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いじめの解決の第一歩は「証拠集め」と言われる。学校や教師が頼りにならないなか、いじめ調査のプロも誕生した。彼が見たのは、もはやいじめの範疇を超えた残酷な子どもたちの姿だった。
私立探偵の阿部泰尚(ひろたか)氏は、これまで多くのいじめ事件を解決してきた。阿部氏によると、いじめの質も変化してきたという。特定の生徒に対する継続的な暴力、中高生による100万円規模のカツアゲ、中高生だけでなく小学生までが行う集団レイプ、女子高校生による援助交際強要などなど。「かつては自分もヤンチャだった」という阿部氏が驚愕するほど、陰湿かつ凶悪ないじめに次々と遭遇した。
「もはやいじめの範疇を超えた立派な犯罪だ」略
プロはどう対処するか?
レイプの場合、阿部氏は、被害生徒にはしばらく登校しないように助言する。そして、加害生徒宅を一軒ずつ訪問し、録画された映像などを回収する。その記録が、調査資料として被害生徒の保護者に手渡される。そこから先は、保護者同士の話し合い(多くが損害賠償交渉)になる。教師はというと、生徒間で問題が起きていると気づいても、あえてかかわろうとしない。
阿部氏はこれまでに20件以上のレイプ事案を扱ったという。「事件は収束しても、被害者の心の傷は簡単に癒えることはなく、解決とは言えない」と、その残酷さを強調する。レイプの低年齢化も著しく、小学生のレイプ事案にも何度も出くわした。しかも6年生などではなくそれ以下の学年でも起きているという。