神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.252 後藤新平

2024-08-04 23:52:07 | 文書・文献
(1)今度のオリンピック柔道、毎日、何か話題が出てきます。きょうは、日仏団体戦で阿部一二三選手が敗れたあの技は何か、レスリングか、というようなのがありました。
 そもそも、柔道は立った姿勢から始めます。「組み手」といって、互いに相手の柔道着を自分の有利なように掴み合うところから始めます。そして、相手の動きを見て、あるいは制して、すかさず技をかけます。これでうまく技が決まって、相手を投げたり、背中から転がせられれば、「一本=勝ち」が宣告され終わります。
 
(2)ところが、相手に先に有利な体勢ができて、あるいは十分でなくても、単に積極的に技をかけて来る場合などがあります。この場合はまず防御が必要ですが、同時に、相手が技をかけてくるときは、相手が体勢を変える時です。そうすると体勢の崩れをみせます。その時は、「後の先」といって、今こちらが不利とか、攻められている場面ですが、その動きの中で、相手の崩れを捉えて技をかけて逆に倒す、ということがあります。今回のオリンピックでは、男子81㎏級の決勝戦で永瀬選手がクリガラシビリ選手を「谷落とし」で下しましたが、これが「柔よく剛を制す」という柔道の本質を体現したものです。柔道の本質は「力でねじ伏せる」のでなく、相手の動きを捉えて(利用して)技をかけ、制すというところにあります。

(3)ところが、見ていると、片方が組もうとしているのに、そのすきを狙っていきなり足を取りに行ったり、タックルしたり、やたらと背中を掴んだり、帯の辺りを抱え込んだりと、柔道でないほかのスポーツ(レスリングのような)そのままの変則なことをしだす人がいます。
 それから、最後に、柔道にもいろいろな技があります。しかし、「捨て身技」といって、自分の体勢が不利になった時に起死回生の策としてかける技があります。たとえば、「巴技」です。
 今回のオリンピックでも、この捨て身技である巴技を得意技としている選手がいて、始まったとたんにそれを使い、金メダルを取った女子選手がいました。もちろん、この技も決まれば実に鮮やかなものです。しかし、捨て身技は「奇襲戦法の一つ」です。「奇襲戦法が得意技というのは、勝てばいい式の柔道の裏返し」というべきで、私は逸脱していると思っています。
 
(4)やはり、まず正攻法で向かい合う、そして、その過程で多種多彩な技が駆使される、それが本筋であるべきです。奇襲戦法での競い合いでは、スポーツ精神に欠けると思います。

   
     多摩川遊人

【コレクション 40】
 きょうは、『正伝 後藤新平』です。
 これは、見た目はA5判大ですが、実際はA3判の用紙を4つ折りしたパンフレットです。これを広げると、表も裏もA3判のポスターの体裁になっています。そこで、下にはA4判2枚ずつで復元しました。
 表側

  

 裏側
 



 スキャナーでの取り込みの技術的不備のためにズレや断絶がありますが、これでほぼ復元出来ました。これが4つ折りされてパンフレットになっているわけです。
 表側の写真は風格のある良い写真です。右上に「自治三訣」が記されています。
 裏面の「刊行委員会」のメンバーには多彩な方々のお名前が見えます。推薦文もいくらかは読めると思われますから、どうぞご覧ください。

 このパンフレットは見た通りのもので、贅言を要しませんからラクをすることにします。
 そこで代わりに一つ。
 No.239で水沢市の「江藤新平記念館」へ行ったことを書きました。その時のパンフレットが出てきましたから、それを載せておくことにしましょう。
 このパンフレットは、A5判大、4㌻ですが、A4判の用紙を二つ折りにして出来ています。これも、裏表とも載せておきます。
  4㌻                   1㌻ 表表紙  
 2㌻                   3㌻

 
 4㌻と2㌻の若い時の写真は珍しいです。
 また、四㌻に「江藤新平略年譜」があります。これを見ると昭和4(1929)年に71歳で逝去、とあります。肖像写真から風格を感じるとおもいます。当時としてはやや高齢の域に達しているわけですが、しかし、もう私のほうがずっと年上です・・・。嗚呼!
 きょうはこの辺で。
 〽わたしは~ げんき~

    
     多摩川で
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No.251 戦争詩歌集事典

2024-08-04 00:22:25 | 追憶
(1)きょう、ブラジルの柔道の選手が、指の皮がはがれたの口で切り取って、畳の上に吐き出したそうです。唖然。
 ブラジルでは道場でそうしているのでしょうか。
 それから、それを見逃した審判の資質や品性も問われます。

(2)でもね、スポーツが、立身や国威発揚の機会となってとか、金銀銅のメダル獲得合戦に転落してとか、商業主義とかハコモノ建設の場となってとか、いろいろ言われます。
 スポーツだけでなく、科学も、それだけでなく広く学問も、純粋にそれだけ自身で発展することはまずありません。かならず、背後に企業戦略や、もっと大きく国家の政策があって振興されてくるのが普通です。原爆や核兵器開発がまさにそうですし、実際、多くのスポーツ選手は体のあちこちにスポンサーのワッペンをつけて登場します。広告搭なのです。それがあって、練習も遠征もできる、というのが普通の姿なのはご存じでしょう。
 
【コレクション 38】
 きょうは、まず『戦争詩歌集事典」です。
 これは、A5判大、4㌻のものですから、説明を省いて全面を取り込むことにしました。天眼鏡をでも使わないと、全部を判読するのは難しいかもしれませんが、雰囲気だけでも味わってみてください。

 まず、1㌻と4㌻にあたる処です。
  1㌻ 表紙                  4㌻
 

 つぎに、2㌻・3㌻にあたる処です。
  3㌻                    2㌻

 読めましたか。この大きさではむずかしいかもしれませんね。
 うえの4㌻目に相当する処に短い「あとがき」がありますから、それだけでも大きくしておきますから読んでみてください。
    

 No.235で大塚金之助『人民』をとりあげましたが、歌集には詠んだ人の折々の思いがつまっています。歌集だけでなく、次に載せる「無言館」の「戦没者画集」などもそうで。こういう遺作の、全部でなくとも、一つでも心のどこかに置ことができれば、人や社会に余裕をもって接することができるよすがになるのではないかと思います。

     
     死者はいつまでも若い。それが悲しい。

【コレクション 39】
 もう一つ、『小さな英雄の詩』です。
      

 映画のパンフレットです。この映画は1971年に制作されて、その後いつかはっきりしませんが、多分、神田の岩波ホールで見たのだろうと思います。
 なつかしくて、きょう検索してみたところ、2013年頃にもどこかで上映されたようで、その説明のほか、パンフレット・チラシ・ポスターも1000円から2000円で出品されていました。
 そこで、説明などはそちらに任せることにして、もう一言だけ。
 この映画の中で出て来るオギンスキーのポロネーズはおススメです。これは、ロシアでも知られているようで、ユーチューブでいろいろな演奏を聴くことができます。
 しかし、それにしても残念なのは、こういう反戦抵抗運動のなにがしかを担ってきたはずのロシアがまさの抵抗運動の対象になっていることです。
 ロシアにかつての栄光を! ロシアの英知よがんばれ! 負けるな!
 きょうはここで。

     
 
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