https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180118-00010000-yomidr-sctch
長期間の大量飲酒は心臓の肥大や機能低下をもたらし、心筋症や心不全の原因となります。アルコールはまた、心房細動や期外収縮などの不整脈のリスクを高め、これらの不整脈は大量飲酒者や大量飲酒後に起こりやすいことが知られています。さらに、脳出血やくも膜下出血のリスクとなり、その危険性は飲酒量が多いほど大きくなります。
しかし、アルコールの循環器病への影響は悪いことばかりではありません。心筋梗塞や閉塞性動脈硬化症は、飲む人が飲まない人より少ないことが知られています。脳梗塞については、少量ないし中等量では予防的に働き、大量ではリスクとなります。好影響の理由としては、HDLコレステロールを増やすことや、血液が固まりにくくなること、他の栄養素より血糖を上げにくいことなどがあげられます。血圧が24時間でみるとそれほど上がらないことや、赤ワインに多いポリフェノールも関係しているでしょう。
アルコールと循環器病との関係を表にまとめましたが、少量では好影響が、大量では悪影響が多いことがお分かりかと思います。
日本高血圧学会などの高血圧のガイドラインは、飲酒については男性でエタノールにして1日30ml程度まで、女性ではその半分くらいまでの量に制限することを勧めています。エタノール30mlは日本酒1合、ビール1本、ワイン2杯にほぼ相当します。大量飲酒は望ましくありませんが、少量の飲酒はアルコールによる疾患など特殊な場合を除いては問題なく、限度を守っていただければいいでしょう。