神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.272 『日本資本主義発達史講座』講演会

2024-08-24 23:56:03 | 余録
(1)朝、水やりに出ると、郵便受けの下までバッタ君がチョンチョンと跳ねて遊びに来てくれました。バッタ君に水をかけて遊んだのは、No.224(7月7日)でしたから、もう1ヶ月ちょっとたったことになります。
 それにしても、大きくなってだいぶ風格が出てきました。頭をなでてやると、帰って行きました。ザンネンなことに、もう一匹の消息を聴くのを忘れてしまいました。

   
    〽逢ひ見ての のちの心にくらぶれば・・・

(2)きょうの夕方、公園のベンチにいると、まだ子供たちの声も聞こえて、ゆったりくつろげました。ところが、しばらくして「ジイジ~」とセミが呼ぶのでハッとすると、草むらで「クククッ」とムシが笑い、空でこうもりが「パッパッとやれ」とせかすのがわかりました。
 そこで私は、
 「うん、大丈夫だよ。張り詰めた糸は切れやすいっていうだろ・・・。」
 「ところで、むかし、マルクスの時代にコピー機があったらどうなったと思う?」
 「そりゃあ、マルクスのことだから、筆写の手間の分だけ効率よく研究しただろ・・・。」
 「ちがうよ、そんなマルクスはいないよ・・・。」 
 「そうか。」
 「イトワナイんだよ。マルクスもそう言っている。」

【コレクション 68】
 No.233の「日本資本主義発達史講座」で、シンポジウムのパンフを載せました。きょう見直したところ、「講演会」のプログラムが出てきました。この「講演会」にも私は参加できませんでいたが、貴重なものですから、ここに紹介します。全体はA5判4㌻です。
 開催日は1982年11月27日、会場は早稲田大学大隈講堂です。
 おもなところは読めると思いますから、ぜひ読んでみてください。
 
      4㌻                 1㌻    

    2㌻                 3㌻


 なお、3㌻下で宣伝されている『新興科学の旗のもとに』のパンフも手元にありますから、この機会に載せておきます。 
 
全体はB5判、4㌻。
 1㌻ 上掲
 2~3㌻ 2㌻を下に載せました。〔一部欠けています。〕
      3㌻は内容見本です。
 4㌻ 装丁見本 
    刊行案内 菊判 平均154㌻ 全15冊 47000円 1982年11月20日 
 以上です。
 学問も気概が大事です。
 私は、ある時、知り合いが弟子の院生に「メシのために学問をやっているんだろうんぬん」を言っているのを聴きました。
 しかし私は、「それまで〔その後も〕、そういうことを考えて研究をしたつもりはない」ので、それ以来げんなりして、距離を置くことにしました。
 きょうはここで。
 
   
     きのうの西の空 
   
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No.271 デカメロン

2024-08-24 00:22:05 | 好奇心
(1)アメリカの民主党大会がおこなわれ、バイデン大統領の出馬辞退後さほどの混乱もなくカマラ・ハリスさんへの継承に成功の見込みのようです。
 トランプさんかハリスさんかというだけならば、トランプさんが品位に欠けるという1点ではハリスさんを支持しますが、しかし、日米関係の問題を具体的に経済・外交・軍事と見ていけば、そう簡単には支持というわけにはいきません。ことは、アメリカの国益と世界戦略がからんでいます。現に、アメリカがイスラエルのガザ攻撃に対してどういう態度をとってきたかを観ればはっきりしています。
 それにしても、あの党大会の運営はどうなっているのでしょうか。政策を正面に据えた議論を相変わらずやりませんし、むしろ演説会です。それも、有名人頼みで、相手候補の批判のほか、悪評でなければ、受けを狙っただけの「Yes,we can.」とか「Yes,she can.」とか、まるで「禅問答」です。そして、それで盛り上がれば成功???。

【コレクション 67】
 きょうは、まんが・マンガ・漫画です。
(1)漫画というと、ヨーロッパではカリカチュア〔風刺画〕だったようですね。そのためか、日本でも、たとえばつぎのようなものが普通だったようです。
 全体はA3判の用紙を3等分して6㌻仕立てにされていますが、下のものはA4判〔1㌻と6㌻の半分〕を載せたものです。 2~4㌻も5㌻もほぼ同様の内容紹介ですから、紹介は略します。なお、1985年 筑摩書房刊。 
 

(2)しかし、日本では、挿絵のような1枚ものもありますが、物語を絵解きしたものが普通です。最近は、次のようなものが印象に残っています。

  

 左の『マンガ日本人と天皇』は2000年に刊行されたものを再編集して講談社α文庫から2003年に刊行されたものです。賛否はともかく、「天皇制天皇制とはなにか」という副題がついているように、企画としてはおもしろいと思います。
 右の『劇画「蟹工船」 小林多喜二の世界』は、名作『蟹工船』を劇画化し、同時に研究者による多喜二の紹介と解説を付したものです。小林多喜二のような人を治安維持法によって抹殺したことが、日本があの悲惨な戦争に陥った背景ですから、まだお読みでなければ、この機会にぜひどうぞ。
 なお、その際、多喜二作品の編集で尽力された手塚英孝さんの『手塚英孝著作集』も参考になります。「落ち葉をまく庭」がおすすめですが、第3巻には多喜二の年譜などが収められています。

(3)ここで、マンガ一般の話をすることはできませんが、私もいろいろなものを見ました〔読みました〕。その中で、圧巻と思うのは、やはり白土三平『カムイ伝』です。
 マンガも表現形式の一つですから、描く方も見る方も〔書く方も読む方も〕かなりの勢力を費やします。かつてある大学で日本経済史の講義を担当した時、夏休みに『カムイ伝』の第1部全冊を読んでレポートを書いた人には、年度末試験の際に考慮〔加点〕するといったことがあります。いずれまたこの本について書きたいと思いますが、この本はそれに値する本であり、格好の経済史の教材とおもいます。

(4)長くなりましたが、耳の穴をカッボジクようなといえば、イタリアのボッカッチョ『デカメロン』となる?ようですが、このデカメロンの名を借りたマンガが韓国にありました。下の『劇画 韓国デカメロン 全一巻』です。これについて少しだけ書いておきましょう。
 全体はB5判230㌻で、河出書房社から1985年に初版が刊行されました。内容は、「耳の穴をカッポジク」話しという点では同じですが、こちらは、日本とは異なる民族文化を形成した朝鮮の民衆の、儒教がらみの悲喜こもごもの断面が描かれています。日本も儒教国の側面を持ちますが、江戸時代とは違う庶民風景や、また、洗練された韓国ドラマなどで知る韓国とは違う機微まで知ることができます。

    

 なお、この作家の作品には『李朝水滸伝 革命児・林巨正義の生涯』(全八巻 1985年 JICC出版局)もあります。なお、林巨正や作者金容権については検索すると詳しく出てきます。興味ある方はそちらをどうぞ。
 この作品や作者の評価をよく知りませんが、ともかく、こういう独自文化を持つ朝鮮に土足で入り込んで行ったのが日本だった、というのが私が抱いているところです。

 もっと書こうと思っていましたが、ここまでにします。

   
    きょうの西の空
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