早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和二年六月 第三巻六号 近詠

2020-08-01 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和十六年六月 第三巻六号 近詠

濱砂をあるいて潜る茅の輪かな

朴わか葉日透きながれて古畳

百合の花陀羅尼きこゑて朝あくる

まひまひの雨の一粒知りにけり

初島や夜明けのひと荷走り藷

夏の蝶ゆきすりびとに失せにけり

住吉や松の梢に初蛍


春日射す厨にて愚妻何うたふ

早春社島之内例会

花曇り星あらわれて夜になりぬ

囀りや乙女椿の咲くひくゝ

早春社神戸西例會
ふくる夜楓木の若をはしる雨

早春社江日例會
花吹雪絶間ながるゝ水の渦

春晝や瞼の上の鳥の聲

  早春社北例會
厨水やお玉杓子を湧き立たし

  四月例会
春宵の地に影くろき蘇鉄哉

  早春社尼崎例會
川すでにあつし三味線艸の花

  打出句會
雛の厨井戸には桃の散ることに

  五月雨吟社
寺町へ月の小辻のおぼろかな

  


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