我想一個人映画美的blog

新作映画レビュー&温泉&ゴシップ+コスメ+旅行記&日記。
blog開設から何と19年!ありがとうございます✨

プリズン・エクスペリメント/THE STANFORD PRISON EXPERIMENT

2017-07-22 10:42:42 | 劇場&試写★6以上

 

2001年のドイツ映画「esエス と題材は同じだけど

リメイクとして作っていないところがいい

 

1971年に心理学者フィリップ・ジンバルドのもと、スタンフォード大学で行われた心理実験をベースに映画化。

刑務所に見立てた同実験は、新聞広告で集められた大学生など70人から選ばれた被験者を看守役11人と囚人役10人にグループ分け

「普通の人が、特殊な肩書きや地位を与えられたことによって

その役割に合わせて行動をしてしまうことを証明しようとした」実験。

どう心理的影響を受けるか。

 原作は

  フィリップ・ジンバルドー  
  『ルシファー・エフェクト ふつうの人が悪魔に変わるとき』(海と月社刊)

 

ドイツ映画2001年「esエス」や、アメリカ版リメイク2010年の「エクスペリメント」があったけど題材は同じ。

 

 

監督は、カイル・パトリック・アルヴァレス。

エズラくん出演なので楽しみでした〜

 

看守役と囚人役、どっちに選ばれるかが運命の分かれ道。(esの時にもそう書いたな 笑)

今回はコインの裏表で決めてた テキトーすぎ

 

エズラは反抗的なメインの囚人役。

 

他に

ブラピの息子を演じた「ツリー・オブ・ライフ」や「MUD」「ダーク・プレイス」など

次々と話題作に出演若手注目俳優の一人、タイ・シェリダン(右)

 

メイズ・ランナー」シリーズに出演の韓国俳優、キー・ホン・リー。

 

看守役のリーダー格の男にはマイケル・アンガラノ。

みんないいけどこいつがまた良かった!

B級系にちょいちょい出てるけど「あの頃ペニーレインとで主演の子役時代演じた子だった〜ほほぅ!

画像

 

わかりやすいアイテム(サングラスに制服)を身につけた途端、役割になりきり出す。

 

 

この研究の指揮者である心理学者、フィリップ・ジンバルドを演じるのはビリー・クラダップ。

熱心に暴力を見つめる。それを楽しみ、止めようともしない残忍さ。

そして研究は結局打ち切り。

 

 

7/10(78点)

 

ドイツ版「esエス」は映画らしい脚色が多く、小型カメラをつけて記者が潜入する話になっていて

やりすぎ感もあったけど、本当、わたしの中のムカつく映画ランキングに入る映画だったし面白かった。

そのハリウッドリメイク(フォレスト・ウィテカー主演)のはイマイチ。

こちらは、原作(実際の実験)に近く描かれているようで、やりすぎな感じもうけず、

それでも研究チームの奴ら(特に博士)と看守役のヤツらには結構な腹立たしさを覚えるし

強制させて何かをやらせたり、暴力のシーンではムカムカしてくる気分の苛立ちを感じさせる。

 

毎度この囚人役って楽だよなーって思っちゃう。タバコ吸ってたり威張ったりストレス発散?

それで囚人役と同じ金額くれるならわりに合わないよ。(嫌な奴になるのはやだけど)

このリーダー格になってた男(左)は、実際の後のインタビューで

本人はそこまで悪いことをしてる意識がなかったらしい。しかも、役者志望でとびきり嫌な看守になりきってたとか。

恐ろしいな。

実際は学校なのにホンモノの刑務所に思えてくるところもこの実験のポイントで

抵抗をしない囚人たちが哀れだし、でも実際はもちろん捕まるような犯罪をしているわけでもなく

普通の大学生なのにここまでさせる?というようにどんどんエスカレートしてくる強要など

わたしなんかだと 2週間でお金もらえるんだからテキトーにやって、終わればいいなんて

思うんだけど、実際あの立場になったら人が変わるという実験だからか

みんなしっかり役に徹しちゃうのがえらい。

例えば、あれだけこの実験に不服に思えてやりすぎだから帰りたい。と囚人役の子達は思うのに、

刑務所よろしく「面会」の時に、恋人や親が会いに来ても誰も助けてとか

暴力が起こっているだとか言わないのね。(その辺に囚人役の子が見張ってるとしても言おうと思えば言える)

とか思えちゃう。もちろんそれをやったら実験にならないし映画にもならないから仕方ない 笑

エズラはとにかく気分が悪いと訴え、結局一番最初に出してもらえることになるけど

そのまま出てこないところは意外にあっさり系。

 

しかしエズラがどんな時もかっこよすぎる 笑

ズタボロ囚人服でも、ネットみたいな帽子でも、ボサボサ髪でもセクシーで美しい顔が際立つ

 

エンドロールの前だったかな?で、

囚人役のエズラと、看守役のマイケルがそれぞれ 役割についての終わってからのインタビューとして

役になったままで答えてるのが面白い。

 

「誰も止めようとしなかった」「どこまでやれば反抗しなくなるのか。試した」

それは怖い現実。

看守役になった彼がそこまで残忍になったのは彼の本性が出たと考えることもできる。

人は役割によって、人間性が変わるのか。

面白いテーマ。

 

暴力。それが制御できなくなった時どうなっていくのか。

罪もない大学生にやらせるというのがおぞましくもある。

 

「esエス」が好きだった方は是非どうぞ!

と言っても全国公開ではなく、都内シネマカリテの映画祭で4回のみ上映。見逃した場合は是非DVDで

 

 

 

こちら1971年、実際の写真。

 

 

 

 公式サイト 

 THE STANFORD PRISON EXPERIMENT         2015年   アメリカ    122min

シネマカリテ カリコレ2017にて上映。

 

 

プレミアにて。

 

映画の中ではあんなにイヤな奴だったけどなりきりっぷりがすごいギャップ