https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170828-00010004-esquire-life&p=2
《神話1》リフティングでは胸を上に持ち上げ、肩を後ろに引き、背中を反らして保つこと
フトしている間は胸郭を下げた状態を(大きく溜息をついた後のように)保つ姿勢だ。初めは奇妙な感じがするのは否めないだろうが、そのうち筋肉に正しくパワーが伝わるようになるはずだ。
《神話2》反復回数が多ければ持久力を高められ、反復回数が少なければ強さを高められる
本当は少ない反復回数でも、強さと持久力の双方を向上させられる。完全なまでに力強く(つまり1回で最大の力を出すように)反復すれば、比較的簡単に持久力を高めらるのだ。また、いずれも筋肉の持久力と大きさを向上させるアプローチなのだが、最大値の底上げを図る場合は、反復回数が少なくなるように負荷を高めたほうが一層優れた効果を発揮する。
《神話3》ウェイトトレーニングは筋肉をつけるため、有酸素運動は脂肪を落とすため
多くの人が「ウェイトトレーニングは筋肉をつけるため、そして有酸素運動の中でも心肺機能を鍛えるのに効果的なカーディオトレーニングは、脂肪を落とすため」と考えている。10ポンド(約4.5kg)増やそうとするにせよ、10ポンド落とそうとするにせよ、どちらにせよウェイトリフティングで目標を達成できるはずだ。というのも、ウェイトトレーニングは筋肉を増強するだけでなく、代謝量を増やすという肉体の改善も図ってくれるのだから。
脂肪を落とすには、有酸素運動ではなく、食事制限のほうがより重要だ。消費するカロリーより摂取カロリーが上回れば、当然、体重は増加する。その逆で、消費カロリーより摂取カロリーが下回れば、当たり前だが体重は減少する。有酸素運動は確かに脂肪燃焼に役立つが、ウェイトトレーニングと有酸素運動は相互排他的なトレーニングではないのだ。
《神話4》ゆったりした有酸素運動では体が鈍くなる
そんなことはないだろう。ジムにある自転車に乗ったり、ジョギングでゆっくり走ることで、遅筋繊維を鍛えていくことができる。心臓を丈夫にして回復力を高めながら、遅筋繊維の有酸素能力を高めることが大いに期待できるのだ。
こうしたゆったりした有酸素運動は、「スローカーディオ」と呼ばれる。スローカーディオは、本当にゆっくりと行うという点を忘れずに。伝説的なトレーナーのチャーリー・フランシス氏は、「瞬発力をつけるなら、最大パワーの65~95パーセントの強さを避けろ」とコメントしている。彼の教えを信じるのであれば、95パーセント以上か65パーセント以下でトレーニングすれば瞬発力がつくのだ。
《神話5》ハムストリングが硬いなら、もっとストレッチをしよう
これはある意味、理にかなっている。太ももの裏にある筋肉全体=ハムストリングが硬いのなら、ストレッチをしよう。そうすれば、筋肉が柔軟になる。
しかし、ここで問題がひとつ発生する。ストレッチでは、決定的かつ根本的な問題点をなんら解決されないのだ。根本の問題を解決しなければ、ハムストリングは再び硬くなるだろう。根本原因は、骨盤が一直線になっていないから、というケースが多いようだ。そのような姿勢だと、通常ハムストリングに自らストレスを発生させることで腰をかばう、つまり、ハムストリング自体が硬くなっていく。
ハムストリングを硬直させることによって、骨盤が前にせり出したり、右に偏ったりするのも防止しているのだ。であるなら、骨盤をニュートラルポジションに戻すように鍛えれば、ハムストリングはストレッチせずとも自然に弛緩する。
《神話6》炭水化物は太る
炭水化物は必要だ。人体は炭水化物をグルコースに変えて筋肉や臓器、脳にエネルギーを供給している。甲状腺やテストステロン、ストレスバランスも炭水化物に依存している。野菜や果物からも炭水化物は摂取できる。しかし、日頃からトレーニングしている人であれば、全粒穀物やじゃがいも、米のような従来の炭水化物を摂ったほうがいいだろう。簡単に適度の量を摂取できるからだ。
炭水化物を減らすと、短期的には体重を落とすのに役立つ。しかし、そうやって落とした体重の減量分のほとんどは、体内の水分量が減少しただけというケースが多い。糖質制限することによってケトン体を生成し、脂肪をエネルギーに変えることで脂肪を消費しやすい体質にするという「ケトジェニック・ダイエット」が流行中だが、食事をどう構成するかを決めるのはあなた自身なのだ。炭水化物を厳しく制限したければ、どうぞご自由に。しかし、米やじゃがいもを食べていても、健康でバランスのとれた生活を送ることはできる。このことはぜひ理解してほしい。