ただの備忘記録

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【映画】天気の子

2019年07月21日 | 映画

朝、選挙の投票に行って、この後の予定を考えていて急に思い立って映画を見てきました。
新海誠監督の映像作品はデビュー作からいくつか見ていて、もちろん「君の名は。」も数回見ています。
それでも少し躊躇していたのは、体調の不調であったり、混雑であったりという事以外に、このタイトルにいまいちピンと来る物がなくて、主役の二人が前作より子供っぽかったので、子供の目線の楽しい無邪気な話だろうかと思っていました。
それでも、きっと話題になるだろうからそれまでに見ておきたいと思って、映画館の座席表を見るとお昼の上映分で座席が半分以上空いていました。雨が降るまでに帰って来られそうだったので、チケットを予約して出かけました。

「天気の子」については、予告映像も見てましたし、冒頭カットの蔵出しの映像も見ていました。CMもいくつかタイアップしていたので、なんとなく雰囲気は掴んでいました。
それでもまだどういった世界観の話なのかが良く分からなかったのですが、いくつか監督のインタビュー記事を読んで「雨の止まない東京」というものに興味を覚えました。

主人公の少年、穂高(ほだか)は離島から家出をして東京にやって来て、同じ年頃の少女、陽菜(ひな)と出会います。
陽菜がどういう人物か書くだけでネタバレになっていくので、登場人物についてはサラッと流していきますが、二人の出会いが鍵となり事件が次々と展開していきます。

穂高が出会う謎の男、須賀を小栗旬が、その事務所で出会う夏美を本田翼が演じています。
小栗旬の声は分かりやすかったですけど、話が進むにつれ気にならなくなっていました。小栗旬の顔がちらつかなくなってきたという意味で。
夏美は美人で奔放な感じですが、声だけだとドラマの本田翼とは違う気がしました。キャラクターの絵ととても合っていたと思います。

ストーリーは、前作に比べるととても分かりやすいと思います。後半にアクションシーンがどっとあってドキドキもワクワクも詰まっていますが、冒頭から雨が常に降っているので背景はずっとアクションシーンのようなものかもしれません。
背景美術の美しさは今更言うことはありませんが、とにかく雨の描写が色々あって、驚きの連続でもありました。
窓に当たる雨、窓の外ではねる雨、見上げた空からどっと降り注ぐ雨など、一粒一粒が丁寧に描かれているという印象でした。
なのでストーリーがゆっくり動いていても、常に何かに突き動かされているという印象があったかもしれません。

映画のパンフレットの中で、ネタバレページの監督のインタビュー冒頭で「いまの世界情勢や環境に異変を感じているけど、それは私達(人類)が選択をし続けてきた結果である」とおっしゃっていて、今朝の選択の一票が次の時代に何かを残すのだろうという思いを感じました。
「若者にとってはその世界の異変は最初からあったもので、それを受け入れて育っているので諦めもあるかもしれない。でも、これから新しい選択をしていくのも若者たちなんだ」というメッセージもあったと思います。

前作「君の名は。」を見た人にはサプライズ的な描写もいくつかありました。かなりのファンサービスだと思います。
ラストシーンの東京の街も、監督が今描いておきたかったとおっしゃっていますし、見所だと思います。
新たに物語が走り出しそうなラストシーンで、そこまでため込んだ勘定がブワッと出てくる気持ちでした。
エンドロールは実にシンプルでしたが、ほとんど誰も席を立たず作品の余韻に浸れたのも良かったです。

また、観に行きたい気分になっています。