岐阜市建築散歩~その6
岐阜公園の東、金華山の北側長良川左岸の鏡岩水源地に戦前に建てられた岐阜市の水道施設が現存しています。
岐阜市が上水道の給水を開始した昭和5年(1930)に建てられたエンジン室とポンプ室で、昭和47年頃まで現役で使用されました。
どちらの建物も日本瓦の切妻屋根に隅石張り、壁には長良川の自然石を積み上げ、山小屋風の外観になっています。
現在エンジン室は水の資料館、ポンプ室は水の体験学習館にそれぞれ生まれ変わり、岐阜市の水道事業を紹介する施設として再利用されています。
◆鏡岩水源地 水の資料館・水の体験学習館(旧エンジン室・ポンプ室)/岐阜市鏡岩408-2
竣工:昭和5年(1930)
構造:鉄骨造平屋
撮影:2006/09/23
*国登録有形文化財
奥がポンプ室、手前がエンジン室~水源地内は広々として見学しやすいよう整備されています
◆水の資料館(旧エンジン室)
岐阜市の水道の歴史の紹介や水源施設の機器類、施設模型などが展示されています
正面入り口とその横の窓はアーチ状に統一され、茶色の自然石を積んだ外壁に白の御影石の隅石がアクセントになっています
切妻屋根を壁から突き出た木製のすじかいが支える、水源地の施設としては異色の山小屋風意匠で、楽しい外観です
側面は丸と四角の窓が二段に並び、ラチス構造の鉄骨が外付けになっているのが特徴
◆水の体験学習館(旧ポンプ室)
長良川と水との関係を体験学習できる施設
旧ポンプ室は鉄骨を内側に設置したスッキリとした外観
連続した丸窓は当時流行の表現派の影響でしょうか?
昭和のモダンデザインの息吹がこんなところにも感じられます
◆国登録有形文化財として登録され岐阜市の貴重な近代化遺産として保存活用されています