃橋(長良川)/岐阜県美濃市曽代字城下1-1
竣工:大正5年(1916)
構造:吊橋(鋼トラス補剛)
撮影:2007/04/29
☆国指定重要文化財
小倉山の緑に吊橋の赤と塔の白が映えます(左岸より)
河原では大勢の人がバーベキューなどで休日を楽しんでいます(右岸より)
中国風?主塔のアーチの上に「橋濃美」(左岸)、「しばのみ」(右岸)とそれぞれ右から書いた銘があります
現在は人、二輪車専用ですが昭和40年代まで小型車が通行していました