https://netallica.yahoo.co.jp/news/20181127-86045755-jct_bw略
自己判定で胃弱陽性となれば、その原因は、ストレスやピロリ菌感染、機能性ディスペプシア(FD)などのほか、生活の乱れや加齢なども考えられるという。
ストレスの場合は、多忙や人間関係、あるいは頑張りに見合った評価を得られないなど職場や学校などでのことや、睡眠不足、疲労、環境や気象状況によっても蓄積される。ストレスを感じると身体はその対応のため交感神経がオンとなり戦闘モードに入るものだが、副交感神経はオフになり胃の消化活動がストップする。こうした仕組みから、ストレスは胃に悪いとされるのだ。
ストレスを感じたら、その原因を解決させ、その後には身体を休めて精神的にリラックスできれば再び副交感神経が優位となって消化活動が再開する。だが「つねに副交感神経が優位な状態がよいわけではなく、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことが胃だけでなく全身にとって理想的」なことをお忘れなく。
5年前に保険病名になったFD
ストレスの場合は、自分の意識の持ちようで対応が可能だが、菌は病気に対してはそうはいかない。しかも、胃を荒らす第一の容疑者はピロリ菌という。胃がんに関係することが明らかになり除菌に努めるよう求められている。
感染率は50代以上で約4割。年代が高いほど高率で団塊の世代以降では70%以上が感染しているという説もあるという。子どものころに胃のなかに入り込むと除菌しない限りほぼ消えることはなく、長期にわたり胃粘膜に障害を与え続け慢性的な炎症を引き起こす。つまり「慢性胃炎」となるわけで、ここから、胃かいようや胃がんのリスクが増すことになる。
本書によれば第二の容疑者は「機能性ディスペプシア(FD)」。「胃の働きに異常があるため消化不良が起きる」病気で、胃痛や胃もたれ、腹部の膨満感のほか、吐き気、胸やけ、胃酸の逆流感などの症状があるという。しかし検査しても炎症などが見当たらず原因がわからず、炎症がないにもかかわらず「神経性胃炎」などと診断されたり、「気のせい」とされ治療されなかったりということもあった。
だが原因不明ながら胃の不調を訴えるケースが非常に多いことから、日本消化器学会ではFDを含む機能性消化器疾患の診療ガイドラインを作成、診断基準や治療法が広く知られるようになり2013年5月には、FDが保険病名として認められるようになった。ある医療機関では「胃の調子が悪い」と受診した人の約半数がFDと診断されたとする報告もあるという。
FD症状の改善には、ピロリ菌の除菌成功率向上に効果があるとされるLG21乳酸菌が有効とされているそうで、本書では研究データを引用しながら解説されている。