神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.423 あの国家の実態

2025-03-03 00:38:57 | 時評
(1)アメリカとウクライナの両大統領の会談決裂についての感想を書いて置きます。
1.ウクライナ側について:
 到着時の挨拶などを超える「公式の場」では必ず通訳を入れるべきでしょう。
 とくに、今回、トランプ大統領は、プーチン大統領でなく、ゼレンスキー大統領を「独裁者」といって真逆に表現していた「悪意の人」です。その「虎穴」に入って行くにあたって、ウクライナ側はゼレンスキイー大統領に対してアメリカ側の挑発に乗らないようにとクギをさしていたということですから、相手が一方的にまくしたてる機会を殺ぐためにも、間を置いて冷静に対応させる準備がぜひ必要でした。

2.アメリカ側について:
 バンス副大統領が「外交」での解決を説いたのに対して、ゼレンスキー大統領が「どんな外交か」と問い詰める場面がありましたが、現にトランプ大統領はプーチン大統領の戦争責任をいっていませんし、国際法や国連決議に基づいての解決を目指しているわけではありません。ウクライナの領土主権・回復を尊重する姿勢も示していません。
 むしろ、約束を破って戦争を開始したプーチン大統領の苦境につけ込んで、その戦争責任を免除しながら、ウクライナへの利権獲得を優先しているにすぎません。ゼレンスキー大統領に「独裁者」などレッテルを張るのは、アメリカ本意の戦争終結策にいい返事をしないからであり、言いなりにならないことに対するいらだちを表しているものです。
 ウクライナ戦争の早期終結を図るべきであることはもちろんですが、それにはこの先の持続的平和が保証されるものでなければなりません。それにはプーチン氏やロシアの戦争犯罪を免除するというウヤムヤな解決ではダメで、火種を残すことになります。ぶり返しにならない保証こそが解決策として考えられるべきです。  
 
(2)私ね、あの会談を興味深く考えています。
 それは、トランプ大統領が、どういうつもりで言ったかはわかりませんが、「これは素晴らしいテレビ番組になるだろう」と言ったことです。
1.というのは、あの場面は、「国家の本質」を茶の間に見せたと思うからです。
 国家というのは、一つの国民社会総体の代表の姿を取ります。ですから、ふつうは自らの正当性・平等性をアピールする(いかにももっともらしく言う)ものです。
 ところがあの場面は、アメリカという国が、アメリカ国民の全体を代表しないことをあらわにしてしまいました。いうまでもなく、アメリカ国民の多くはプーチン氏の戦争を批判し、ウクライナに連帯を表明しています。にもかかわらず、トランプ氏とバンス氏は自らが侵略者のプーチン氏に近いこと示し、ゼレンスキー氏が前政権に近いと迫り、露骨に見返り=「感謝」=利権を求めました。
 それだけではありません。すでにアメリカは、意にかなわないと、国際機関への出資金をケチるなど大国の威厳をかなぐり捨てて、単なるもうけ本位の国に転化してきています。国際協力・協調ではなく、自国本意の国に成り下がっています。それを、ウクライナ問題ではっきりと見せたということです。

2.しかし、その姿勢をアメリがどんどん強めたらどうなるでしょうか。トランプ政権はまだ始まったばかりです。あとまだ約4年は続きます。その間、トランプ氏が、ロシアのプーチン氏に対するのと同じ調子で、「世界のプーチン氏」と組んだら・・・。
 う~ん、怖いですねえ。でも、それが国家です。自国の利益を図るのが国家。しかも国民全部でなく、政権が代表する社会階層が求める政策がまず優先される。トランプ氏とかバンス氏などの政権担当者がよしとする政策が優先的に実行される。それが国家。
 
3.眠れなくなりますねえ。

     
       竹橋脇のお堀で

【コレクション 180 論語と孔子の事典】
 このパンフレットは、A3判1枚表だけのものです。
 刊行情報・内容特色・装丁見本・主要目次などすべて出ていますから、説明は略します。これでご覧ください。なお、刊行は1996年9月です。
 ちなみに、この表側の下4分の1は関連書籍の紹介・宣伝ですが、裏面は全面が大修館書店の新刊情報・事典類の宣伝情報です。
 

 以上です。
 今日はここで。

    
     昭島市郷土資料室で(再録?)

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