各務原市の建築散歩~その3
各務原市の南西部の稲羽地区は、戦前から昭和40年代頃まで繊維産業が盛んで、個人経営の織物工場が軒を並べていました。
織物工業が隆盛を極めた時代を物語る建物として、昭和2年に建てられた中屋織物工業協同組合の建物が最近まで現存していましたが残念ながら取り壊され、稲羽地区には戦前の洋風建築はほとんど残っていません。
小佐野町に残る「松駒荘」は大正から昭和初に建てられたと思われる木造下見板の洋風建築で、現在も当時の面影を良く残している貴重な建物です。
松駒荘(まつこましょう)をネットで検索してみると、現在は不動産屋さんとして使われているようで、何はともあれ戦前の建物が有効利用されているのは喜ばしい限りです。
建築当初は織物関係の会社か住宅として使われたと思われますが詳細は不明です。
しかしそれ自体がアパートの名前のような「松駒荘」と言う屋号を、そのまま不動産屋に使っているのが面白いところです。
◆松駒荘/各務原市小佐野町3丁目230
竣工:大正~昭和?
構造:木造2階
撮影:2006/08/15
玄関ポーチの造りや屋根飾りが大正期の洋風建築の面影を残します
玄関には右から読ませる「荘駒松」と言う木製の看板がかかっています