原作は1981年に52歳で他界した英国の劇作家、C・P・テイラーの遺作となった舞台劇で
2008年製作、海外では2009年に公開済みだけど今頃になってやっと日本公開。
一人の善良な人間が、時代の波にひきずられ、意図せぬ方向へ流されていく様を描いた重厚な人間ドラマ。自分と家族の命を守るか、それとも友情と信念を貫くかで揺れる主人公の葛藤を描く。
ナチス党員として生きる自分と、モラルとの狭間で葛藤する主人公ジョン・ハルダーを演じるのはヴィゴ・モーテンセン。
ジョンの親友でユダヤ人の精神分析医モーリスを演じるのは、
「ハリポタ」シリーズのルシウス・マルフォイ役、ジェイソン・アイザックス。
ジョンをナチ党に引き込む検閲委員長のボウラーに、マーク・ストロング。
ちょこっとだけ。
1930年代、ヒトラー独裁が進むドイツ。ベルリンの大学で文学を教えるジョン・ハルダーは、善き人であろうと心がけて生きる平凡な男だ。実際に彼は、病 身の母を介護する善き息子であり、妻の代わりに家事をする善き家庭人であり、プルーストの講義に情熱を傾ける善き教師であり、戦争を共に戦ったユダヤ人 モーリスの善き友であった。しかし、そんなジョンの生き方を一変させる出来事が起こる。過去に書いた小説をヒトラーに気に入られたことから、ナチ党に入党 せざるをえなくなったのだ。それは、生き延びるための余地のない選択。だが同時にモーリスを裏切る行為でもあった。やがてドイツ国内で反ユダヤの動きが激化。親衛隊の幹部に出世したジョンは、国外脱出を望むモーリスに手を貸そうとするのだが…。
6/10(68点)
内に秘めた心の葛藤を演じたヴィゴが素晴らしいのは言うまでもないんだけど
淡々としてる前半は気を抜いてると寝ちゃいそうな雰囲気。
前半のその淡々とした展開から、親友の家に呼ばれ
自分の作った料理は不味いだろうととっととさげられて、
その次にとっておきとばかりに出て来た大好物のチーズケーキをいただきながら「Heaven」というシーンが印象的。
映画では何度となく描かれてるヒトラー政権時代、
ユダヤ人というだけで受ける差別。何度観てもやるせなさと理不尽な思いが高まる。
親友のユダヤ人に助けを求められるが、、、、
ベルリンの大学教授が、過去に書いた小説がヒトラーに気に入られたことから、
知らずうちにナチスにとりこまれていく。
何をとってもこの映画、ラストがいい!
パリ駐在のドイツ人書記官がユダヤ人に暗殺される事件が起こり、ベルリンで反ユダヤの暴動が発生。
ユダヤ人の家や商店が襲撃され、ユダヤ人たちは警察に連行される。この騒動にモーリスが巻き込まれることを案じたジョンは、駅へ出向き、一度失敗したパリ行きの切符を購入する。
「自宅へ来てくれ」とモーリスのアパートに伝言を残した直後、党本部への出頭を命じられたジョンは、
教え子で同棲しているアンにモーリスへの切符を託すが、結局彼は現れず、消息は途絶えてしまう。
1942年4 月、親衛隊の幹部としてユダヤ人強制収容所の情報収集を命じられたジョンは、党の誇る最新鋭の設備を使い、モーリスの消息を追う。
そして初めて、4年前あの夜に何が起きたかを知る。
更に収容所の視察に赴いた彼は、自分が無意識のうちにどれだけ深い罪を犯していたかに気づき、愕然とする。
善き息子になろうとして、知らずうち失ってしまった母親。
善き人になる道を進もうとしていたのに、知らずうちに犯した罪。
何度となくどこからか音楽が聴こえてくるという妄想の持病があったジョン。
ラストシーンにそれがいきていて、収容所のユダヤ人たちがオーケストラを弾いているというのを見て
この最悪の現実をようやく理解したジョン。
何ともいえない気持ちが最後に残る、地味だけどなかなかの佳作。
ヴィゴファン以外の方もどうぞ。
DVD鑑賞でもいいかも。
監督は、ベルナルド・ベルトルッチ監督の「暗殺の森」とイシュトヴァン・サボー監督の「メフィスト」を参考にしたというから
関連作品として先にそちらを観ておくのもいいかも。
GOOD 2008年 イギリス、ドイツ 96min
2012年 1月1日より公開中~
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