2009年1月にニューヨークで起こったハドソン川に不時着してしまった飛行機の機長が瞬時の判断で、
155人の命を救った。
クリント・イーストウッド監督最新作。
脚本は、トッド・コマーニキ。
原案 サリー機長の手記『機長、究極の決断 「ハドソン川」の奇跡』
原題は「サリー」。機長の名にしてるけど、
ニューヨーク州知事のデビッド・パターソンは、
この件を「ハドソン川の奇跡」(Miracle on the Hudson) と呼んで褒め称えた。
劇中内でもニュースの中で「ハドソン川の奇跡」と言っている。そこからのその邦題。
邦題もありがちだなぁと思ったけど原題の、名前だけよりもいいかな。
と思ったけど
やはりそこはイーストウッド、人間を常々描きたいと思っているからこそ
川の奇跡ではなくて、彼という人間その人、を描いたという意図してのことでしょう。
「英雄」機長、サリーにはトム・ハンクス。
副機長ジェフに、アーロン・ エッカート。
機長との信頼関係、しっかり一緒にいた立場でサポートし続ける、凛凛しい姿が印象的で素敵。
サリーの妻には、ローラ・リニー。出番は電話のシーンのみ。
ハドソン川に不時着水したのは、USエアウェイズUS1549便。乗客150人、パイロット2人、客室乗務員3人の155人。
NYのラガーディア空港からノースカロライナ州シャーロットを経由でシアトルのタコマ国際空港へ向かう予定だった。
PM3時24分に離陸。その直後にカナダガンの群れがエンジンにぶつかるバードストライクが発生したための事故。
エンジンは2基とも再始動出来ず、機長は、ラガーディアへ戻る指示もしくは近くの空港への緊急着陸を断念し、
ハドソン川への不時着水を決断。
午後3時30分にハドソン川へ機体を降ろすことに成功。結局、全員の命は助かり、機長は英雄となった。
のもつかの間、Uターンすれば乗客を危険な目に合わせることなく無事着陸できたのではないかという
結果がシュミレーションによって出てきたため、国家運輸安全委員会が黙っていない。
機長に責任を問い始める。
そんなこと言ったって、こんな状況で全員助かっただけでいいじゃん、
すごいことだよ、と思うし
実際、世間の人も乗客たちも、その奇跡に感動し感謝をしているのだけど。
その状況を目の当たりにしてないやつは言うのは簡単。
7/10(78点)
実話の映画化として、無駄な部分なし、過剰な脚色で感動作に仕上げた感じもなしのシンプルながらも
事実に基づいて、忠実にきちんと描いた作品。
イーストウッド監督もそこを目指したらしい。
機長だけが英雄として讃えられるも、ご本人は「副機長、乗組員、乗客、着水後、手を貸してくれた船の人たちや
その他すべての人たちが素晴らしかった。」と言っていたけれど(本当の言葉らしい)
運命もあるし、すべて、タイミング。
この経験豊富で咄嗟の判断、冷静に決断できたこの機長でなければ、
冷静に隣でサポートしたこの副機長でなければ、
次の日はより寒く、川の水が凍ってただとかすべていろいろな要素があって、助かった。
どんなに恐ろしいだろうね。
離陸と着陸時は本当にいつもドキドキする。
逆に言うと、いろいろな要素が重なって起きた事故かもしれないけど
結果、全員が怪我もなく、命が助かったのは本当に奇跡と言っていい。
公聴会のシーンでシュミレーション結果に納得いかず、
人的要因を考慮し、38秒という時間を再度プラスすることでやり直し、
その結果、、、、。という検証シーンが興味深い。
機長の決断によって多くの乗客の命は助かった、乗客の家族をメインにドラマ仕立てにしたり
大袈裟な演出があるわけでもなく静かにシンプルに描いたところが好感。
実話は難しいからね。
2009年1月15日、厳冬のニューヨーク。160万人が住むマンハッタン上空850メートルで突如制御不能となった飛行機を、ハドソン川に不時着させ、 “乗員乗客155名全員生存”という驚愕の生還劇を成し遂げたサレンバーガー機長。だが奇跡の裏側では、機長の判断をめぐり国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われていた.......。
SULLY 2016年 アメリカ 96min
9月24日より、公開中〜
実際の、チェスレイ・サレンバーガー機長は2010年に引退。
エンドロールに登場。奥さんとご本人の言葉で締めくくられる。
プレミアにて。
9月14日、トム・ハンクス&アーロン・エッカート来日。
なぜか海老蔵。
事故の際に乗っていたお二人の日本人も壇上。