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長沢栄史「きのこの分類と生態」

2007年01月24日 | きのこ

1月23・24日の両日、中央植物園の客員研究員講義「きのこの分類と生態」があった。講師は(財)日本きのこセンター菌蕈研究所の長沢栄史先生。
昨日(23日)は「日本きのこ研究史」等の講演があり、夕方、懇親会が催されたのだが…仕事に忙殺されて両者とも参加することができなかった。
今日の演題は「ハラタケ目の分類における最近の動向」と「日本産イグチについて」であった。聴講者は35人程で、きのこ部会のメンバーが数人参加されていた。池田先生や浅井さんも参加されていた。
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ハラタケ目とイグチ類の主要な分類体系の比較として、Singer(1986)体系、今関・本郷(1987)、Kirk等(2001)(Dic. Fungi 9th Ed.)の考え方を比較説明された。また、"One hundred and seventeen clades of euagarics "(Jean-Marc Moncalvo et. al. Molecular Phylogenetics and Evolution 23 (2002) 357-400)に沿って、分子系統的な見地からの分類の考え方も紹介された。現在は、形態的分類から分子系統分類への過渡期であり、様々な知見が得られているものの直感的には納得の行かない提案も散見されるようだ。DNA解析にももっと工夫が必要なようだが、ここ当面は、両者の分類手法が合体され、修正が加えられてゆくと思われる。それにしても、腹菌類が解体される方向にあるとは驚きであった。

「アマチュアへの提言のテーマをどうしてウィークデイに演るのだろう?」などと疑問を持ちつつも、良いお話を聞くことが出来た。
次回は誰がいらっしゃるのだろうか?


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