富山きのこクラブの皆様
鬱陶しい季節になりましたが、サッカーワールドカップで寝不足の日々が続いてはおりませんか?
今日は央植物園/友の会/きのこ部会の顕微鏡講座(中級編)が開かれ、13名の参加がありました。講師は栗林さんです。
今日のテーマはキクラゲ類の担子器の観察です。
アラゲキクラゲを観たのですが…何れが担子器やら…多分染まっているヤツだと思うのですが…難しかったです。
「きのこ雑記」からの引用も資料として配布されましたので、掲載します。
2010年6月21日(月) 故今関博士の思いと昨今
先日、あらためて保育社『原色日本新菌類図鑑(II)』の「読者と共に日本のきのこを研究しよう」(p.282~285)を読み返した。故今関六也博士の思いが以下の見出しにそって語られている。たった4ページではあるが、図鑑本文よりも重みがあると常々感じてきた。
きのこはどんなに大きくても微生物
顕微鏡に親しむことの重要性
標本の作製・整理・保存の重要性
博物館を仲立ちにして専門家とアマチュアの連携
はじめて読んだとき、非常に印象的だったのは次の一節だ。少し長いがそのまま引用しよう。
近年,きわめて多数の地方的きのこ図鑑が出版されている。写真には美しいものが少なくないが,特徴のとらえ方に不備な写真が少なくない。その上に解説文は簡略に過ぎ,しかも胞子その他の顕微鏡的に重要な特徴を全く欠いている。その結果,読者の心には肉眼的観察だけできのこを見分けることができるという誤解が育てられる。そしてきのこの勉強は次第に科学性を失ってくる。肉眼的観察が基本的に重要であることはいうまでもない。しかし,それは眼光紙背に徹するような観察眼であってほしいが,その観察眼は顕微鏡的観察の裏付けがあって磨かれるのである。
そのためには顕微鏡を敬遠せず,顕微鏡に親しんでほしいと敢えて訴えるのである。顕微鏡は学者の独占物ではなく,学者の看板でものない。星好きの人にとっての天体望遠鏡,スポーツ愛好家にとってのゴルフ用具,スキー用具,サーフボード,ヨット,オートバイなどと変わらぬ道具だといえるであろう。
植物の場合,アマチュアの専門的知識はきわめて高い。残念ながら国家的に育てられなかった日本の菌学界にはまだその力がない。若い菌類分類学者の輩出とアマチュアのきのこ研究者の奮起と,これを育てる博物館の発展を切望してやまない。
図鑑出版から21年・・・・、アマチュア研究者の層はずいぶん厚くなってきた。また、アマとプロとの間の風通しは良くなってきたが、顕微鏡観察の普及はあまり進んでいるとは言い難い。
「石川きのこ図鑑」からの引用もありました。
丁寧に組織の観察の要領が記載されていますが…私は読んだ事が有りませんでした。皆さん、一読されては如何でしょうか?
小学校の理科教育でも顕微鏡観察が復活した様子ですが…顕微鏡を扱える先生が居ないとか…愚妻がぼやいておりました。
取敢えず顕微鏡講座を頑張りましょう!
帰りに頼成の森で開催されている花しょうぶ祭りを見てきました。あまりの蒸し暑さに花を愛でる余裕も無く、大汗をかきながらさっさと退散いたしました。
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細矢君の本は全国農村教育協会から7月に刊行予定です。
科博きのこ展でのみ販売されていたガイドブックを,改めて一般向けに販売するようにした図書だと思います。きのこ展でガイドブックを買い求めたヒトは内容を確認してから購入されることをお勧めします。
カビ図鑑
― 野外で探す微生物の不思議 ―
細矢 剛(国立科学博物館)・出川洋介(筑波大学)・勝本 謙(元・山口大学)/著
伊沢正名(隠花植物写真の第一人者・糞土師)/写真
B5判 160頁 オールカラー
定価 2,500円+税
ISBN978-4-88137-153-4
http://www.zennokyo.co.jp/book/index_kb.html
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