SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフードの原材料を見てみよう リリーズキッチン(ドライ)

2023-01-04 22:06:12 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ、今回はリリーズキッチンのドライフードです。

このメーカーは以前に缶詰のウェットフードを取り上げたことがあります。

ドッグフード原材料シリーズ過去記事はこちら

「前に女王様の犬が食べてるフードって言ってたよ」

そうね。リリーズキッチンは英国王室御用達の品として登録されています。
エリザベス女王からチャールズ国王へと代が替わり、
王室の犬もコーギーから2頭のジャックラッセルテリアになりましたが
リリーズキッチンの地位は変わっていないみたいです。

フードとは関係のない話ですが、この2頭ブルーベルとベスは
保護団体バタシー・ドッグズ&キャッツから来た元保護犬です。
元保護犬が英国王室に来たのは初めてのことらしいですよ。

さて、話をフードに戻しましょう。
↓こちらは日本総合販売代理店のサイトです。
ウェットフードの時に公式サイトとしてリンクしたURLが無くなって
(株)からだ想いという会社が販売代理店になっています。
どうやら日本での取り扱いをする会社が変わったようですね。

ドライフードはチキン&ダックとサーモンがありますが、ここではチキン&ダックを取り上げます。

42%チキンとダック:フレッシュチキン(31%)、フレッシュダック(8%)
鶏の肝臓(3%)、 サツマイモ(29%)、全粒豆(6.5%)、全粒レンズ豆
エンドウタンパク、亜麻仁、卵、ジャガイモプロテイン、チキングレービー
ミネラル ◆植物とハーブ*(1%)、サーモンオイル、

マンナンオリゴ糖1.3g/kg フラクトオリゴ糖 0.8g/kg、ニンジン、リンゴ
ジョイントケアミックス(グルコサミン 175mg/kg, メチルスルホニルメタ175mg/kg, コンドロイチン硫酸 125mg/kg
クランベリー、 ほうれん草
*植物とハーブ:アルファルファ、ハコベ、クリーバー、ゴールデンロッド、イラクサ、
海藻、タンポポの根、セロリの種、ミルクシスル、ゴボウの根、マリーゴールドの花、ローズヒップ

亜麻仁
プレバイオティクス(マンナンオリゴ糖2.6g / kg、フラクトオリゴ糖1.5g / kg)
ひまわり油、卵、全レンズ豆、カモミール、クランベリー、リンゴ、ほうれん草、イノンド(0.05% )、
ジョイントケアミックス(グルコサミン180mg / kg、メチルスルホニルメタン180mg / kg、コンドロイチン硫酸125mg / kg)

42%チキンとダック
原材料の時点の重量ベースで生鶏肉が31%、生ダック肉が8%、鶏レバーが3%で合計42%です。
このフードにはミールや乾燥肉は使われておらず生の鶏肉とダック肉が使用されています。
アミノ酸が損失しにくい点と消化性は優れていますが、生肉は水分を多く含み加工後は水分が飛んで実質のタンパク質量が少なくなるという欠点があります。
このフードの粗タンパク質は23.5%とかなり低めなことからも分かります。
ダックとは真鴨、合鴨、アヒルを指しますが、ドッグフードに野生の真鴨は使われませんので
これは家禽として飼育されている合鴨またはアヒルの肉ですね。
鶏と水鳥は生活形態が違うのでアミノ酸組成が違います。
鶏肉にアレルギーがあってもダックなら大丈夫な場合があるのはそのためです。
鶏肉もダックも犬に必要なアミノ酸を全て含む理想的なタンパク質源で、ダック肉は鉄分が多いという特徴があります。
鶏の肝臓(レバー)はタンパク質他にビタミンA、ビタミンB群、鉄分、亜鉛など
体に必要なビタミン、ミネラルを豊富に含みます。

サツマイモ(29%)
これは日本のサツマイモとは違うスイートポテトというオレンジ色の芋です。
炭水化物源となりますが、βカロチンやビタミンBCE、ミネラル類が豊富です。
水溶性と不溶性両方の食物繊維が豊富なので、血糖値が急激に上がりにくいというメリットもあります。
ペットフードでは乾燥したスイートポテトが使われることが多いのですが
もしこのフードでも乾燥品が使われているとしたら29%という割合は、実質肉類よりも多い可能性があります。

