早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和四年七月 第八巻一号 近詠

2021-05-09 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和四年七月 第八巻一号 近詠

   近詠
空梅雨にちりしくものや女貞花

二つ三つ水に掃きたる實梅かな

砂山のしろきながれに蚊帳の家

ふうさとにまこと歸りぬ禍や幮の中

早乙女やこもこも立ちてまぶしがる

夏の夜の筏人居くだるなる

夕なみのこゝろに安し月見草

月見草晝はなよなよ影すなり

風鈴や海の一軒漁家のほか

谷底に住みて風鈴鳴らしけり

山を見ず夜はうるほうて青田空

汝が影の無くて日傘のまるさかな

睡蓮の葉のととのはず二つ浮きぬ

花氷女は作りほくろかな

花氷その影もなく人の中

海行けば朝の空より雲の峰


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