豊橋建築散歩 その7~愛知大学記念館(旧陸軍第15師団司令部)
今回からの豊橋建築散歩は、愛知大学豊橋キャンパスと周辺に残る旧陸軍第15師団関連の建物を紹介していきます。
豊橋の中心部から南に3キロほどの郊外(豊橋鉄道渥美線・愛知大学前下車)に、愛知大学豊橋キャンパスがあります。豊橋キャンパスは、明治41年に配備された旧陸軍第15師団の施設の遺構を終戦後からそのまま活用、歴史的建造物が醸し出す重厚さと深みのある景観は、いかにも大学のキャンパスにふさわしい伝統と潤いを与えています。
現在旧陸軍関係の建物として、第15師団司令部、第二機銃廠、歩兵第60聯隊将校集会所、豊橋陸軍教導学校大講堂、養生舎がキャンパスの敷地内に、大学の所有する別の敷地には第15師団長官舎が残っています。これだけの旧軍関係の施設がまとまって再利用されているケースは全国的にも稀で、近代建築の再生活用例として特筆に値します。
明治41年に竣工した 旧陸軍第15師団司令部は、戦後長らく愛知大学の本部として使用、現在は愛知大学記念館として国の登録文化財に指定されています。建物は木造2階建、白ペンキ塗りのドイツ下見板張り。平面は東西に長い中廊下式で、両翼が後方に突き出たコの字型になっています。
◆ 愛知大学記念館(旧陸軍第15師団司令部)/愛知県豊橋市町畑町1
竣工:明治41年(1908)
設計:臨時陸軍建築部
施工:大林組
構造:木造2階建
撮影:2011/10/09
※国登録有形文化財
南側中央玄関~前方に張り出した入口上部と玄関上部にペディメントを設ける
建物東側~赤煉瓦の基礎に白く塗られた下見板、上げ下げ窓が並ぶ明治の洋館らしい雰囲気
東側出入り口
記念館案内図
玄関脇に設けられた建物説明板