宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

負うた子に教えられる

2021-10-02 19:46:37 | 茶道
「負うた子に教えられる」 「自分より若い・経験が浅い人にも、教えを請うべき場面がある」という意味です。
そんな場面が今日の稽古でありました。
長板の稽古で、最後のほうで「お道具の拝見を」と客から言われた時、それを受けてまず蓋置を杓立の方に少し動かします。
この動作がいまいち私は分からなく生徒さんに「どうしてかしらね」と問いかけました。

皆様もちょっと考えて、一人の方が「普通のお点前でも拝見を請われたら、お濃茶ならまず柄杓を建水にたたんで、蓋置も建水の後ろに置きますからそれと同じなのではないでしょうか?」と言われました。
そうです!
長板では柄杓は杓立にもう仕舞っています。そこで蓋置を今まであったところより少し上に置き換えるのです!
納得しました。

年長の私が、恥ずかしながら若い方から教えられました。
まさに「負うた子に教えられる」でした。

追記 
また別の稽古日のことです。
拝見の時のおたずねで「茶杓のご銘は?」にお点前さんが「虫しぐれでございます」と答えられました。
「蝉しぐれ」はよくききますが「虫しぐれ」という言葉、私は初めて聞きました。新鮮な響きでした。
今日10/3の朝日歌壇に次の句が出ていました。

”鳴くことに夢中なリけり虫時雨” 浅賀信太郎

若い方からいろいろと学びます。
コメント (2)
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