神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.404 スーパーに・・・

2025-02-09 00:44:34 | 時評
(1)2月2日の『朝日新聞』の「歌壇」に次の作品がありました。
 
  スーパーに行かなきゃ生きて行けなくて 
            山から下りるクマの気持ちだ (横浜市 菅谷彩香)

 この後半の「山から下りるクマの気持ちだ」というのは、我々の代には、「〽りんごの気持ちはよくわかる」という『りんごの唄』がヒットしていた時期の余韻が残っていましたから、それから類推すると、作者の気持ちもわからないことはないとはいえ、当世、人の気持ちもわからないことが多いのに、どうしてクマの気持ちがわかるか、仮にわかるとして、「山から下りたクマがみなが同じ気持ちだったとはいえるか」・・・というリクツもいいたくなります。

(2)これに対して、前半の「スーパーに行かなきゃ生きて行けなくて」は、この人個人の習癖を詠んだものかもしれませんが、現代の生活を良くとらえていると思います。
 「お爺さんが山へしば刈りにいく」のと同じに?、いまでは、お母さんだけでなく、お父さんも、さらに、おばあさんと連れ立っておじいさんもスーパーへ買い出しに行きます。
 そして、スーパーに象徴されるこの姿は広く物流として言い換えることができますが、現在の社会そのものです。物流は日々の生命線です。それは、相互に独立しているはずの諸個人が、実は物と物の売り買いの関係で緊密に依存しあっています。これが資本主義経済社会の本質ですが、昨今の雪の降り方を心配するのも核心はそこです。依存関係が分断されてしまうからです。

(3)私が生まれ育った1950年代は、農村では、コメは田んぼで、粉〔小麦〕は裏作として畑で収穫できた。そのほか、野菜は近くの畑で自前で賄えたし、アズキ・大豆・トウモロコシなどもみな畑で撮れました。肉は、カレーなどでも肉のないカレーだったことが多く、あまり食べなかったとはいえ、ニワトリ・ウサギ・ヤギ・牛・豚などの肉を新聞が身に包んで持ってきた〔売るために〕のを見たことがあります。
 もちろん、街中は農村とは違っていましたが、しかしスーパーにマルマル依存する現在のようにはまだなっていませんでした。はて、いつから今のようになったのでしょうか。
 大店法あたりから?

(4)ちょっと話を広げますが、あの埼玉の陥没事故を見ていると、これまでの生活の近代化のあり方、都市建設のあり方、行政や公共事業のあり方を問い直してみる必要はあるのではないかと思います。
 上の詩の作者は「スーパーに行かなきゃ生きて行けなくて」と自分のこととして読んだわけですが、一歩踏み込んで考えると、「われわれすべての生命線が民間のスーパーの営利活動に依存して成り立っている」ということです。そしてそのスーパーの存続が、後継者問題・人件費問題などなどでできなくなって、地域社会が困っている例もありますから、問題は「他人事ではない」ように思います。

    
     多摩川静かなり 時をうつす

【コレクション 163 彰義隊戦史】
 歴史はおもしろい。悲哀が知れ、もし〔if〕が言えるから。これが正道。
 
 このパンフは、B5判8㌻です。B5判4枚分の横長の用紙を一度二つ折りし、できたものを再度二つ折りするとできます。
 下には、1・4・6㌻を載せました。このほかのページだけ説明を書きます。
 2~5(前半)㌻は全体は、森まゆみ氏(作家・地域史研究者)「幕末の華・彰義隊」の解題・推薦文です。
 5(後半)㌻ 内容紹介
        刊行案内 体裁:A5判 1000㌻ 定価:2万円(予約特価1万5千円)
             発売:平成20〔2008〕年11月 限定300部 マツノ書店
 7㌻ 略目次
 8㌻ 内容見本
 
        1㌻    ()

  
     2㌻:上記の森まゆみ氏の一部

      あらためて身近であったことに気づきました。調べがついたら尋ねたい・・・。

        6㌻:池辺義象の推薦文

        池邉は神足勝記の従姉妹の子です。池邉の「序」から当時の理解を知ることができます。
          「官軍」「賊群」いずれも「忠」だった。「誰か皇室に叛くものあるべき」と。
          「忠」という思想の克服、その課題がいまも残っている・・・。      
 以上です。
 今日はここで。

   
     8日夜半の月


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