早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」大正十五年八月第二巻二号 句会

2020-05-01 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
      紫陽花 ー郡山の夕=
           佐久間一抱氏のご好意により 
           宋斤、南畝、一抱、至禾、也陶、峭木の六人 
           郡山四海亭に集い歓談、句作に愉快なる一夕を過ごした。
      
           暮るゝまで間近あじさい見てゐたり
           濠水にしがらく暮れの夏乙鳥

            
      楠公忌  延元元年夏五月二十五日 
           湊川の戦役で七度再生の精忠を叫ばれたと云う大楠氏の最後の日
           「楠茂り」

           露光る楠の下にて楠公忌
            

           梅の實を拾ふて案内僧来たる
           桐の花賣石古りて町がゝり
           日をかくす雲なれ低し行々子
           蘆つきて町へしばらく花茨城
           乙鳥の敷々初夏の帆帆の白し
           睡蓮に去り行く雨の日なりけり
           飛びも得ず夜気にふるへも蛾なりけり
           甘酒をこぼして水に雲つくる
           なき人をしのぶに梅雨の寒さ哉        
           羅や母の袂の小さき珠數
           星更けて青桐音を立てにけり
           繭の腹ぺことへこみてあるものよ
           長濱や潮に浮く繭一つ
           森の闇面に星の涼しけれ
            


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