富山きのこクラブの皆様
今年最初の観察会が立山町の来排山周辺で行われました。天気は生憎の雨模様、20人の参加が有りました。
ニガイグチモドキ[Tylopilus neofelleus Hongo]
ヘビキノコモドキ[Amanita spissacea Imai]
ベニタケの仲間
雨を避けての同定会。
こちらは、他所で採取されたきのこです。ハイカグラテングタケ・マントカラカサタケが一際目立っています。
ヤマナラシノアオネノヤマイグチ
[Leccinum duriusculum (Schulzen) Sing.]
アオゾメツチカブリ[Lactarius glaucescens Crossl.]
傷を付けると青っぽく変色します。
タマゴタケ[Amanita hemibapha ssp.hemibapha]
既にパックに納まってます…美味しそう。皆さんの垂涎の的でした。
観察会の終了後、グリンパーク吉峰に行く途中、豪雨の中、樹木園に寄ってきました。ベニタケの仲間を中心に、様々なきのこが林立していました。
ナラタケモドキ[Armillariella tabescens (Scop.) Sing.]
桜園付近でナラタケモドキが大量に発生していました。大部分が腐敗していましたが、まるでゼンマイ畑を見るような…見事な発生振りでした。
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皆様へ
今日(26日)小沢さんがブドウニガイグチ(Tylopilus vinosobrunneus)を1個体持参されていました。
先日(23日)に兼六園の調査時にブドウニガイグチモドキ(Tylopilus sp)が採取されたので、池田先生に違いを確認しました。
ブドウニガイグチモドキ[Tylopilus sp]
兼六園の写真添付します。
ブドウニガイグチ :肉が苦渋い。傷口が淡赤褐色に変色する。ブドウニガイグチモドキ:苦みが無い。傷口の変色性が無い。
同定時に大変役立つと思います。
顕微鏡的には胞子の形・大きさも違いますが、シスチジアの違いが重要です。
ブドウニガイグチ :縁は棍棒形。側は紡錘形。ブドウニガイグチモドキ :縁は紡錘形。側は紡錘形で大型。
_/_/_/_/_/ 栗林 義弘 _/_/_/_/_/
きのこ部会の皆様、橋屋様へ
莱拝山から傘径6㎝で、切ると傘の肉が青変、柄の肉が赤変するイグチを持ち帰りました。
クロアザアワタケと間違えたものです。
胞子が楕円形で縦に筋が入っていましたので、クロアザアワタケでない事が分かりました。
キクバナイグチ属の中で、胞子のサイズがアヤメイグチより小さいことと、側シスチジアを見つけられない事で、マルミノアヤメイグチBoletellus badiovinosus E. Horak (1977)に近いのではないかと考えましたが…
_/_/_/_/_/ 黒川 悦子 _/_/_/_/_/
黒川様、栗林です。
イグチ科のキノコの胞子は平滑なものが多いのですが、キクバナイグチ属とベニイグチ属の胞子は畝状やとげ状のものが有ります。
アヤメイグチはキクバナイグチ節の仲間です。
2キクバナイグチの胞子は。表面に畝状の隆起が縦に有り畝が分岐しています。畝と畝の間に横に細かい筋が有ります。アヤメイグチもこれと同様の胞子をしています。
マルミノアヤメイグチの胞子も表面に縦状の畝隆起が有り、分岐していますが畝と畝を繋ぐ横筋が有りません。また、黒川さんの言われる様に側シスチジアが無いことも決め手です。しかし、ビロードイグチモドキも捨てきれません。乳白色の肉の色や青変性などがマルミノアヤメイグチとよく似ているため、私には決定打が有りません。胞子サイズを確認する必要があるのではないでしょうか?
_/_/_/_/_/ 栗林 義弘 _/_/_/_/_/