富山きのこクラブ

富山のきのこ情報・きのこ料理の情報が集まります。

ヒラタケの発生木(その後)

2007年11月26日 | きのこ

山きのこクラブの皆様へ

植物園の橋屋です。
昨日夕方に富山市内へ出かける用事がありましたので、ついでに検察庁前にあるプラタナスの木を見て来ました。
この木は昨年年末にヒラタケが多量に発生しました。
最近、植物園にもヒラタケが持ち込まれることがありましたので、かなり期待して現地に行ったのですが、意に反してこの木は切られておりました。
今年の夏までは弱った樹勢ながらも葉や枝を茂られせていたのですが、倒れる危険があったのではと想像します。
切り株は中央が色が変わっていましたので、きのこに食べられてすかすか状態だったことが想像できます。
これからの氷雨の降る季節、きっと他の街路樹や公園のプラタナスなどにヒラタケが生えることと思います。ちょっと外出された機会に冬のきのこを探してみませんか?

_/_/_/_/_/ 富山県中央植物園 橋屋 誠_/_/_/_/_/


飛騨市宮川町

2007年11月25日 | きのこ

宮川の洞へ行ってきた。落ち葉が一面に散っていて初冬の雰囲気。
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谷を挟んで斜面を望む。遠目で見るととてもきつい斜面だ。
霜降りシメジが乾燥状態になっている。至る所でまだムキタケが出ている。ニカワハナビラタケの残滓、ロクショウグサレキン(モドキ?)、シラウオタケなどが見られたがお目当てのナメコには出会えなかった。
Dscn2461 立ち枯れたミズナラの木にムキタケが出ている。
ここの斜面はきつくて,一冬越すと倒木の様子がまるで変わってししまう。この木も早晩、雪で倒されてしまうのだろう。


第29回 きのこ観察会&鍋会

2007年11月11日 | きのこ

中央植物園友の会きのこ部会の観察会ときのこ鍋会が開かれました。
観察場所は吉峰の樹木園、あいにくの雨模様にも関わらず40人強の参加者がありました。
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恒例のきのこ鍋には56種類もの野生のきのこが入っていて、今年も大変おいしいきのこ鍋を頂く事ができました。武田先生お疲れ様でした。
昨年に引き続き、永瀬さん作の鮎の一夜干し(今年は能登七輪を使った炭火焼!)や、チチタケポテト、山葡萄・ナツハゼのジャムが供されました。
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昼食後、同定会が始まりました。きのこの種類は30種弱と少なかったのですが、今回は石川の池田先生も参加され、ツチグリに寄生するきのこ等の面白いお話を聞くことができました。
Dscn2453今日は、NHK富山支局が取材に来ていました。再来週の午後6:10からの番組の中で、約7分間ほど放映されるそうです。
「自然観察して」「食べてみて」「解説を聞いて」富山のきのこの理解を深める活動をしている…というようなストーリィになるようです。
どのような映像が流れるのか?楽しみですね(^^)

最後に栗林さんから全体の解説があり、お開きとなりました。これで、今年のきのこ部会の活動は終了です。今年もいろいろ楽しい企画があり、充実した1年でした。
年明けには、スライド学習会と新年会を兼ねた懇親会が企画されています。発表予定の方は準備をよろしくお願いいたします。

_/_/_/_/_/ 伊藤 春雄 _/_/_/_/_/


岩瀬浜

2007年11月10日 | きのこ

午後から海岸へでかけた。
本命はアオリイカだが、夕方まで時間があるので、きのこを探しまわった。
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岩瀬浜では昨年発生が確認できたアラナミケシボウズタケが形を残していた。昨年よりも個体数が増えている。Dscn2431 Dscn2434 Dscn2438




ほかにはキツネノロウソク?、スナジアセタケ[Inocybe niigatensis]が観察された。
夕方、生地漁港に辿り着いた。小鯵がサビキで釣れている。3時間ほど粘ったが、アオリイカは釣れなかった…あぶりの刺身は幻となってしまった。
明日は今年最後の観察会&鍋会だが、天気はよくない様だ。
_/_/_/_/ 後日談(橋屋さんからのメール) _/_/_/_/
伊藤さんが岩瀬浜で採られたきのこをいただきましたが、このうち8個体ぐらいあった薄茶色で傘が三角錐状のきのこを今日顕微鏡で覗いてみました。昨日の段階でアセタケ属かなと思っていましたが、胞子は長楕円体で弱い角張りがありましたし、縁・側両シスチジアとも厚膜でしたので、これらからスナヂアセタケでよいと思います。このきのこは本郷先生の発表された種で、種小名に「新潟の」となっているとおり、新潟で採集された個体をタイプに発表されています。本郷図鑑には「海岸のマツの下で採った」とありますが、伊藤さんが採られた場所の近くにマツ(海岸なので多分クロマツ)はありませんでしたでしょうか?
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晩秋にツキヨタケの中毒

2007年11月08日 | きのこ

富山きのこクラブの皆さんへ

植物園の橋屋です。
秋も深まった11月2日付けの京都新聞に滋賀県であったきのこ中毒のニュースがありました。

(京都新聞の記事)
 滋賀県は2日、西浅井町の山中で採ったキノコを食べた町内の男性(62)が食中毒症状を発症した、と発表した。キノコは毒性のあるツキヨタケと判明した。
男性は入院したが、快方に向かっている。
 県内でのキノコによる食中毒は5年ぶり。県によると、男性は山で採取したツキヨタケをみそ汁に入れて食べたところ、約1時間後にひどいおう吐を発症したという。
 ツキヨタケは、シイタケやヒラタケに似ており、ブナやカエデ類の枯れ木に生える。大量に摂取すると、死に至ることもあるという。
(ここまで)

ツキヨタケはよく形が似たムキタケにも間違えられますが、ムキタケに比べて早く発生することが多く、同じ木にこの2種のきのこが出る場合もあって「9月のきのこ(先に出るツキヨタケを指す)は食べられないが、10月に出るきのこ(ムキタケを指す)は食べられる」との言い伝えがあります。
しかし、近年のように温暖化が進めばこんなことは言ってられなくなりますね。

過去には婦中町の西部、小杉町と接した部分で、シイタケのホダ木から出たツキヨタケを食べて中毒した例がありました。これは多分、山から切ってきたホダ木のツキヨタケの胞子や菌糸がついていて、このため平地でも発生したものと思いますが、判断はできません。
名前のわからないきのこは絶対に口にしてはいけません。

_/_/_/_/_/ 橋屋 誠 _/_/_/_/_/