ドッグフード原材料シリーズ、今回はリアルネイチャーを取り上げます。
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こちらは原材料シリーズの過去記事まとめ
このフードのメーカーは台湾の会社なんですよ!
なんだかワクワクしますね。
「タイワンってなに?おいしいの?」
タイワンは美味しいんだよ〜。美味しいものがいっぱいあるんだよ〜。
このフードはミール、副産物、遺伝子組み換え原料
新鮮な肉(ラム)、新鮮な魚貝(サーモン、ホタテ)精製台湾蓬莱米
動物性脂肪(米国薬局方検証済み南米アンチョビ油、鶏脂肪、
混合トコフェロールで酸化防止)
オーツ麦、 加水分解鶏肉ペプチド、亜麻仁、
ビート、エクストラバージンオリーブオイル
台湾フリーズドライ野菜(人参、南瓜、キャベツ、ほうれん草、他季節により異なる)
台湾フリーズドライ果実(りんご、他季節により異なる)
アルファルファ、有機酸(乳酸、クエン酸)、タウリン
加水分解レシチン、複合消化酵素(プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、βグルカナーゼ)
ナノ天然毒素吸着剤(天然鉱物及び酵母)、βグルカン
コラーゲンペプチド、有機亜鉛、有機クロム、グルコサミン
コンドロイチン、ユッカシジゲラ抽出物、
マリーゴールド抽出物(ルテインの源)
植物抗酸化物質(緑茶、ミント、ローズマリーエキス)
メチオニン、複合プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌ロンガム種、枯草菌)
複合ビタミン(A、B1、B2、パントテン酸、B6、葉酸、B12、被覆アスコルビン酸、D3、天然ビタミンE、コリン)
Lカルニチン、アミノ酸キレート鉱物複合体(鉄、マンガン、銅、亜鉛、セレン、コバルト)
まず最初に新鮮な肉(ラム)とあります。
これが英語だとfresh meatで冷凍してないという意味ですが
台湾のサイトを見ると「鮮肉」と書かれていて
これが日本語のニュアンスと同じ「新鮮な肉」なのか
「冷凍していない」を表すのかがちょっと分かりません。
それをさて置いても良い材料ですが、毎度のことながら
生の肉は水分を多く含むため、加工後は水分が飛んで
実質量は少なくなりますのでお含みおきを。
ラムはカルニチンを多く含むことが良く知られています。
脂肪燃焼を助けるというので太りにくいというイメージですが
カルニチンは心臓の健康のためにも重要な役割を持っています。
新鮮な魚介も、肉と同じ部分が不明です。
これも生なので水分うんぬんについては上記ラムと同じです。
サーモンは白身魚に分類され、良質なタンパク源でもあり
オメガ3脂肪酸の摂取源としても良質です。
ホタテは貝柱だけでなく内臓部分なども丸ごと使われているなら
ビタミンB群、A、亜鉛や鉄などのミネラルも豊富に含みます。
またタウリンも豊富な食材です。
精製台湾蓬莱米は精米した白米です。
台湾の米は元々は長粒種ですが蓬莱米は日本の米と同じ短粒種です。
日本統治時代に品種改良で作られた米だそうです。
犬には比較的消化しやすい炭水化物源です。
動物性脂肪はイワシ油と鶏脂肪ですね。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取源となります。
米国薬局方検証済みというのはアメリカの医薬品または
医薬部外品としての基準をクリアしているという意味です。
オーツ麦も米と同様に良質な炭水化物源です。
含まれるタンパク質が小麦グルテンとは違うものなので
小麦アレルギーがあっても大丈夫な場合が多いです。
(絶対ではありません)
ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含むので