全粒豆
この表記はわかりにくいですね。豆といっても何の豆なのかわからない。
英語表記ではpeasとあるので、これはエンドウ豆(グリーンピース)です。
全粒というのは薄皮を取り除かず、そのまま使っているという意味です。
炭水化物、タンパク質、ビタミン類、食物繊維を豊富に含みます。

全粒レンズ豆
レンズ豆は平たい形からこのように呼ばれます。
炭水化物、タンパク質、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維を豊富に含みます。

エンドウタンパク
エンドウ豆から抽出したタンパク質です。
良質のタンパク質ですが、必須アミノ酸のメチオニンが少ないため、
単独では犬にとって理想的ではありません。

亜麻仁
亜麻(リネン)の種子で、フラックスシードとも言います。
必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸をバランスよく含んでいますが
犬は植物物性のオメガ3脂肪酸であるアルファリノレン酸を体内でうまく活用できないため
オメガ3脂肪酸の摂取源としては期待できません。
水溶性と不溶性両方の食物繊維が豊富で、抗酸化物質のリグナンも豊富に含みます。

犬の体に必要な必須アミノ酸を全て含む理想的なタンパク質源です。
ペットフードに使われる卵は、乾燥して粉末にした全卵が一般的です。
水分を飛ばした状態なので、タンパク質がギュッと凝縮して含まれています。

ジャガイモプロテイン
その名の通りジャガイモに含まれるタンパク質を抽出したものです。
ジャガイモからデンプンを分離した際に、残った水溶液から抽出したのがジャガイモプロテインです。
アレルギー対応療法食などではメインのタンパク質として使われることもあります。
エンドウ豆タンパク同様に必須アミノ酸のメチオニンが少ないです。

チキングレービー
グレービーとは料理名で、肉を焼いた際の肉汁に香辛料やスープストックを加えてソースにしたものです。
ペットフードの原材料でチキングレービーという名が出ると具体的にどんなものなのかがわかりにくいですね。
多分、チキンのガラ部分などから採ったエキス的なものだと思うのですが、曖昧なことですみません。

ミネラル
ミネラルって!そんな大雑把な!と思いますが、イギリスのフードに多い表記ですね。
元々のイギリスのサイトでは別のページに含まれているミネラル類が表示されていますが日本のサイトにはありません😔 
ちなみに亜鉛、マグネシウム,銅、セレン、ヨウ素が配合されており、それぞれ吸収を高めるキレート加工が施されています。

植物とハーブ
これは一覧の最後にリストが別表記されています。
・アルファルファ 別名ウマゴヤシの名の通り馬の飼料としてよく使われます。ビタミン、ミネラル類、食物繊維が豊富です。
・ハコベ チックウィードとも呼ばれます。利尿作用や浄血作用があります。七草粥にも入っているように食用の野草として日本でも歴史があります。
・クリーバー リンパの循環を促進する効果が強く、強壮作用もあります。
・ゴールデンロッド 日本語ではアキノキリンソウまたはセイタカアワダチソウです。収斂作用、強壮作用、利尿作用など多くの効能を持ちますが、腎臓疾患がある場合は避けた方が良いハーブです。
・イラクサ ハーブとしてはネトルの名で知られます。天然のマルチビタミンと呼ばれるほどビタミン、ミネラルが豊富なハーブです。
・海藻 海藻の種類がわからないのですがヨード、食物繊維の補給になります。
・タンポポの根 利尿作用が強いので老廃物を排出するのを助けます。
・セロリの種 利尿作用の他、鎮静作用もあり使用には注意が必要なハーブです。
・ミルクシスル 肝臓の働きを活発にして解毒作用を助けます。効果が強いので本来は長期で継続して摂らない方が良いハーブです。
・ゴボウの根 厳密にはバードックです。緩やかに腎臓や肝臓をサポートして解毒作用を助けます。
・マリーゴールドの花 ハーブとしてはカレンデュラという名の方がよく知られていると思います。抗菌、抗炎症、収斂作用があります。
・ローズヒップ ビタミンCが非常に豊富です。
ゴールデンロッド、セロリの種、ミルクシスルなど長期間続けて摂らない方が良いハーブが入っているのは気になる点です。

