思惟石

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『敦煌』 莫高窟に埋まった経典のお話し

2024-06-25 13:34:19 | 日記
『敦煌』
井上靖

映画も有名な井上靖の西域小説。
1959年初出だそうです。
時代を感じるなあ…。

世界遺産として有名な敦煌・莫高窟から出土した
「敦煌文書」が如何にして埋められたか。
を描いた時代小説。

舞台は11世紀、宋(北宋)の時代。
チベット系のタングートが「西夏」を起こした頃。

主人公の趙行徳(ちょうぎょうとく、読みやすい)は
宋の首都開封で科挙の試験に昼寝して落ちる。
どんまい。
そして流れ流れて(この主人公、流れすぎである。
林檎ちゃん並みにころころ転がっていく。親が泣くぞ)
気がついたら宋と敵対する西夏の漢人部隊で参謀みたいになってる。
おい。

とはいえ、意志薄弱というわけでもないし
(兵士にぶん殴られても言いたいことを言う)
自分の意思で行動を選んでいるし、
好感が持てるような、でもダメ男のような…。
不思議な人物である。

そしてラストは敦煌で勝ち目のない戦となり、
莫高窟に経典を埋めるために奔走します。
おお、こんな感じで埋められたのかあ、というワクワク感。

もうちょっと西夏、沙州、吐蕃あたりのことを
体系立てて知りたいな。
なにか良い本はないものか…。
コメント
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