https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181116-00247806-toyo-soci略
橋田さんは”尊厳死”さえ一向に法律で制定化されないこの国で安楽死が認められることは当分(彼女が生きているうちには)認められそうにないと慨嘆し、巻末ではこんなふうに書いています。「だから私は(安楽死が認められている)スイスへ行くつもりです。お手伝いさんには、『私が死にに行くときは、70万円持ってついて来てね』と頼んであります。お骨を持ち帰ってもらわないといけませんからね」。
■安楽死が容認されている国はどこか
スイスでは安楽死が認められています。スイス以外には、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、アメリカのいくつかの州(ニューメキシコ、カリフォルニア、ワシントン、オレゴン、モンタナ、バーモント)、そして、カナダも安楽死を容認しました。
もっともアメリカの場合は、医師は直接手を出さず、致死薬を処方してあとは患者の自由意志に任せ、患者がそれを服薬する現場にも立ち会いませんから、厳密な意味では安楽死は容認されていないといえます。いずれにしても、外国人を受け入れているのはスイスだけで、橋田さんはそれと知って前出の発言に及んだのでしょう。
スイスで安楽死を引き受ける”幇助団体”は、ディグニタス、エグジット、ライフサークルの3つです。ディグニタスやライフサークルには、世界中からほとんど毎日のように安楽死を求める末期がんの患者から電話がかかってきて、予約待ちの状況だということです。しかし、エグジットでは外国人を受けつけていないとのこと。理由は、国内の患者に応じるだけで手いっぱいだからと。
どのようにして安楽死させてくれるのか? 私はてっきり医師が何らかの致死量の薬を静脈注射するものと思い込んでいましたが、それを許しているのはオランダだけで、スイスでは”幇助”の名が示すごとく、医師は致死薬を入れた点滴瓶を用意し、血管を確保するまでで、点滴のストッパーを開くのはあくまで患者なのだそうです。
医師は無論立ち会ってその最期を見届けることになりますが、点滴を開始してから臨終に至る模様をビデオ撮影し、そのフィルムを死亡直後、検死に訪れる警察官に殺人ではないことの証拠として呈示することが課せられています。
一方、オランダでは患者自らが点滴のストッパーを開くのではなく、患者に睡眠剤を含ませた後、医師が、日本では問題となった筋弛緩薬を打って患者を死に至らしめます。スイスのように警察官が検死に訪れることもなく、医師はただ警察に報告するだけで足りるようです。
■オランダでは死亡者の4%が安楽死
オランダでは”かかりつけ医”制度が確立されていて、地域のホームドクターがこの積極的安楽死の任を負います。もっとも、死にたいという患者の訴えを即受け入れて安楽死させるわけではなく、数週間から数カ月かけて入念な対話を繰り返します。
その後に、患者が本当に「耐えられない痛み」に悩み、その原因である病気が「回復の見込みがまったくない」ことを確認したうえで医師は応諾します。そうして安楽死に至った患者は、全体の死亡者の4%を占めるそうです。
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