宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

空也上人と六波羅蜜寺展 @東博

2022-04-12 15:58:35 | 美術
半世紀ぶりに東京で公開された「空也上人像」を見てきました。
久しぶりの上野でしたが、上野駅公園口がすっかり変わり、また東博を見通す道も噴水の場所が少なくなって、ただっ広い空間になってしまったのには驚きました。
途中黄桜が数本たわわに八重の花をつけていたので写真に撮りました↓。

空也上人は平安時代、京都で疫病が流行った時、市中を「南無阿弥陀仏」と念仏しながら歩かれた方です。その念仏「南無阿弥陀仏」がお口から六体の仏様の形として立体的に出ています。鉦を打ちながら、鹿の杖を持ち、鹿皮の衣を着て市中を歩かれたそうです。草履を履いた足の指もくいこむようリアルに彫られています。造ったのは運慶の息子の康勝(けいしょう)です。
大変素晴らしい作品で一度見たら絶対に忘れられない作品です。 像の周りを何周も回ってじっくり鑑賞しました。

疫病が収まるよう西光寺が建てられ、それがのちに六波羅蜜寺と改称され、そこに伝わった像です。
このお寺に伝わる平安 鎌倉時代の貴重な彫刻も展示されてます。
定朝作「地蔵菩薩立像」・・・・定朝は寄木造りの祖と言われる方で宇治平等院の「阿弥陀如来像」も造りました。
               お顔が小さく、なで方でスッと細身の菩薩様です。
運慶の「地蔵菩薩坐像」・・・・きりっとした人間的なお顔で、身近に感じます。

今回の展覧会は東博本館の特別室で行われ、出品像も少ないですがどれも貴重なものばかりでじっくり丁寧に拝見することが出来ました。

本館2階の国宝室では、菱川師宣の「見返り美人」が見られました。切手の図案で有名ですが本物が見られてラッキーでした。

追伸;今日4/19の朝日新聞夕刊にこの絵のことが載っていました。この絵は国宝どころか重文でもないそうです。
国宝室にあったのでてっきり国宝と思っていました。記事によると「未来の国宝作品」をしばらくの間国宝室に展示するのだそうです。
コメント
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