須川の湯にも暫く浸かっていない。かみさんから、栗駒の紅葉もテレビで放送され「今が一番いいかもよ!」なんて言われると、朝からおにぎり持参で何とか山へ登ろうと思ってしまう。
宮城県側から登れるはずだと聞いて、我ながらの土地勘で車を動かしたが、被災地の状況だけが目に映る。この山も崩れている。この道も通行止めだな。行く道は迷路のように、通行止めの看板が道を塞いだ。
被害が一番大きい耕英(こうえい)地区手前の通行止めの看板付近に着くと、フロントガラスに一匹の犬が近寄ってきて、愛らしい顔でメッセージを受ける。「何とかしてくれ!」「腹が減った!」「住宅地まで連れて行ってほしい!」。毛には、杉葉がくっつき、山の中で、何とか暮らしているのがわかる。
心までわからなかったが、握り飯を与えたが食べようとしない。直接口に与えたが、あごの元気もない。逆に困ってしまった。食べようという意欲はあった。そして、工事用のダンプも通りかかる。「なんとか生活はできるだろう」と後にしたが、車を追いかけて来る姿を見て、後ろめたい気持だけが残った。この冬もなんとか頑張れよ!。冷たいかも知れないが、おにぎりを与えるのが精一杯だった。地震の影響は、まだまだ続いている。
藍染の日本国宝の方の自宅付近で、宮城県側から登れないことを知らされる。宮城県から栗駒への道を歩き、通行止めとの闘いだったが、細倉マインパークまでたどりついた。どこをどの様に歩いたかはわからない。しかし、前進はせず横移動だったかも知れない。
金田森公園から鴬沢町を見下ろし、細倉鉱山で栄えた昔を想像する。
鶯沢から栗駒中学校、そして、ちょうど栗駒運動公園に差し掛かり、子供達の自転車が目に付いたので、見学にいったところソフトボール場で、野球部が芝生を利用しスライディングの練習をしていた。その姿を見学しながら、持参した昼食を口にし、しばらく雨の中ラジオを聞きながら時間を費やした。「スライディングの練習もしないとな」。
夕方から、昨日同様に仮設照明で1時間、桜町中サッカー部の子供達と時間を費やした。新人戦県大会、まで4日となった。時間だけは、早く過ぎるような気がする。
頑張って行きましょう。