SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう アーテミス

2021-12-19 23:55:49 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ
今回はプレミアムフードとしては老舗とも言えるアーテミスです。
ニコを迎えた2005年頃には既にこだわり派の方の間では定番になっていた覚えがあります。
カリフォルニアの会社で、今時貴重な超大手に買収されていないメーカーなので応援したい気持ちになります。


「ニコそんなの食べさせてもらったことないよ」

ニコは割と早くに手作りごはんにしたからねえ。
もうちょっと色々なフード試してみればよかったね。

さて、アーテミスにはいくつか種類がありますが、
今回は原材料が一般的なフレッシュミックスを取り上げます。
他の製品についても、後の方で少し内容に触れますね。

原材料シリーズ過去記事一覧はこちらです
 
フレッシュチキン・ドライチキン・フレッシュターキー
玄米・黍・えんどう豆・えんどう豆粉・卵
鶏脂肪(混合トコフェロールによる保 存処理済)
トマト搾り粕(リコピン)・フレッシュダック
フレッシュサーモン・フラックスシード
チキンスープ(天然風味料)・サーモンオイル(DHA 源)
塩・塩化カリウム・塩化コリン・
乾燥チコリ根・ケルプ・人参・リンゴ・トマト・ブルーベリー・ほうれん草
クランベリ ー・ローズマリーエキス・パセリフレーク・グリーンティエキス
大麦エキス・L-カルニチン
ラクトバチルスアシドフィルス菌・ビフィドバクテリウム アニマリス・ラクトバチルスロイテリ
ビタミン E・キレート鉄・キレート亜鉛・キレート銅
硫酸第一鉄・硫酸亜鉛・硫酸 銅・ヨウ化カリウム
チアミン硝酸塩・キレートマンガン・酸化マンガン
アスコルビン酸・ビタミンA・ビオチン・パントテン酸カルシウ ム
硫酸マンガン・亜セレン酸ナトリウム
ピリドキシン塩酸塩(ビタミン B6)・ビタミン B12
リボフラビン・ビタミン D・葉酸

まず最初にフレッシュチキン、定番ですね。
一番最初に動物性タンパク質がリストアップされているのは良い点です。
ただし原材料の時点で生の材料は水分を多く含みますので加工後のカサは減ります。
原材料は多く使われている順に記載されていると思われがちですが、それは重量ベースでの話。
調理加工後に水分が飛んだ状態では他の原材料の割合の方が高くなる場合もあります。

2番目がドライチキン。この記述は正確とは言えません。
アメリカの原材料一覧を見ると2番目に来ているのはチキンミールです。
ドライチキンというのは鶏肉の肉の部分だけをそのまま乾燥させたもの。
一方チキンミールは、加熱圧搾して脂肪分を取り除いた後に肉、皮、骨を細かく挽き加熱乾燥させたものです。
ミールの方が加熱の工程が多く高温で調理されるため、アミノ酸の損失も多くなります。
とは言っても、水分が飛んでいる分だけミールの重量あたりのタンパク質量は高いです。
これはメーカーではなく日本法人の書き方の問題ですが、個人的には好きなやり方ではありません。

フレッシュターキー、これは生の七面鳥の肉です。
チキンと同じく生の状態では水分が多いですが、加熱調理後の実質量は少なくなります。

玄米は炭水化物源ですが、食物繊維が豊富なので血糖値の急激な上昇を防ぐ低GI食品です。
ビタミンB群が豊富なのが特徴です。

次に挙げられているのは黍。桃太郎のキビ団子のキビです。
玄米と同じく食物繊維とビタミンB群を豊富に含みます。
カリウムなどミネラル類も多く含みます。
カルシウムや鉄なども含まれますが植物性のこれらの吸収率は低いです。

えんどう豆、グリーンピースですね。
植物性タンパク質、炭水化物、食物繊維、ビタミンB群が豊富です。
あの緑色は抗酸化作用の高いファイトケミカルでもあります。

えんどう豆粉は乾燥したえんどう豆を粉に挽いたものです。
栄養価は上のえんどう豆とほぼ同じですが、粉を使っているのは成形しやすくするツナギの役割だと思います。

卵、これも英語表記ではエッグプロダクト=卵製品と書かれているので
全卵を乾燥させて粉末にしたもの(殻は含まない)だと思います。
水分を含まないので重量ベースでは軽いため、原材料一覧の後ろの方に書かれています。
言うまでもなく良質のタンパク質源です。

鶏脂肪、その名の通り鶏肉の脂肪。
先に書いたチキンミールなどの加工工程で「加熱圧搾して取り除いた脂肪」は
このような形でペットフードの原材料になることが多いです。
酸化しやすいので天然由来の酸化防止剤混合トコフェロール(ビタミンE)が添加されています。
風味付けの目的のほか、必須脂肪酸であるオメガ6脂肪酸も含まれます。

トマト搾り粕というのはトマトジュースなどを搾った後に残る繊維です。
リコピンというのはトマトの赤い色でβカロチンよりも強い抗酸化物質です。
食品の有効利用という点で良い使い方だと思います。

