shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

浅草岳・秋のハイキング(後編)

2023-10-08 05:30:07 | 山行・旅行
10月3日に新潟・福島の県境にある浅草岳(標高1586m)を歩いて来た。
前編では山頂までの様子をご覧いただいた。後編は山頂からスタートする。


浅草岳の山頂には一等三角点が設けられていた。


ここからは、360°の大展望が楽しめた。
先ずは南に見える田子倉湖をご覧いただきたい。前編でも述べたがそこからも浅草岳に至る登山道がある(田子倉コース)。山頂で出会った1名はそこを登ってこられたとのことだった。


次は田子倉湖から北に流れる只見川流域を見ている。この川に沿ってJR只見線と国道262号が走っている。只見川は北東に向かって流れ、喜多方市の西で阿賀川に合流する。


次は浅草岳から見て北東にある守門岳(標高1537m)を見ている。守門岳には3つの峰がある。


最後は浅草岳から南に見える、尾瀬の双耳峰で東北一の高山・燧ヶ岳(同2356m)と、その東(左)に見える関東一の高山・日光白根山(同2578m)を見ている。
その他の山については、また後ほどご紹介したい。


さて、山頂を後にして再びお花畑の跡を歩いた。

花が終わったイワショウブ(チシマゼキショウ科イワショウブ属の多年草)がたくさん観られた。

既に一部のイワショウブは、果実が赤く熟してきていた。


木道を歩いていると、まだ花が咲いているイワショウブがあった。


こちらはイワイチョウ(ミツガシワ科イワイチョウ属の多年草)の群落だ。もうすぐ鮮やかに色づくことだろう。

稜線からの景色をご覧いただきたい。北側斜面はなだらかで、草紅葉が広がっていた。
ちなみに広がる草原を「浅い草」と見立てたことが、浅草岳の名前の由来といわれている。


一方南側は切れ落ちていて、谷を挟んで急峻な鬼ヶ面山の東壁が見えていた。
この山を経由して六十里越登山口に達する縦走コースがあるが、途中細尾根や絶壁などがあり、かなりの難コースのようだ。


10月だというのに谷に雪が残っていた。


鬼ヶ面山の向こうに1400m級の山並みを挟んで越後三山が見えていた。中央が越後駒ヶ岳(魚沼駒ヶ岳)、右が八海山、左に雲がかかっている山が中ノ岳のようだ。


今一度草原に目を移そう。



草原にはエゾオヤマリンドウが散らばっていた。


アザミも観られた。


キンコウカ(キンコウカ科キンコウカ属の多年草)が岩場に生えていた。草原の草紅葉の主役がキンコウカのように思えた。

11時44分に前岳の分岐に戻ってきた。師匠が縦走路を見に出かけたので、その間私は付近で写真を撮っていた。


振り返って観た浅草岳はなかなか雄大だ。



草紅葉の主役はやはりキンコウカのようだった。


アジサイ科の樹木を見つけた。花は終わっても萼片が残っていた。

師匠が戻ってきて木道を先へ進んだ。先に見えるピークがカヘヨノボッチのようだ。
ちなみにカヘヨノボッチとは「嘉平さんが猟をしていた熊穴が近くにある尖ったところ」という意味らしい。


 
ユリ科の植物の果実を見つけた。ヒメサユリだろうか。


色づいた広葉樹も所々で観た。

もうすぐカヘヨノボッチだ。一旦登りになる。


12時3分、カヘヨノボッチ(標高1485m)に到着した。ここにも三角点があった。
カヘヨノボッチでは15分休憩した。


カヘヨノボッチをを後にして、だいぶん下ったところで、白い花(?)を観た。
よく見ると蔓性の植物(写真左)が、別の樹木(写真右)に絡みついて、その大半を覆っていた。
 
