早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和二年十月 第四巻四号 近詠 俳句

2020-08-23 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和二年十月 第四巻四号 近詠 俳句

近詠

風鐸に落つるは霧の雫かな

下の家はよべの嵐の栗や

句のほかにあそばす空の土の秋

墓きざむ人と語らひ草もみじ

堀の外のもの賣りうたひ秋のはれ

すがれ葉を花屋がしごく雌頭花

縣崖の一鉢しろし菊の中

  
  本興寺蟲干拝観 八月一日

寺涼し太しき廚の樞かな

塔中や深くたれたり青すだれ

 早春社九月本會

懸崖や海へ出あそぶとんぼ哉

丘の樹に燈のまどまどや夕月夜

 早春社初島例會

碪やんで窓の燈たゞに更くる哉

  攖寧抄 大物村事務所

天の川田園の橋高きかな    天の川

鶉 朝風の萱を分かるに鶉鳴く 鶉

 早春社櫻宮例會

草浅くなって紫苑の小庭哉

紫苑も燈に往来する蛾ありけり

溢れ蚊に小魚を焼く煙かな

 早春社尼崎例會

茣蓙敷いて要の花をうしろ哉

 早春社神戸例會

艸いきれ風にあるもの山帰来








  

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