フレッシュダック これはアヒルの生の肉です。
アヒルと言っても、合鴨かもしれないし養殖鴨かもしれないです。
水鳥は運動量が多いので、酸素を効率よく体内に行き渡らせるために
赤血球が多く、そのせいで肉の色も赤く鉄分豊富です。
生の肉でかなり後ろに記載されているので含まれる量は少しです。

フレッシュサーモン、生の鮭です。
良質のタンパク源ですが、これも量は少しですね。

フラックスシード、日本語では亜麻仁です。
ゴマによく似た形の種子で食物繊維とビタミンEやアルファリノレン酸が豊富です。
アルファリノレン酸は植物性のオメガ3脂肪酸ですが、これは犬の体内ではほとんど活用されません。
抗酸化物質のリグナンも豊富です。

チキンスープ、英語ではナチュラルフレーバーと書かれています。
風味付のためなのですが、表記にちょっと違和感がありますね。

サーモンオイル、オメガ3脂肪酸の代表的な摂取源です。
オメガ3脂肪酸は人も犬も必ず食事から摂取しなくてはいけない脂肪酸。
サーモンなど魚に含まれるDHAやEPAは犬にとって理想的です。

塩、誤解されがちですが犬にも塩は必要です。
人間よりも少ない量で大丈夫なので人間と同じ割合で摂ると過剰というだけです。
ドッグフード解説のサイトなどで塩を赤字で表示して「悪い原材料」と書いているのを見かけますが間違いです。
手作り食などで塩を全く摂らないとフラフラで元気がなくなったり
ひどい場合には命にもかかわりますのでご注意ください。

塩化カリウムと塩化コリンはミネラルのカリウムとビタミン様物質のコリンを補給するための食品添加物です。
他の原材料と混ざりやすくするために塩素と結合させてあるので「塩化」と付いています。

乾燥チコリ根はハーブに分類されるものです。
水溶性食物繊維を豊富に含むので腸内環境を良好に保つのに役立ちます。
利尿作用もあるので老廃物をスムーズに流す働きもあります。
体質によってオナラが多くなる可能性があります。

ケルプというのは昆布ですね。ヨードの自然な摂取源となります。

人参、リンゴ、トマト、ブルーベリー、ほうれん草、クランベリー、パセリフレーク
これらは乾燥した原材料が使用されていると思います。
製品自体が加熱されているので、期待できる栄養素はβカロチンなどの抗酸化物質がメインです。

ローズマリーエキス、グリーンティエキス
これらもハーブ類に分類されますが、どちらも抗酸化作用の強いものです。
食べて栄養素になるというよりも製品の酸化防止剤として性格が強いかもしれません。

大麦エキス、一般的に食品添加物として使われる大麦抽出物は着色料です。
この大麦エキスがそれに当たるのかどうかは不明。
英語サイトではエキスではなくBarley Grassと書かれていて、それなら大麦若葉。
犬が調子が悪い時食べるスーッと尖った草はたいていイネやムギの仲間です。
そういうわけで犬が大麦若葉を食べるのは理に適っているんですが、表記間違ってるんじゃないかなあ。

L-カルニチンはアミノ酸の一種ですが、本来は必須アミノ酸のメチオニンとリジンから合成されます。
心筋細胞内に多く存在し心筋の保護や代謝の促進に使われます。
心臓が悪くなった犬にL-カルニチンを与えるのはそのためです。

その後にずらりと並んでいる複雑な名前はプロバイオティクス群です。
さらにその後にはビタミンミネラル類ですね。
鉄や亜鉛などのミネラル類は吸収を高めるキレート加工が施されています。

他の製品ではアガリクスやH.I.Tというシリーズがありますが、
アガリクスはアガリクス茸が配合されている以外はフレッシュミックスとほぼ同じです。

H.I.Tというシリーズはタンパク質がちょっと変わり種が多いですが
一番の売りは油脂類、プロバイオティクス、ビタミン類を添加する際に
焼き上がった製品の表面にスプレー噴射をするという一般的な方法ではなく
製品の中に油脂や乳酸菌類、ビタミン類を注入するという手法を取っています。
そのため酸化しにくく栄養素も壊れにくいというメリットがあります。

「で、おかーさんはどう思うの?」

製品自体は悪くないと思います。
ただし最初に老舗と表現しましたが、レシピなどがちょっと古いかな〜という気はします。
シニアやウェイトコントロール用製品は低タンパク低脂肪と書いてあるところとかがね。
普通のアダルト向けのフードもタンパク質はやや低め、炭水化物多めです。

生産者であるアメリカのメーカーはしっかりしている印象ですが
日本の販売代理店が書いていることはちょっといただけない点があります。

チキンミールやフィッシュミールをドライチキンやドライフィッシュと表記している点もその一つ。
フレッシュミックスは「人間が食べても安全なほどの厳選素材」と書いてありますが
ヒューマングレードと混同しそうですよね。
本国アメリカではこのようなことは一切書かれていません。
日本にはペットフードのヒューマングレード表記の基準や規則がないので
なんと書いても咎められることはないのですが、個人的には気に入らない。

とは言っても、強すぎるハーブなども使っていないし、
プレミアムと呼ばれる中ではお値段も手頃で使いやすいフードだと思います。

あ、今日のニコニヤは2015年撮影です!

コメント (2)
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