shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

百花繚乱の飯豊山を満喫(その3・最終回、切合小屋~飯豊山山頂~御沢キャンプ場)

2021-08-14 05:31:23 | 山行・旅行
百花繚乱の飯豊山を満喫(その2、三国小屋~切合小屋)からの続きです。





2日目の朝は4時に目覚めた。
身支度を整えて外へ出ると、すでに東の空が明るくて、朝焼けがきれいだった。
空は次第に赤色を増し、テント泊・小屋泊まりの客に加えて、朝食の支度を終えた管理人さんも出てきて、皆がカメラを構えていた。

4時50分、太陽は蔵王連峰の南の端から昇った。どこからともなく歓声が上がった。
地平線付近に雲はなく、地面から湧き出てきたような日の出だった。

朝食は5時少し前に用意された。ご飯は薪で炊いたもの、生玉子は管理人さんが歩荷で運んでくれたものだという。
ありがたくいただいて、5時12分に山頂へ向けて小屋を出た。60Lのザックは変りないが、すぐに使わないものは小屋にデポしたので、中味は大きく減っている。
今日も暑くなりそうで、服装は半袖にした。


ヨツバシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属)。


モミジカラマツ(キンポウゲ科モミジカラマツ属)。




アオノツガザクラ(ツツジ科ツガザクラ属)。


チングルマ(バラ科チングルマ属)。




ミヤマリンドウ(リンドウ科リンドウ属)。1株しか見ていない。写真は帰路に撮影。


アカモノ(ツツジ科シラタマノキ属)の花が残っていて嬉しかった。


道中、唯一観たコバイケイソウの残花。他の場所では、既に果実(蒴果)がついているものが多かった。
近くにシラネアオイも見かけたが、花は終わっていた。


右手に見えた蔵王連峰。上空の雲がまだ赤味を残していた。


振り返ると切合小屋が見えた。その先の磐梯山は姿形が良い山だ。


マルバシモツケ(バラ科シモツケ属)。


オニアザミ(キク科アザミ属)だと思う。


草鞋塚を5時45分に通過。


今回の山行で唯一撮ったパノラマ写真。健脚の女性に追い抜かれた。


ここで突然ホシガラスが登場。イワヒバリも見かけた。


ヒメシャジン(キキョウ科ツリガネニンジン属)。


ヒメシャジンとハクサンオミナエシ(スイカズラ科オミナエシ属)。


姥権現を6時2分に通過。付近にはハクサンボウフウ、ハクサンフウロ、ハクサンオミナエシ、タカネマツムシソウ。


女人禁制の飯豊山に登ろうとした女性が、ここで石と化してしまったという伝説。全国の修験の山に同じような伝説がある。


御秘所を6時7分に通過。ここからは岩場の痩せ尾根となり、慎重に歩く。


オヤマノエンドウ(マメ科オヤマノエンドウ属)を見つけた。日本固有種で日本アルプスと御嶽山、八ヶ岳、飯豊山に分布している。




こちらは帰路に撮った。


御前坂に6時26分に到着。いよいよ飯豊山が近づいてきた。


急坂を登る途中にミヤマウスユキソウが現われた。花の見ごろは過ぎていたが、放射状に広がる白い総苞葉がきれいだった。




マルバコゴメグサも現れた。この植物は月山、朝日連峰、飯豊連峰に分布する固有種だ。


急坂を登り終えていよいよ山頂かと思ったが、ここはまだ本山小屋からも離れた所だった。
オンタデ(タデ科オンタデ属)が咲いていた。


進むとテント場で、水場の案内があった。


6時58分、本山小屋を通過すると、いよいよ飯豊山の山頂が近づいた。


ここから山頂までは穏やかな稜線で、お待ちかねのイイデリンドウ(リンドウ科リンドウ属)がたくさん咲いていた。
イイデリンドウは飯豊連峰の固有種だ。






そして、山頂には7時14分に到着した。祠に向かって登頂の感謝をする。
切合小屋から2時間2分かかった。やまふくのコースタイムより13分短く、山と渓谷社のそれよりも2分長かった。


山頂から西に見えるのは、御西岳(標高2013m)と、その奥に飯豊連峰最高峰の大日岳(同2128m)。


北西に目を移すと、北股岳(標高2024m)。


東には歩いてきた道、そして本山小屋が見える。遠くに見えるのは恐らく吾妻連峰、右の独立峰は磐梯山だ。


飯豊山山頂では、この日に百名山登山を完遂した人と出会った。私より8歳若いらしい。私も10年早く山登りを再開していたらと思った。
そして、一緒に喜びの場に居合わせたことがとても嬉しかった。

下山は来た道を引き返し、切合小屋で昼食を摂った。そして、すべての荷物をザックに詰めて、再び来た道を引き返した。
下るにつれて暑さが身に応えたが、順調に下山し、御沢登山口には14時13分に到着した。
安全に下山できたことを感謝した。


40年来の夢が叶った。そして、もう一度この山に登りたいと思う。今度は最高峰の大日岳にも足を伸ばしたい。
その時もきっと素敵な山行になるだろう。それを確信できる山旅だった。
コメント (22)
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