SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフード原材料イジワル企画 「こんな言葉には気をつけて」

2022-08-29 19:33:51 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズはあいかわらずの亀さん更新ですが
書いてない時には各公式サイトを読んでみたりしています。

色々見ていて気になったのは国産の「ちょっとこだわり系」フードの公式サイト。
複数見るとどれがどれだったか区別ができないくらいそっくりなデザイン。
デザインが似ていても必要な情報が書かれていれば、まあ良いのですが......😞 


「あら、今日は最後じゃなくて最初から文句言い始めるのね」

うん、いろいろ言いたいことが溜まってるんだ。

話を戻しましょう。
この手のデザインのサイトでいざ必要な情報を探し始めても、イメージ画像ばっかりで延々とスクロールしないと原材料一覧に辿り着かない!
しかも商品の説明する前から定期購入のおすすめ!!って何度も何度も何度も出てくるの。説明もなしに物を売ろうなんて営業の基本がなっとらんな。
そして購入者の声として紹介されている文章の文体が全部同じなのがたいへん胡散臭い。
私は購入者の喜びの声は基本的に信用していません。レビューは参考にするけれどね。

国産フードだけでなく一部の輸入フードでも同じような傾向のものがありますね。
デザインの傾向は違っても、原産国の公式サイトにはないことが書かれていたり、しかもその情報が間違っていることも珍しくありません。

今日は『こだわりのプレミアムフード』の説明に出てくる間違いを挙げていくという意地の悪い記事です。

さすがにブランド名は出しませんが、こういう説明が出てきたら黄信号なのでご注意ください。

『ヒューマングレードの原材料を使っています』
日本のペットフードにはヒューマングレードの定義も規制もありません。
こう書く以上は一定以上の質の材料を使っていると思いたいですが、私自身は日本産でこの言葉が出ると一歩引いて見る感じです。
「ヒューマングレード」だから魚は骨も内臓も取り去ったフィレだけ、食肉は筋肉部分だけって
犬にとっての栄養面からも食資源の有効利用という面からも間違っていると思います。
また輸入フードでは原産国ではヒューマングレードと定義していないのに、日本のサイトではそうなっているものもある。
全部が全部ではないですが、ヒューマングレードという曖昧な言葉でアピールする製品はちょっと要注意です。

『添加物は一切使っていません』
そんなペットフードはまずありません。
ペットフードに配合されるビタミンやミネラル類は食品添加物に分類されます。
天然由来の酸化防止剤であるミックストコフェロールもローズマリーエキスも食品添加物です。
本当に添加物を一切使っていなかったら、栄養バランスが崩れているか、さもなければとんでもない高価格になります。
栄養バランスのためにありとあらゆる食品を少しずつ使わないといけないですからね。

『保存料も酸化防止剤も使っていません』
保存料はともかく酸化防止剤を使っていないフードなど危険で食べさせられません。
たとえ合成酸化防止剤のエトキシキンやBHAなどを使用していても、酸化したフードよりはよっぽど安全です。
(とは言え、実際には私も合成酸化防止剤は避けますけれどね)
この表記で言いたいことは合成保存料や合成酸化防止剤なのだろうとは思いますが、商品説明としてそこは明確にしないといけません。
『無添加』という言葉も同様です。何が無添加なのかを明記していないのは問題です。

『涙やけを起こしません』
涙やけの原因は、端的に言えば涙が過剰に流れて顔が常に濡れていることです。
涙が多すぎる理由で最も多いのはまぶたや涙腺の形状によるもので、ほとんどは正常範囲です。(治療が必要なこともあります)
透明なはずの涙の跡が赤茶色になるのは、常に目の周りが湿っていることで酵母菌が繁殖した場合と、ポルフィリンという涙の成分による場合があります。
ポルフィリンは体内で鉄が分解される時に生成される物質です。あの色は鉄分のせいですね。
ポルフィリンは唾液や尿にも含まれ、その量には犬による個体差があります。(多いと赤くなりやすい)
涙が増える理由で気をつけなくてはいけないのは、瞼や眼球の傷、炎症、緑内障などの眼疾患で、この場合もちろん治療が必要です。
涙が多くて気になる場合、治療が必要なものかどうかを確認するためにまずは病院で受診です。
フードメーカーがやたらと涙やけを強調するせいで、受診が必要なのにフードにばかり意識が行く可能性は大きな問題です。
私が「涙やけはフードの成分のせい」なんて書いているサイトに腹を立てるのはこういうことです。

『アレルギーになりやすい○○を使っていません』
食物アレルギーの原因となるアレルゲンは犬によって違うので、大切なのは○○不使用を強調するより正確な原材料一覧です。
この○○の部分は小麦、大豆、とうもろこしが書かれていることが多いですが、これらは大丈夫で牛肉や鶏肉がダメという場合は意味のないことですしね。
○○に書かれているのが特定の食品の場合はまだ良いですが、中には本当に脱力するようなのもあります。
「アレルギーになりやすい副産物」は使っていません、とかね。
特定の食品にアレルギーがあるなら、元の産物だろうと副産物だろうと同じです。
今まで見た中で一番ひどいと思ったのは「オーブンベイクドだからアレルギーも安心」というもの。
オーブンで焼いたらアレルギーが出ないなら誰もアレルギーで悩みませんよね😣 

「おかーさんてドッグフードの鬼だね」

確かにそうかもしれない。

それから国産の小規模会社のフードの原材料を見ていくと「あ〜これは同じフードだな」というものがたくさんあります。
ザッと見た感じ、OEM生産を請け負っている会社は二大勢力があるみたい。
1つは先日原材料シリーズでも取り上げたフィールドゲインズ

もう1つはアニマル・ワンという会社だと思います。

どちらも作っているフードは良いものだと思いますし、OEM生産には全く問題はありません。
販売者によって添加しているサプリメントで特長を出したり、肉の種類が少し違う場合があります。
ただ「たまには違うフードでローテーションを」と他のブランドを買ってみたら中身が同じだったということがありますので、その点だけご注意ください。
(でも販売者によっては「長年の研究で作り上げた」みたいに書いていて「おいおい😅 」と思うのはありました)

今回はほんの一部です。
フードに使われているビタミンミネラル類や、フード界のヴィラン扱いのとうもろこしについて、近いうちに(サギでなく!)まとめますね。
コメント (4)
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