キスでもだから。
梅毒はどのようにうつるのか
梅毒はトレポネーマという種類の菌が粘膜や傷口から入り込んで感染し、体内のあちこちに症状が出るタイプの感染症です。つまり「接触」がキーワードです。
主な感染ルートは、バリア(コンドーム)なしの「膣ーペニス」「肛門ーペニス」「口ー性器・肛門」の性的接触。もうこれは、モロ感染する行為です。
セックス以外では母子感染や医療行為(血液がついた注射の針を刺すなどの血液曝露)もありますが、全体からみるととても小さい数です。
心配されているお風呂やサウナなどで感染する条件としては、
他の人にうつる状況の状態の人が椅子やタオルの上に座る
→時間を置かずすぐそこに誰かが座って粘膜と病原体が出会う
→運悪く感染する
というパターンですね。
お湯の中につかってうつることはほぼあり得ません。
温度や湿度や時間、体液の量、粘膜の状態など細かく検討が必要ですが、可能性で考えれば「ゼロじゃない」ですね。もっとも、感染するかどうかヒトで実験もできないので、想像と妄想の世界ですが。
確実なことが言えないときに「絶対大丈夫」とも言えませんし、「おそらく○%」と適当なことも言えません。
現実的に考える 健康的な悩み方とは?
例えば、梅毒に感染していて性器周辺に生々しい症状があって、その人が座った椅子やタオルの上に洗わず、自分のタオルも敷かずに自分が座ること。
確かに感染リスクは生じます。でも、そんなことをしなければいい。
他人が使った(らしい)椅子にそのまま座らないで洗うということは、日常の中で私たちが普通にしていることです。
「おや、洋式トイレの便座に血液や液体がついているようだ。心配だな」となった時にそのまま座らなければいい。便座シートでふいてもいいし、気になるなら隣のトイレや和式トイレにいけばいい。
「可能性」がとても低い行為で感染はそんな簡単にはおきません。
しかし、可能性にこだわってストーキングすると、「感染症で病まなくても心が病む」という別の健康リスクが生じます。