いずれもどこかで見たように思うが、名前が分からなかった。

赤い実を見つけた。
 
ツルアリドオシ(アカネ科ツルアリドオシ属の多年草)だろうか。

今度は青い実だ。

ユズリハ(ユズリハ科ユズリハ属の常緑高木)だろうか。だとすると福島県が北限なので、ほぼ北限に近いことになる。

13時16分、浅草の鐘があるところに到着した。二人で一度ずつ鐘を撞いた。


付近にはアキアカネがたくさんいた。もうそろそろ里へ下る季節のはずだが。


赤トンボがいる風景。


すぐに桜ゾネ広場に出て、そこから出発地の駐車場までは林道を歩いた。林道は前日に草刈りがされたような状態に見えた。


大きなアザミが咲いていた。


こちらはゴマナだ。この花は草刈りの対象になっていた。


トリカブトの仲間も見られた。一部は草刈りの対象になっていた。


サラシナショウマも、草刈りの対象になっていた。




こちらはアキギリほどの大きな花をつけていたが、アキギリとは葉の形がまったく違った。

調べてみたら、オニシオガマ(ハマウツボ科シオガマギク属の多年草)のようだった。

こちらはお馴染みのダイモンジソウ(ユキノシタ科ユキノシタ属の多年草)。


こちらもお馴染みのススキだ。といっても自宅の近くでは見ることがなくなったので、見られて嬉しかった。


ネズミモチ平駐車場には14時13分に戻った。
ちなみに暖地を好むネズミモチ(モクセイ科イボタノキ属の樹木)は、山渓ハンディ図鑑やウィキペディアによると、関東地方以西に分布しており、この辺りには生えていないはずだ。
この地名の名前の由来を調べたが、結局分からなかった。

登山口から7kmほど離れた浅草山荘で汗を流して、帰路についた。

浅草岳・秋のハイキング(完)

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なつみかんさん こんばんは (shu)
2023-10-09 22:05:51
コメントはいついただいても嬉しいです。ありがとうございます。
私の場合は朝早くにスマホで観て、その後パソコンで見直すことがほとんどです。
パソコンので画面のサイズは17インチです。

イワショウブがまだ咲いていて嬉しかったです。
この花は咲いているときは白いですが、花が終わると赤くなります。
チシマゼキショウ科で、別名をムシトリゼキショウと言います。といっても食虫植物ではありません。

赤い実はツルアリドオシで、安心しました。
なつみかんさんからお墨付きをいただけると、ほんとうにほっとします。
この先の季節、山ではお花が観られなくなります。
昨年までは紅葉した葉を観るだけでしたが、これからは植物の芽にも注目したいと思います。
と言ってもどこまで調べられるか、まったく自信がありません。
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takan32さん こんばんは (shu)
2023-10-09 21:50:09
コメントありがとうございます。
このところ山登りだけではなく、忙しくしていてお邪魔できませんでした。申し訳ありません。
この山でも春からずっと何らかのが咲いていますが、リンドウが最後だと思います。
尾瀬ではリンドウのことを最終ランナーと言っていました。
まもなく紅葉の季節です。既にウルシの仲間などは赤くなっていました。

ラグビーは残念でしたね。リアルタイムで観戦できず、後からニュースで観ました。
秋はスポーツの季節でもあります。
どちらかというと観るより参加する方が好きですが、歳とともにできるスポーツが限られてきましたね。
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素敵! (なつみかん)
2023-10-09 21:36:24
shuさん、こんばんは。
夕べは寝落ちしてしまい、コメントできずスミマセンでした。
でも大きな画面でしっかり見せていただけて良かったです。
これぞ登山の醍醐味ともいうべき素敵な光景の連続。
雄大な景色アリ、色々な高山植物アリと、お楽しみがいっぱいでしたね。
見せていただけただけでも満足しました。

