5月11日に谷川岳(標高1977m、日本百名山)を歩いて来た。谷川岳を歩くのは昨年6月以来だった(昨年の投稿はこちら)。
今回は昨年よりひと月余り早いが、例年に比べて雪が少なく、アイゼンが必要な個所は少ないと聞いていた。
昨年とのいちばんの違いは同行者(A氏)がいることだった。A氏は山の経験が長く、谷川岳は過去に登っている山だった。また最近も低山を歩いているとのことだった。しかし雪山の経験がないので、雪山デビューとしては残雪期の谷川岳はちょうど手頃だと思っていた。
早朝5時にA氏をピックアップし、土合へ向かう。関越自動車道の下牧PAで朝食とトイレ休憩を取った。ここから観る谷川岳は前景とのバランスが良く好きだ。この日は谷川連峰の上に雲一つなく晴れ渡っていた。
登山開始は8時25分、ロープウェイの天神平駅からだ。谷川岳登山のもっとも一般的コースで、私は昨年も同じコースを歩いていた。
この日は2人とも写真を撮るので、一応の目安は上りが2時間半下りが2時間だが、ゆっくり歩こうと話していた。
往きは私が先頭を歩いた。歩き始めから目指す山が見えるのは気持ちが良い。天神平周辺の雪は大半がなくなっていた。
歩き出すとすぐに登山道に雪が現れた。しかし危険なところはなく、雪を踏んで歩いた。
またすぐにお花も現れた。真っ先に現れたのはショウジョウバカマ(メランチウム科ショウジョウバカマ属)で、イワウチワ(イワウメ科イワウチワ属)が続いた。
ショウジョウバカマもイワウチワも、登山道脇にずっと咲いていた。
しばらく歩くとイワナシ(ツツジ科イワナシ属)が観られた。昨年歩いた際には気づかなかったので嬉しかった。
一方、昨年6月はシラネアオイやイワカガミが観られたが、今回は観られなかった。
10分ほど歩くと田尻尾根との分岐に出る。その手前に雪渓をトラバースする所があった。雪は柔らかく山側に固定ロープもあったので、アイゼンは装着せずキックステップで通過することにした。この後も何ヶ所か雪渓をトラバースする所があったが、同様にして慎重に通過した。
少しずつ近づいてくる谷川岳に相変わらず雲はかかっていなかった。歩き出しから59分で熊穴沢避難小屋に到着した。まずまず順調なペースで、同行のA氏も調子が良さそうだった。
さて、ここからいよいよ急登が始まる。歩き慣れている私には楽しいところだが、A氏にとってはきつかったようだ。徐々にペースが落ちてA氏を待つ時間が長くなった。
そこで、天狗の溜り場まで行って休憩しようと思っていたが、早めに休憩することにした。周辺の山を見渡したところ、ずいぶん遠くまで見えた。
下の写真は谷川連峰の主稜線だ。A氏は20年前に谷川岳から平標山まで縦走したそうだ。私にとっても歩いてみたいコースだ。
こちらはこれから向かう道だ。右に見える西黒尾根のザンゲ岩の上に、小さな雲が見えていたが雨を降らすような雲ではない。
天狗の溜り場まで来た。いよいよこの先から雪になる。天狗の溜り場からは榛名山、赤城山、日光連山、尾瀬の山々などもよく見えた。
垂直分布幅が広いショウジョウバカマはこの辺りでも観られた。他に花は観られなかったが、唯一観られたのがこの黄色いスミレだ。細長い肉厚の葉からしてナエバキスミレではないかと思う(細長い線形の葉は別の植物)。また見かけたらじっくり写真を撮ろうと思っていたが、見なかった。
さて、いよいよここでアイゼンを着用した。A氏は前日に練習してきたそうだ。
私が先を歩いて、肩の小屋でA氏を待ったがなかなか来ない。アイゼンを履いて歩くのに時間がかかったようで、かなり疲労しているように見えた。
そこで肩の小屋でも6、7分休み、この先はA氏の荷物を減らすためアイゼンを私が持つことにした。
荷物が少し軽くなったA氏だが肩の小屋から山頂にかけてペースがさらに落ちた。時間は十分あるので自分のペースでゆっくり歩いてもらった。
トマの耳に11時10分に着いた。A氏はゆっくりこちらに向かっている。オキの耳の方を見ると西から怪しげな雲が近づいていた。
疲れているA氏には悪いが先ずはオキの耳まで行き、帰りにトマの耳の山頂に寄ってもらうことにした。
トマの耳から観たオキの耳。怪しげな雲は画面には写っていない。山頂の右に見える山は巻機山で、その右には越後駒ヶ岳と中ノ岳が並んで見えていた。
山頂の左には一ノ倉岳がすぐ近くに見える。
オキの耳付近から観たトマの耳。山頂の真後ろに見えるのは榛名山だ。左に赤城山が見える。
オキの耳には11時22分に到着した。山頂標識の右に見える山は谷川馬蹄形を形成する朝日岳などの山々だ。
オキの耳まで来ると、天気は持ちそうに見えた。A氏は山頂で長い時間写真を撮っていた。
軽く食事を摂って11時45分にオキの耳を後にした。
その後二人でトマの耳の山頂に立った。後は下山するだけである。
