「スラムドッグ・ミリオネア」でアカデミー賞作品賞受賞、ダニー・ボイル監督最新作
ってことで思わず、「127時間後…」なんて言っちゃいそう
なんて冗談はさておき。
受賞はならずだったけど、本作は今年のアカデミー賞で作品賞含む、6部門でノミネート。
「普通じゃない」を書いたばかりだけどこの監督目当てでずっと楽しみにしてた。
来月公開を前に、FOX試写室での試写にて鑑賞。
実話だし、もう結末知ってて観る人も多いかもだけど、知りたくない人はネタバレ感想告知以降でスルーを☆
ある男の 127時間=5日間
え、これ実話
その衝撃の内容のウワサが勝手に耳に入って来ちゃってたけど
極力予告は観ずに内容も読まずにいたけど、
これ、米国人登山家アーロン・ラルストン氏のノンフィクション「奇跡の6日間」を基に、
ロッククライミング中に落石事故で腕を挟まれてしまい、叫び声すら届かない荒野で一切身動きがとれなくなってしまった男が味わった苦悩と孤独、
そして127時間後に彼が下した“ある決断”を描いた作品。
主演のアーロンには、アカデミー賞でもホストを担当したジェームズ・フランコ。
というか、ほとんど一人芝居のようなもの。
主演男優賞ノミニーされ、「英国王のスピーチ」のコリン・ファースに持ってかれたけど、
これ見たらわたしとしてはジェームズにあげても良かったんじゃないかと。
「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマン同様、それほど素晴らしい熱演も見どころのひとつ。
オープニングの疾走感溢れる映像と音楽のスピード感は、ダニー・ボイルの真骨頂!
ある時点で突然身動きがとれなくなった状態を延々映し出すのは
密室の極現状態がかなり見ていて辛い、ライアン・レイノルズ主演「リミット」にも似てるんだけど、あちらが眠気が来て(わたしは)退屈だったのに対し、
こちらは、同じくこんな最悪の状況、どうやって切り抜ける!?と興味深く見入ってしまう。
映画はやっぱり演出の力も大きいなー
そして今回もまた、例外無く音楽がイイ
ダニー・ボイルとの共同脚本は、サイモン・ボーフォイ、音楽のA・R・ラフマーン、撮影のアンソニー・ドッド・マントル
という前作「スラムドッグ~」で組んだスタッフたち。
脚本にあたっては、「自分たちは、アーロンが実際に体験したことを忠実に描く責任があった」という。
この方がモデルとなったアーロン・ラルストンご本人でエンドロールにも登場。
なかなか爽やかなナイスガイ。
アメリカ・ユタ州のブルージョン・キャニオン。ロッククライミングをしていた登山家のアーロン・ラルストンは
ひとけのない岩の狭間で落石事故に見舞われる。
そこから5日間、身動きの取れなくなったアーロンは必死に脱出をはかるが……
8/10(86点)
ネタバレあり感想
いや~、観てる時 終始眉間にしわ状態、
視界に入って来た前に座ってた人は目を背けてたし、
海外でのプレミアの時は観客で倒れた人もいたとか。
まぁそこまでか?って感じもするけど、確かにハッキリ言って苦手な人はキツいと思われるシーンがある。
わたしはてっきり足だと思ってたけど腕でした。
ってどっちも同じようなもんだけど
しかしなー、これ全くの作り話じゃなく、殆どが実際の話がベースというのが凄い。
ストーリーは極めて単純。概要は1、2分で話せちゃうような内容だけど
1時間半という、長過ぎない上映時間で 飽きさせずに見せるのは監督の手腕。
実際やれるかは置いといて、わたし、サバイバルとか大好きなので
こういう映画って、自分ならどうするだろう!?とか、この後どうなるの!?って引っ張られる。
無精髭で、ワイルドで、いつものジェームズくんのイメージとはちょっと違う。
お友達には本当にジェームズファンが多くて今までわたしはタイプじゃないなんて言ってたけど(ゴメン)
今までのどの役よりイイ。 スタイリッシュで繊細な感じよりもワイルドな男、いいね~
ってわたしの男のタイプはどうでもいいんだけどー
極限状態に陥った時の人間の行動力の凄さ。
「ソウ」のゴードン医師じゃないけど、ホントにやっちゃう?!
自分で!?ぎゃーーー、これ むりむりムリー
つい2日前、わたしはいつもしてるリングを何気なく違う指にはめたら とれなくなって
電車のホームだったし、移動する最中で水はないし指は紫になってきてるしとれないしで
凄い焦った、もしかして指切断!?とか大袈裟だけど頭よぎったし。
指一本と腕って全然規模が違うけど、そのくらいでびびっちゃうのに。(もちろんその後はちゃんとすぐとれたけど)
ダニー・ボイルはインタビューで、「同じ状況に立てば、誰もが同じ事をするだろう」と言ってる。
そうかな?どうなんだろう。
皆が皆、あの状況で自分の腕を切るなんてことは出来ないと思う。
どうやっても岩を動かすのがムリだと分かったとき、絶望感で諦める人も多いかと思う。
わたしはしつこい性格でどんなことあっても諦めないタイプと自分で認識してるけど、
それでもこんな目に遭ったら、そんな行動が実際とれるかなんて分からない。
生きたい!と強く願えばどういう行動にでるかは分からない。
行き先は誰にも告げなかった、携帯もない。
あらゆる方法を考え、試していくけど数日食べていないとなると意識も遠のいて来て、衰弱してくる。
もうこれが運命だった、ここへ来てこうなることが。
生まれた時から決まってたー。 こんな風に最期を迎えると感じ始めながらも
何かに駆り立てられる。
やりのこしたこと。
愛する兄弟、恋人、両親、友人たち、、、、
最期にみてもらうビデオを撮り続けながらも 諦めずにいたのはそんなやり残した想い。
生きたいという生命力。
運命に逆らってでも、何としてでも生きる手だてを見つけ、諦めずに生きようとするパワー
人間にはそんな力が、すべての人に備わっているものだと思う。
今、多くの人に観て感じて欲しい、力の強さを感じる映画だった。
実際の強烈なシーンはキツくても、ラストに出てくるご本人が元気に今を生きてることを見せつけられ
観てる時は辛くても、ラストにはきっと希望とパワーがみなぎってくるはず。オススメ。
あ、あとで予告篇を観たら わたしがいいと思った、「oops」と何度か言うシーンで
「そりゃマズい」になってたけど、完成版の映画本編では「大失敗」「大失敗、、、、」となってたの、良かった。
訳し方で印象かわるから大事。
127HOURS 2010年 アメリカ=イギリス 94min
6月18日(土)より、全国ロードショー
L.Aプレミア。
映画の中の方がむさくるしいのになぜかカッコイイんだな、これが。
2010/11/2 NYプレミア
アーロンさん(本物)、ダニー・ボイル(髪が…)、ちょびヒゲ ジェームズ。
ジェームズ・フランコ、次回作は、、、
2013年公開予定で「スパイダーマン」繋がりで、またまたサム・ライミの監督作!
「オズの魔法使/ Oz: The Great and Powerful」が控えてるほか、
楽しみです~