中でもイワショウブが一番素敵です。
全然科の想像がつきませんでしたが、チシマゼキショウ科とは・・・初耳です。
リンドウも素敵ですし、フジアザミ並みの大きなアザミもいいですね。
ゴマナやサラシナショウマも草刈り対象とは驚きです。
赤い実はツルアリドオシですね。
これだけは私もよく見ます。
満喫された様子が記事からも伝わってきました!!
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リンドウ (takan32)
2023-10-09 11:55:29
shuさんへ、リンドウが終わったら、あとは紅葉の季節になりますね。
ラグビー ワールド カップのアルゼンチン戦、どうしても途中で勝ち越せないあたりが力の差というものなんでしょうね。
開始早々の7点が最後まで響いていました。
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山歩きさん こんばんは (shu)
2023-10-08 20:13:34
コメントありがとうございます。
いつも登山コースを調べてからコメントをいただいています。ありがたいことです。
今回はさらにNHKの番組の録画まで観ていただき、ほんとうにありがたく思いました。
仰るととおり、浅草岳はNHKが選んだ『花の百名山』に選ばれています。
残念ながら田中澄江さんの『花の百名山』では選ばれておらず、その後の『新・花の百名山』に至って選ばれました。
私の手元に『新・花の百名山』があります。
「守門岳を下りて浅草岳の麓の音末荘に泊まって・・」から、文章が始まっています。
そして「ヒメサユリの花はまだ見たことがなかった」と書いています。
田中さんがヒメサユリを見ていなかったのが、守門岳に登る前のことなのか、登った後のことかは分かりません。
いずれにしてもそこでは、守門岳を代表する花はヒメシャガで、浅草岳ではヒメサユリとタニギキョウとなっています。
私がヒメサユリらしいユリ科の果実を観たのは、おっしゃる通りカヘヨノボッチから少し上のところでした。

今朝、日光白根山が冠雪していました。
きっと東北の高山でも冠雪が見られたのではないでしょうか。
山歩きさんにとってはスキーの季節が近づいていますね。
どうぞ冬をお楽しみ下さいませ。
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さざんかさん こんばんは (shu)
2023-10-08 20:12:55
コメントありがとうございました。
各地でお祭りが行われているようですね。私は今日前橋まつりを観に行ってきました。

さて、山に登れば下りなければいけません。
ブログの記事では、これまでたいがい下りを疎かにしてきました。
今回はルートも違うので、下りについてもしっかり書きました。
ほんとうはこの他に名前の分からない草花や木の実もあったのですが、ボリュームが膨らんだので載せるのを止めにしました。

この季節は空気も澄んでいて、山頂から遠くの山が見えました。
残念ながら名前が分からない山が多く、有名な山のいくつかだけを載せました。
青い実はユズリハでよかったでしょうか?
ブルーベリーと書いてあった記事も見ましたが、たぶん冗談だと思いました。
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花の百名山 (山歩き)
2023-10-08 15:13:13
shuさんこんにちは。浅草岳への山行お疲れさまでした。「鳥観図で楽しむ 日本百名山」で周辺の山のページに載っていないか探しましたが見つからず、NHKの「にっぽん百名山」で放送され録画していたことを思い出しました。

「花の百名山」として番組が取り上げたようで、田中澄江さんがヒメサユリを求めて訪れたことが紹介されていました。季節は6月で綺麗なヒメサユリが沢山咲いていましたし、雪渓が何か所も残る豪雪の山でその恵みが様々な高山植物とのことでした。

新潟側のムジナ沢登山口から嘉平与ボッチを経て山頂へ、ネズモチ平登山口へ下山ということでお二人の歩いたコースも一部含まれておりました。

東北一の燧ヶ岳と関東一の日光白根山のツーショットいいですね。日光白根山の2578mは北海道一の旭岳(2291m)より上なので関東以北一ですね。

番組でボッチについては、何かを盛ってこんもりした形 と説明していましたが、嘉平さんと熊穴については触れませんでした。

田中澄江さんは、嘉平与ボッチを過ぎた左側斜面にヒメサユリが群生と記していたそうで、そこに咲く花も紹介されていました。ヒメサユリの果実はそのあたりで写されたようですね。

