30.5 19.9 69 晴
ほぼ終日ネット証券の習得と銘柄調査を行った。
どのように注文してどのように売却するのか、証券会社に預けたお金と株の関係等を理解するのに時間がかかった。
ネット証券では株の売買と現時点での現金と株の評価額と自分の持っている証券会社に預けた総資産が、時々刻々わかるようになっていた。
したがって株を購入し、また売却した時点で詳細な記録が表示されるようになっている。
株の銘柄は大量にあり、どの会社の株を売買してよいのか迷う。
私が証券会社に預けた金額は、自分にとっては1か月分の生活費程度だが、株式市場では、小さな埃というより細菌の規模程度だろう。
売買は100株単位なので一株数百円未満の株しか買うことができない。
それでも大量の銘柄の中から探すと、いくつか見つけることができた。
名前を聞いたことのない企業(銘柄)がほとんどだが、中には大手の銀行や自動車会社もあった。
株式のチャートを見ると、秒単位で相場が動いていた。
電子取引の実態を初めて知った。
さらに驚いたのは、リアルタイムでどの企業の株がいくらで何株売買されたが表示されるのだ。
しかも、それには買い気配や売り気配も表示されていた。
たまたま見た銘柄では、分秒単位で相場がどんどん上昇していて、大量の株の買いと売りの注文が入っていく。
商いの少ない銘柄では100から1000株単位の売買が数分おきに行われ、相場が1円刻みで上下していた。
中には、数十分間売買されない株もあるし、100株単位の売買がたまにされる株もあった。
相場は、見ていて飽きない。
まさに株は欲望の戦場だ。
この取引の下で、多くの人が大儲けすしたり大損するゲームが行われ、その結果株式市場に大量のお金を吸い込んだり吐き出したりしていて、経済を動かし、世の中の景気も左右し、政治情勢にも影響を与える。
ある意味、政治による規制等で富の分配管理が不適切であると、株式市場で多くの富が生み出され、格差社会を作り出す場となるのは自明の理だ。
そういう意味で、貧困層の私が株に首を突っ込んでいることがユーモラスに見える。
私は年金暮らしで、手取り(社会保険を差し引くと)百万円あまりで生活する中から、わずかなたくわえを積み立て、10年以上かけて積み上げた余剰資金の3-4割を割いて、物価高騰による年収の目減りを株で補おうとするために始めたもので、株取引に失敗し元本が半減することは覚悟している。
サラリーマン時代(40年前)にも株をしていたが、とっかかりは、最初に10年間技術者として勤めていた田葉井製作所が、ボーナスを払えず株でボーナスを支給したことがあった。
半年後に、会社は株券を現金に換えたが、現金化せず株を持っていてもよかった。
そうしたことが何度か会って、私はその会社の株を持ったまま10年間務めた会社を退職した。
その後、会社は大証2部に上場し他の出株は大手証券会社の管理となった。
そこで証券会社との関係が発生し、タバイの株を売って株の売買をしてもよいということから私の株取引が始まった。
当時は新聞だけが情報源で、それをもとに、数日から数週間単位で株を売買することになった。
それが今では、電子取引となり分秒単位の売買だ。
多分AIによる自動取引もされているのだろう。
私が「産業創造館」の起業講座に通っていた時に、受講者の一人がPCを使った自動株取引ロボットを開発し商品化しようとしていたことを思い出す。
取り扱い銘柄に関する情報も、以前は「四季報」に頼っていたが、今ではネットでいくらでも詳細な企業情報を得ることができる。
この日も、株取引の方法はよくわからないが証券会社が提供してくれた様々なツールのアイコンを押して反応を見て理解し、少しずつ株の売買ができるようになった。