友人のヨットマン市川さんが皆既日食を見るためクルージングに。
簡単な航海日記を寄せてくれたので、ご本人の了解を得てＵＰ
ＴＶや新聞の報道ではない臨調感ある報告をどうぞ(市川さんは外見５０ほんとは６０才)
今回の日食に事寄せて、ロングクルージングを計画しました。
１７日に飛行機で沖縄にわたり、すでに昨年回航してあった、四国のヨット仲間の船
(岡崎３３ｆｔ・全長１０ｍ）に乗り込み、３名にて四国まで渡って来ました。
７月１８日５時半出港
沖縄から与論島(与論島にて２泊）好天雄大な波
７月２０日６時出航
沖永良部島に立ち寄り民宿の食事と風呂を堪能 好天雄大な波。
漁船からカツオを頂く。美味い！
７月２１日７時出航
長駆２００マイル（４００ｋｍ）先の皆既日食帯・トカラ列島海域を目指す。
（海上保安庁の指示により島に上陸は禁止）
夕方より荒れ気味となる。セイルを一段縮帆、夜間ますます荒れる。
３名の内一名は操船不能となり艇長と私が一時間交代の操船となる。
時々波に舵を取られワイルドジャイブと波のパンチを食らう。
ショック大きいため操船に繊細な注意が必要。
夜明け風速波浪ともますます上がり、セイルを３段縮帆辺りは凄い事になって来た。
風速１５～１８ｍ、波浪４～５ｍ
皆既直前の９時頃、前方より前線が迫る。
風速が５ｍほど上がり、波頭が白く流れ始める。風速２０ｍを超えた。
またスコール激しく雨で目が開けられない。フル装備でデッキ上にいるのは私だけ。
他の二人はキャビンに避難しているし・・。すさまじい嵐！！
すごい海況のまま皆既時間を迎える。辺り薄暗く航海灯火一式を点灯。
なぜだか海上には夥しい数のカツオドリが舞う。嵐の象徴だ。
皆既・真っ暗！よく見ると水平線付近がやや明るい。
しかし前線とも相まってどちらにせよ暗い。恐怖を感じる。
この海況は怖くないが、自然の脅威・皆既がこんなに怖いものとは！
６分ほどでやや明るくなる。
操船の限界となり、艇長にこの角度以外進行が難しいことを進言。避難港を選定してもらう。
１３時３０分、トカラ列島の中之島に緊急避難。保安庁の指示で、許可外の立ち寄り船は水燃料食料風呂の補給はできない。
しかし自炊で十分。何とか船を着けました。
漁港で氷も調達出来た(^^) 沖永良部で頂いたドラゴンフルーツが追熟して美味い。
艇長と二人ぺろりと食べました。
７月２３日７時
翌朝今度はゆっくり温泉と云うことで屋久島を目指す。
穏やかな海となり、船尾からトローリング。カツヲを２匹ゲット、さっそく刺身にする。
美味い！ １５時３０分屋久島・栗生港に着艇。さっそく買い物とビール。
艇長旧知の船主会長に連絡を取る。
車で案内していただき、素晴らしいロケーションの高層ホテルの温泉に。
３日間の垢を落とす。
ご案内の食堂でゆっくり食事・・・のつもりが天気予報で荒れる予報。
北西の強風を避ける為には明朝９時までに鹿児島県都井岬を交わさねば成らない。
急きょ、緊急出航。
それから１昼夜半はほぼ静かなクルーズ。カツオの立派なものも上がり、
刺身と叩きでどんぶりにする。夜半からまた荒れ始める。波も高くなる。
が、まだ余裕。トカラ沖ほどではない。崩れる波に夜光虫がきらきら。
７月２４日
いよいよ翌朝佐多岬（四国の左端）の狭い水道に掛かるころラジオでは突風雷豪雨と繰り返し叫んでいたが、いよいよ暗い
前線が前方から近づいてきた。おおーっつ！これはいけない、暗い雲の一部から竜巻が２・３本見えている。
まだ海面には届いていないが消長を繰り返している。ここでやはり佐多岬先端の御崎港に避難する。
前線の厳しいところだけ避けて約１時間半停泊。佐多岬沖の急流を乗り切るためには後２時間しか余裕がない。すぐ出航してこの早吸の瀬戸へ突入。
瀬戸内へ入ってからはやはり風波は有るものの緊張を要するまでもなく、次々現れる島々の風景を楽しみつつ帆走する。
約２４時間、しまなみ海道の大橋、北条辺りの花火、航路を走るたくさんの船を楽しみ、翌朝６時半目的地高松のペラガスマリーナに静かに入港した。
全行程７５０マイル・１４００ｋｍ超ロングクルーズ完走できました。(^^)/~
