早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和二年七月 第四巻一号 近詠 俳句

2020-08-10 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和二年六月 第四巻一号 近詠

瀧の宮明け易き燈の繼がれけり

唇をうつし泉を吸いにけり

寺縁に寝て蟬暑し蟬涼し

百合あまり高き匂いや蛇のあと

夏遭摘まれし高き蝶々かな

羽少し尻にはみ出し金亀蟲

夏行寺池に金魚の一つ浮く

  太融寺句座
夏の空寺の大樹は銀杏かな
 
  乾丘會主催三句集
杉の花雲のびて来て雨ふれり

  池田牡丹座
山池や雨のにごりにむらつつじ

寺しづか楓の花に山も風

  川上規允氏送別句會
九鬼の浦は南風吹いて規允ある

  早春社五月句會
かきつばた腐つる日南の羽蟻かな

晝たれて蝶蜂来たる青すだれ

  早春社六月句會
蚊やりして人々門に入江町

あじさいの花月にあり時鳥

百合の香の漲ぎるほどに人を夜を

  早春社島之内例會
あかつきや水車の水に花あやめ

短夜や浦さして行く五位の聲

  紅詠社四月會
舷の手に散る夜のおそざくら

  島道素石氏来庵句座
つばくらも夏になりたる袷かな




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