https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170823-00010006-nishinpc-soci
男子生徒から玄野さんに寄せられる相談で多いのは「ズボン脱がし」。これは性暴力であり、少年期の経験で50歳を過ぎても苦しむ人がいるといい、「相談を持ち掛けられたら軽視しないで」と呼び掛けた。
教諭や家族など周囲の人たちは、相談を受けたときどう対応したらよいのか。「『信じて聞く』だけで心の応急手当てができる」と玄野さんは紹介する。
相談を受ける際は、(1)被害内容によっては密室を怖がることもあるので安心して話せる場所を生徒に選ばせる(2)「それは怖かったね」などと冷静に話を聞く(3)被害者を非難しない-などのポイントを説明=図参照。支援に必要なことだけを尋ねるのも重要だと指摘した。言ってはならないのは「なぜ逃げなかった」「男ならやりかえしてこい」「性的いじめを受ける方にも原因がある」などの言葉。二次被害を与えてしまう。「ファーストサポート」はとても大切なのだ。
こうした事後の対応とは別に、被害を拡大しないための予防策も必要だ。普段から学校や地域で「被害者は悪くない」「被害に遭ったら信じてくれる人に相談する」ということを伝えておくべきだ、と玄野さんは強調する。被害のケアが早いほど、生徒の抱える問題は大きくなりにくいという。
参加した養護教諭から、自身の抱えるケースの支援の難しさについて質問があった。玄野さんは具体的に助言した上で、教諭が保健所やワンストップ支援センターなどと連携しておくことも大切だと語る。「1人で抱え込むと健全で適切な対応ができなくなる。守秘義務が守れる相手に相談することが大切です」