食後の血糖値の上昇が緩やかな低GI値の食品です。
加水分解鶏肉ペプチド
タンパク質は50個以上のアミノ酸が組み合わさったものです。
アミノ酸が50個未満の数で組み合わさったものがペプチドです。
タンパク質(この場合は鶏肉)を酸または酵素で分解して
ペプチドの単位にまで小さくしたのが加水分解ペプチドです。
ペプチドの単位にまで小さくなったものはアレルゲンとなりません。
また分解して単位が小さくなっているので消化吸収し易くなります。
亜麻仁、フラックスシード とも呼ばれるものですね。
大粒の胡麻のような種子です。
植物性のオメガ3脂肪酸源の代表として良く知られていますが
残念ながらこの脂肪酸は犬の体内ではうまく活用できません。
しかし水溶性と不溶性両方の食物繊維を多く含み
抗酸化物質のリグナンも豊富な食材です。
ビート、一般的にペットフード でビートと言えば
テンサイ大根(ビート)を砂糖のために搾った後の繊維である
ビートパルプを連想する人が多いと思います。
台湾のサイトを見ると「紅○○(←読めない書けない)」とあったので
これはボルシチやサラダに使われる真っ赤なビーツだと思います。
英語だとどっちもBeetなんですけれどね。
ビタミン、ミネラルが豊富で、抗酸化物質も多く含みます。
エクストラバージンオリーブオイル、一番搾りで非加熱のオリーブ油です。
ビタミンEとオメガ9脂肪酸のオレイン酸を多く含みます。
ドッグフードでオリーブ油は珍しいですね。
野菜と果物は季節によって変わるらしいので、サラッと流します。
この製品は肉と野菜/果物の割合が8対2であるとアピールしていますが
肉類は水分の多い生で野菜果物はフリーズドライなので
実質的には野菜と果物の割合はもっと高いと思います。
しかし一般的なペットフード では野菜類は普通の乾燥タイプなので
栄養価の損失の少ないフリーズドライは良質ですね。
アルファルファは、馬肥やしとも呼ばれる栄養豊富なマメ科植物です。
人間用にスーパーで売られているアルファルファは発芽したばかりの
ヒョロヒョロした野菜ですが、飼料やペットフード では成長後に
乾燥させたものが使われるのが一般的です。
タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。
有機酸(乳酸、クエン酸)は天然由来の保存料の役割です。
タウリン、アミノ酸様物質の1つです。
タウリンは肉や魚に含まれるアミノ酸から体内で合成できるので
この製品なら添加する必要はないんじゃないかなあと思うのですが。
ミールでは高温加工でアミノ酸が損傷してしまったり
コーンや小麦のタンパク質では必要なアミノ酸が不足するので
それらを使っていればタウリン他アミノ酸の添加が必要ですけれどね。
加水分解レシチン
レシチンというのは卵黄や大豆に含まれるリン脂質です。
体内の細胞膜の主成分で細胞を正常に保つのに不可欠です。
加水分解というのは上記の鶏肉ペプチドと同じく
酸または酵素で分解して分子を小さく加工しています。
加水分解で乳化力が高くなるので製品中の水分と油分を
結びつけるという働きもあるのかもしれません。
でも多分一番の目的は細胞の健康と保水力だと思います。
このプレイリーラムは皮膚と被毛の保護を掲げていますので。
複合消化酵素、4種類の酵素の名前が挙げられています。
タンパク質、炭水化物、セルロースなどを分解する酵素で
お腹の中で消化を助けるのが目的です。
ナノ天然毒素吸着剤(天然鉱物及び酵母)
ナノというのは10億分の1を表す単位です。
例えば1ナノメートルは10億分の1メートル。
そういう非常に小さい単位にまで加工された天然鉱物。
多分モンモリロナイトなどではないかと思います。
これは確かに化学物質を吸着して排出するのですが
体に悪いものだけでなく、服用している薬にも影響するので
薬の服用は食事と2時間以上空けるのが理想です。