ところが二人一緒に肩の小屋へ向かう途中、A氏が転倒した。左足首を痛めたらしい。
(後編に続きます。)
今回は昨年よりひと月余り早いが、例年に比べて雪が少なく、アイゼンが必要な個所は少ないと聞いていた。
昨年とのいちばんの違いは同行者(A氏)がいることだった。A氏は山の経験が長く、谷川岳は過去に登っている山だった。また最近も低山を歩いているとのことだった。しかし雪山の経験がないので、雪山デビューとしては残雪期の谷川岳はちょうど手頃だと思っていた。
早朝5時にA氏をピックアップし、土合へ向かう。関越自動車道の下牧PAで朝食とトイレ休憩を取った。ここから観る谷川岳は前景とのバランスが良く好きだ。この日は谷川連峰の上に雲一つなく晴れ渡っていた。
登山開始は8時25分、ロープウェイの天神平駅からだ。谷川岳登山のもっとも一般的コースで、私は昨年も同じコースを歩いていた。
この日は2人とも写真を撮るので、一応の目安は上りが2時間半下りが2時間だが、ゆっくり歩こうと話していた。
往きは私が先頭を歩いた。歩き始めから目指す山が見えるのは気持ちが良い。天神平周辺の雪は大半がなくなっていた。
歩き出すとすぐに登山道に雪が現れた。しかし危険なところはなく、雪を踏んで歩いた。
またすぐにお花も現れた。真っ先に現れたのはショウジョウバカマ(メランチウム科ショウジョウバカマ属)で、イワウチワ(イワウメ科イワウチワ属)が続いた。
ショウジョウバカマもイワウチワも、登山道脇にずっと咲いていた。
しばらく歩くとイワナシ(ツツジ科イワナシ属)が観られた。昨年歩いた際には気づかなかったので嬉しかった。
一方、昨年6月はシラネアオイやイワカガミが観られたが、今回は観られなかった。
10分ほど歩くと田尻尾根との分岐に出る。その手前に雪渓をトラバースする所があった。雪は柔らかく山側に固定ロープもあったので、アイゼンは装着せずキックステップで通過することにした。この後も何ヶ所か雪渓をトラバースする所があったが、同様にして慎重に通過した。
少しずつ近づいてくる谷川岳に相変わらず雲はかかっていなかった。歩き出しから59分で熊穴沢避難小屋に到着した。まずまず順調なペースで、同行のA氏も調子が良さそうだった。
さて、ここからいよいよ急登が始まる。歩き慣れている私には楽しいところだが、A氏にとってはきつかったようだ。徐々にペースが落ちてA氏を待つ時間が長くなった。
そこで、天狗の溜り場まで行って休憩しようと思っていたが、早めに休憩することにした。周辺の山を見渡したところ、ずいぶん遠くまで見えた。
下の写真は谷川連峰の主稜線だ。A氏は20年前に谷川岳から平標山まで縦走したそうだ。私にとっても歩いてみたいコースだ。
こちらはこれから向かう道だ。右に見える西黒尾根のザンゲ岩の上に、小さな雲が見えていたが雨を降らすような雲ではない。
天狗の溜り場まで来た。いよいよこの先から雪になる。天狗の溜り場からは榛名山、赤城山、日光連山、尾瀬の山々などもよく見えた。
垂直分布幅が広いショウジョウバカマはこの辺りでも観られた。他に花は観られなかったが、唯一観られたのがこの黄色いスミレだ。細長い肉厚の葉からしてナエバキスミレではないかと思う(細長い線形の葉は別の植物)。また見かけたらじっくり写真を撮ろうと思っていたが、見なかった。
さて、いよいよここでアイゼンを着用した。A氏は前日に練習してきたそうだ。
私が先を歩いて、肩の小屋でA氏を待ったがなかなか来ない。アイゼンを履いて歩くのに時間がかかったようで、かなり疲労しているように見えた。
そこで肩の小屋でも6、7分休み、この先はA氏の荷物を減らすためアイゼンを私が持つことにした。
荷物が少し軽くなったA氏だが肩の小屋から山頂にかけてペースがさらに落ちた。時間は十分あるので自分のペースでゆっくり歩いてもらった。
トマの耳に11時10分に着いた。A氏はゆっくりこちらに向かっている。オキの耳の方を見ると西から怪しげな雲が近づいていた。
疲れているA氏には悪いが先ずはオキの耳まで行き、帰りにトマの耳の山頂に寄ってもらうことにした。
トマの耳から観たオキの耳。怪しげな雲は画面には写っていない。山頂の右に見える山は巻機山で、その右には越後駒ヶ岳と中ノ岳が並んで見えていた。
山頂の左には一ノ倉岳がすぐ近くに見える。
オキの耳付近から観たトマの耳。山頂の真後ろに見えるのは榛名山だ。左に赤城山が見える。
オキの耳には11時22分に到着した。山頂標識の右に見える山は谷川馬蹄形を形成する朝日岳などの山々だ。
オキの耳まで来ると、天気は持ちそうに見えた。A氏は山頂で長い時間写真を撮っていた。
軽く食事を摂って11時45分にオキの耳を後にした。
その後二人でトマの耳の山頂に立った。後は下山するだけである。
ところが二人一緒に肩の小屋へ向かう途中、A氏が転倒した。左足首を痛めたらしい。
(後編に続きます。)