shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

百花繚乱の飯豊山を満喫(その1、御沢キャンプ場~三国小屋)

2021-08-08 17:18:55 | 山行・旅行


飯豊連峰を初めて見たのは、朝日連峰の大朝日岳からだった。
それは数々の山塊の中でも極めて長大で、威厳があった。そしていつかこの山に登ろうと思った。

あれから40年が経った。
東北エリアにある日本百名山14座(燧ヶ岳は北関東・尾瀬・日光エリアに入っている)のうち、未踏は飯豊山と吾妻山だけになっていた。
今年の夏はこの2つに登ろう。コロナ禍の中ではあるが、何となくそう決めていた。


飯豊山に話を絞る。飯豊連峰の最高峰は大日岳(標高2128m)だが、古来信仰登山の対象となってきたのは飯豊山(飯豊本山、標高2105m)である。
飯豊山は、福島、新潟、山形の県境にあり、山頂付近とそこに至る登山道は福島県に属する。地図で見ると臍の緒のように福島県の領地が北西に伸びていることが分かる。このことは福島の人々による飯豊信仰が相当に強かった証だろう。


今回の登山ルートと標準コースタイムである。
このコースは飯豊信仰登山の表登山道と呼ばれる道であり、深田久弥氏の日本百名山でもそのことに触れている。
コースタイムは「山から始まる福島の旅やまふく」から引用(一部加工)した。また上記地図は山と渓谷誌のコピーである。若干コースタイムに差があり、私が歩いた実感では山と渓谷誌の方が近いように思われた。
1日目: 御沢キャンプ場 -[10分]- 御沢登山口 -[2時間10分]- 横峰 -[1時間45分]- 三国小屋 -[1時間30分]- 切合小屋(小屋泊)
2日目: 切合小屋 -[30分]- 草履塚 - [1時間30分] - 飯豊本山小屋 - [15分] - 飯豊山 - [15分] - 草履塚 - [20分] - 切合小屋 - [1時間30分] - 三国小屋 - [1時間35分] - 横峰 - [1時間50分] - 御沢登山口 -[10分] - 御沢キャンプ場

私が御沢キャンプ場に着いたのは、5日の午後4時過ぎだった。駐車場に10台ほどの車があったが、キャンプ客の姿はなかった。
周囲はアブが無数に飛び廻っており、車に音を立てて次々と追突するような中、とてもテントを張って泊まる気にはならなかった。そこで車中で一夜を過ごした。
6日午前5時14分、御沢キャンプ場を出発。アブを払いながら林道を登山口まで進む。




10分ほどで登山口に着き、傍らの石仏に一礼して長沢尾根に取りつく。500~700mごとに下十五里、中十五里、上十五里を過ぎていく。十五里というのは一里歩くのに平地を十五里歩く苦労がいるということらしい。風がなく暑い。手ぬぐいで汗を拭きながら進む。






ちなみに標柱があるところは平らだが、それ以外はずっと急登だ。写真を撮るような花もなく、標柱ごとに水分補給のため休んだ。


ブナの木の根もとが曲がっているのは、豪雪のせいだ。豪雪地帯のブナやダケカンバは、たいてい根もとが曲がっている。


笹平を7時23分に通過、横峰には7時44分に着いた。やまふくのコースタイムより20分遅れだが、途中何度か休憩したのでまずまずのペースだろう。


ちなみに本日の装備は60Lのザックに小屋泊まり装備。水はスポーツドリンクを含めて3L。夕食、朝食を小屋で食べるので、食料も2食分と行動食のみだ。


横峰付近からお花の姿がちらほら現れ癒された。
ツルアリドオシ(アカネ科ツルアリドオシ属)。


ノリウツギ(アジサイ科アジサイ属)。ノリウツギはこの後たくさん観られた。


この辺りで山小屋の管理人さんに出会った。荷揚げの歩荷の途中でケータイに電話が入ったらしい。
この後すぐに水場があることを教えていただいた。ザックに入れていたボトルの水1Lで手ぬぐいを濡らし汗を拭き、残りは捨てた。

10分ほどでお待ちかねの水場に到着した。管理人さんもここで水を補給していた。ちょろちょろとしか流れていないが、冷たくておいしかった。
飲み物はスポーツドリンクを水筒に入れていたので、1Lだけ汲んでザックに入れた。


水場からさらに15分ほど歩くと地蔵山下分岐に着いた。地図を取り出しルートを確認する。


しばらく進むと前が開き、飯豊連峰の主脈らしい山並みが始めて顔を出した。




しかしそれは間違いで、聳えているのは三国岳(標高1644m)から疣岩山(いぼいわやま、同1654m)に続く稜線のようだった。
これから越えていかなければならない高さだ。

標高を上げるとお花の数が増えてきた。
ミソガワソウ(シソ科イヌハッカ属) ミヤマクルマバナ(シソ科トウバナ属)。この花は標高1800m付近までたくさん咲いていた。モウズイカさんに教えていただきました。


左手に磐梯山がよく見えた。


その右は那須連山だろうか。


右手にはヨツバヒヨドリ(キク科 ヒヨドリバナ属)。


ノリウツギが目立って増えてきた。


ピンク色の花も。




道は岩場に変わった。特に危険なところはないが、どうしても通過に時間がかかる。


高い樹が無くなり、ミヤマナナカマド(バラ科ナナカマド属)が果実をつけていた。


この辺りからは岩場が続く。


この花は下の写真と同じ花なのでコメツツジ(ツツジ科ツツジ属)のようだ。




岩場がまだ続く。岩場は楽しいが時間がかかるのが欠点。


剣ヶ峰の標柱があるところに着いた。ここまでは特に危ないところはなかった。


鎖場が現われた。一枚岩はホールドが少なく、鎖を使うのが良さそうだった。


もうすぐ三国岳だ。


最後の岩場。暑さに加え緊張するとのどが渇く。


10時11分、三国岳山頂にある三国小屋に到着した。やまふくのコースタイムより2分遅れ、山と渓谷誌のそれからは3分早い到着となった。
コーラありますの看板に飛びつき、すぐに注文した。


ここに来て初めて飯豊連峰最高峰の大日岳と、主稜線が見渡せた。


百花繚乱の飯豊山を満喫(その2)に続く。
なお、8/10~12は植物クロスワードを掲載するため、百花繚乱の飯豊山を満喫(その2)は8/13に掲載の予定です。
コメント (12)
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