不安がある場合にはかかりつけ獣医師やメーカーに確認してください。
βグルカンは水溶性食物繊維の1つで多糖類です。
麦類やキノコ、海藻などの細胞壁の成分です。
腸内細菌の餌となって短鎖脂肪酸の産出を助けます。
短鎖脂肪酸は免疫機能の強化や抗炎症作用を持っています。
コラーゲンペプチド
コラーゲンは腱や軟骨を構成するタンパク質の一種です。
コラーゲンを酵素などで分解してペプチドの単位にまで小さくしたものです。
消化吸収が良いので体内で活用し易く皮膚の再生などに役立ちます。
有機亜鉛、有機クロム、亜鉛もクロムも体の代謝や再生の
正常な働きのために必要なミネラルです。
ミネラルって日本語で言えば鉱物ですから元は天然のものです。
ここで言う有機とは天然由来ということなのかと思うのですが
ちょっと詳細がわかりません。すみません。
グルコサミン、コンドロイチンは関節保護のサプリメントですね。
どちらも元来は軟骨の構成成分です。
ユッカシジゲラ抽出物
リュウゼツラン科の植物ユッカの地下茎から抽出したエキスです。
地下茎はえび芋みたいな見た目で食用にされます。
抗炎症作用があり、便のニオイを抑える働きもあります。
マリーゴールド抽出物(ルテイン)
このマリーゴールドは園芸で人気のある花ではなく
カレンデュラのことだと思います。
ルテインはカレンデュラに豊富に含まれる抗酸化物質です。
特に目の老化に良いとされています。
植物抗酸化物質は製品の酸化防止と摂取する犬のための
両方の目的で使われているのだと思います。
緑茶の抗酸化物質は鉄の吸収を邪魔したりするので
別にいれなくてもいいんじゃないかな〜という気もします。
メチオニンは犬にとっての必須アミノ酸の1つですが
タウリンと同様、なんで入っているんだろう?という気がします。
肉や魚からちゃんと摂れる成分ですし。
プロバイオティクス、ビタミン類、ミネラル類は特に取り立ててはないですね。
ビタミンの後にLカルニチンが登場しています。
これもねえ、生のラム肉を使っていれば十分じゃない?と思います。
他の製品もタンパク質の種類が変わっているだけで
全体にそれほど大きな違いはありません。
が!レイクタートルという製品には、え?と目が止まりました。
タートルって亀!?カメフード?
ビックリしたけど、台湾スッポンを使っているそうです。なるほど。
ちょっと試してみたくなりますね。
「全体的にはいいフードなの?」
うん、全体的に見て良いフードだと思うし
ニコやニヤが若い頃に入手可能だったら買ってみたかったと思う。
公式サイトに書かれている企業理念や製品説明もきちんとしていて
信頼できる印象です。
台湾と日本という近い距離で輸送費が安いのもあるのか
お値段も2kgで3245円と、原材料から見ればお手頃価格です。
タンパク質は全体にやや低めの25〜26%くらいです。
ただタンパク質を多く含む穀類や豆類が使われていないので
タンパク質はほぼ動物性のみという点では安心ですね。
AAFCOの栄養基準は満たしているとのことです。
私はドッグフードに穀類使ってもいいじゃない派なんですが
コーンや小麦はちょっと避けたいと思っています。
(なぜコーンと小麦はNGか?は近いうちに記事にします。)
この製品は穀類の中でも米とオーツ麦という良質なチョイスが嬉しいです。
ちょっと難を言えば「こだわり過ぎてちょっと過保護」という印象。
上にも書いたように、タウリンとメチオニンは「要るか?」
消化酵素も健康な犬なら必要ないと思います。
でもちょっとお腹が弱めな子にはいいかもしれません。
加水分解鶏肉ペプチドなど消化し易いタンパク源も入っているし。
加水分解の原材料がいくつかありますが、
分解には酸ではなくて酵素を使っていると思います。
製品中に使われている消化酵素も加水分解に使うものですし
全て天然にこだわる姿勢からも伺えます。