宋斤の俳句 「早春」昭和四年七月 第八巻一号 近詠
近詠
空梅雨にちりしくものや女貞花
二つ三つ水に掃きたる實梅かな
砂山のしろきながれに蚊帳の家
ふうさとにまこと歸りぬ禍や幮の中
早乙女やこもこも立ちてまぶしがる
夏の夜の筏人居くだるなる
夕なみのこゝろに安し月見草
月見草晝はなよなよ影すなり
風鈴や海の一軒漁家のほか
谷底に住みて風鈴鳴らしけり
山を見ず夜はうるほうて青田空
汝が影の無くて日傘のまるさかな
睡蓮の葉のととのはず二つ浮きぬ
花氷女は作りほくろかな
花氷その影もなく人の中
海行けば朝の空より雲の峰
近詠
空梅雨にちりしくものや女貞花
二つ三つ水に掃きたる實梅かな
砂山のしろきながれに蚊帳の家
ふうさとにまこと歸りぬ禍や幮の中
早乙女やこもこも立ちてまぶしがる
夏の夜の筏人居くだるなる
夕なみのこゝろに安し月見草
月見草晝はなよなよ影すなり
風鈴や海の一軒漁家のほか
谷底に住みて風鈴鳴らしけり
山を見ず夜はうるほうて青田空
汝が影の無くて日傘のまるさかな
睡蓮の葉のととのはず二つ浮きぬ
花氷女は作りほくろかな
花氷その影もなく人の中
海行けば朝の空より雲の峰
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