NPO法人 地域福祉協会

清掃事業  森林事業(植栽・剪定)

山と信仰「立山」廣瀬誠 清水巖 著 佼成出版社 を読んで。

2016-03-18 | コラム

ぼくは

この著作により

幾つかの重大な知見を得た。

 

おんばさまの本質は

やはり

母権社会の女神であった。

 

「姥は、右手に五穀の種、左手に麻の種(衣と食の原種)を持って、高天原から芦峅に天降り、すべての人に衣食を与え、万物の母となった」という。

 

すなわち、イザナミ命に近い神格である。

 

しかし

明治の廃仏毀釈により

姥尊像は芦峅寺から撤去された。

 

その後

姥尊像は

各地に離散し

魚津市の実相院(越中一国三十三観音寺の一つ。後に小川山千光寺光学坊様が管理)が、六十数体の姥尊像を引き取ったらしい。

 

さらに

芦峅寺にあった仁王像も

魚津市長教寺が引き取られた。

 

ぼくは

是に於て

重大な悟りを得た。

 

すなわち

明治の国家神道と他宗教の弾圧は

間違いであり

 

むしろ

神仏習合や本地垂迹説が

多様な宗教を共存させ

世界平和の鍵になるタームではないかということだ。

 

立山権現と山上他界

おんばさまの世界観は

世界文化遺産に相応しいものであろう。

 

 

高橋研究員(宗教社会学)