空気が澄んで遠くが良く見えるいい季節ですが、那須連峰の朝日岳での遭難事故、無理は禁物ですね。
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こんにちは (さざんか)
2023-10-08 15:08:37
今日は地元の神社のお神輿が出たので、11時半ごろから道路に出てわいわい見ていました。

今日は下山ですね。
雲はあるものの、山頂からの景色は雄大ですね。
草紅葉が美しいです。
「浅い草」が山の名前の由来なんですか。
「カヘヨノボッチ」の由来も面白いですね。
植物も色々見られましたね。
ユズリハの実、青くて綺麗です。
隣の家にあるのに見たことがありません。
アキアカネらしきトンボも、うちの庭にも来るようんありました。
秋ですね。
良い登山、いいえ、ハイキング(!)を楽しまれて良かったですね。
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Unknown (shu2702)
2023-10-08 14:48:08
fukurouさん こんにちは。
コメントありがとうございます。
丁寧に読んでいただき、ありがとうございます。
林道も登山道も草刈りがされていて、とても歩きやすかったです。
一方で草花が刈られるのは残念です。
今日の誕生日の花はサラシナショウマだそうです。
浅草岳で観たばかりでした。
返信する
三百名山だったのですね。 (fukurou)
2023-10-08 09:04:10
shu様
おはようございます。
三百名山だったのですね。
陽希さんも登られているんですか。
浅草岳の名前の由来が面白いですね・
広がる草原を浅い草と見立てたならどこの山でも浅草岳になりそうです。(笑)
ここでも貴重な植物が草刈りの対象になるのですね。
開田高原も同じです。
返信する
Unknown (shu2702)
2023-10-08 08:18:12
attsu1さん おはようございます。
コメントありがとうございます。
今朝はまた群馬県に来ています。
こちらへ来る途中に朝焼けと日の出を観ました。
山で観るのとは違いますが、それでも元気が出ますね。
今朝は冷えました。日光白根山の冠雪が観えました。そろそろ山は冬に入ります。

八海山は北から見ても南から見てもギザギザですね。
高さでは中ノ岳ですが、越後駒ヶ岳が三山の盟主だというのがよく分りました。
燧ヶ岳はどこから見てもすぐに分かります。

お花はイワショウブがまだ咲いていてよかったです。
夏にはきっとたくさんのお花が見られることでしょう。
季節を変えて登ってみたい山です。

飯豊には2年続けて出かけました。
切合小屋に泊まりました。カレーはおかわりして2杯食べました。
また行ってみたい山です。
剣ヶ峰で古銭を蒔く習慣があったとは知りませんでした。私もそこで古銭を見ました。
昔から大切にされた山ですね。
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おはようございます^^ (attsu1)
2023-10-08 07:51:36
守門岳には3つの峰
まさにつの峰、綺麗な山ですね

なんどもshuさんに、見せていただいている
尾瀬の燧ヶ岳、そして、日光白根山も、2000mを超える山、
日本には、高い山が各地にあるんだと感じさせていただきました。

イワショウブ
見たことない花、可愛い花です。
こんな花を楽しみつつ、色々な景色も楽しめる浅草山、登山の気持ちを楽しくしてくれるのが
伝わってきます。

鬼ヶ面山の東壁
これは、急峻ですね。冬の豪雪が作ってきたんでしょうね。

八海山
私でも分かる山の形、何か懐かしいです^^

カヘヨノボッチ
楽しい名前ですねぇ、それでも最近、クマ被害が
各地で増えているそうです。
shuさんも、お気をつけくださいね

山の景色から、珍しい花々まで、
秋が始まった浅草山、楽しませていただきました。
ありがとうございます

余談
NHKのにっぽん百名山で、飯豊山連峰を見ました。
山深い山なのに、昔から信仰のため、登山されていた山、
こんな山に、昔の人は、登山靴も無いのに、
良く登ったと感心しきりです。
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