サーモンオイル
その名の通り鮭の油です。犬にとって理想的なオメガ3脂肪酸(DHAとEPA)です。他の魚油と違ってアスタキサンチンという抗酸化物質を含みます。

マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖
糖とついている通り糖類なのですが、どちらも腸で吸収されません。そのため水溶性食物繊維のように働き、腸内細菌のエサとなって腸内環境を整えます。

ニンジン、リンゴ、クランベリー、ほうれん草
これらは全て乾燥品が使用されています。それぞれに含まれるβカロチンやアントシアニンなどの抗酸化物質の摂取が期待できます。

ジョイントケアミックス
・グルコサミン 軟骨や結合組織に含まれるアミノ糖という物質です。
・メチルスルホニルメタン 天然のイオウ化合物で抗炎症作用があります。
・コンドロイチン これも軟骨に含まれる多糖類です。
ジョイントケアミックスの名前の通り、これらは関節炎の痛みを緩和する物質として知られています。その作用機序には未だ解明されていない部分もあり、全く効果がないという説もあります。(これはいずれ独立して取り上げます)

......さて、ここからは原材料とは別のお話です。

ドッグフード原材料シリーズでは原材料名はグリーン文字で表示しています。
上部分のグリーンの文字はチキン&ダックの正しい原材料一覧です。
しかし日本総合販売代理店のサイトにはグリーン文字のサーモンオイルの後に、亜麻仁、プレバイオティクス......と赤字部分の表記が続いていました。

亜麻仁や卵、レンズ豆が重複して書かれているので「おかしいぞ?」と思って
原産国イギリスの公式サイトと見比べたら、途中からサーモンベースのフードの原材料と入れ替わっていました。

↓これはリリーズキッチンのイギリス公式サイトのチキン&ダック原材料一覧
42% Freshly Prepared: Chicken (31%), Duck (8%), Chicken Liver (3%), Sweet Potatoes (29%)
Whole Peas 6.5%, Whole Lentils, Pea Protein, Flaxseed, Egg, Potato Protein, Chicken Gravy, Minerals, Botanicals & Herbs* (1%), Salmon Oil,
 Mannan Oligosaccharides 1.3g/kg Fructooligosaccharides 0.8g/kg, Carrots, Apples, 
Joint Care Mix (Glucosamine 175mg/kg, Methylsulfonylmethane 175mg/kg, Chondroitin Sulphate 125mg/kg), 
Cranberries, Spinach.

↓こちらは同じく公式サイトのサーモンの原材料一覧
Sweet Potatoes (13.5%), Potato (11.5%), Whole Peas (8%), Pea Protein, Potato Protein, 
Fish Stock, Pea Fibre, Minerals, Nutritional Yeast, Botanicals & Herbs* (1%), Salmon Oil, Flaxseed, 
Prebiotics (Mannan Oligosaccharides 2.6g/kg, Fructooligosaccharides 1.5g/kg), 
Sunflower Oil, Egg, Whole Lentils, Chamomile, Cranberries, Apples, Spinach, Dill (0.05%), 
Joint Care Mix (Glucosamine 180mg/kg, Methylsulfonylmethane 180mg/kg, Chondroitin Sulphate 125mg/kg)


「あ〜、おかーさんが文句言うやつだわ〜」

このフード自体は良い品質のものだと思います。
ただ強めのハーブがいくつか配合されているので、違うメーカーのフードとローテーションをお勧めします。
問い合わせなどしても多分「副作用が出るほどの量は配合していないから大丈夫」と言われると思いますが、私ならローテーション必須です。

「私なら」と書きましたが、これは「もし私がイギリスで犬と暮らしていたらローテーション必須で購入する」ということ。

日本でこのフードを買うか?と聞かれたら「様子見だね」と答えます。
上に書いたように公式サイトで原材料一覧が他の製品と混じっているってあり得ないことです。
製品自体に直接影響することではありませんが、こういう管理体制って一時が万事ではないか?と疑いたくなるからです。

公式サイトの日本語が翻訳サイトで訳したそのまんまな感じなのも気になるところです。
誰も最終的にチェックしていないのか?それともチェックして問題ないと思ったのか?いろいろ疑問が浮かびます。

次回は国産フード大特集の予定です。
コメント (27)
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