songbookの自己回顧録

「教えて!goo」で見つめてきた自分自身と、そこで伝えられなかったことを中心につづってきましたが、最近は自由なブログです

日本には、一瞬だけ、純粋さが素直に認められた時代があった ~木綿のハンカチーフ【五十路越えの男が歌ってみた】

2017-02-25 04:15:32 | 音楽
木綿のハンカチーフ【五十路越えの男が歌ってみた】


私はこの曲はリアルタイムではほとんど聴いていません。
積極的に聴いていなかっただけで、もちろん知ってはいましたけどね。
当時私は小学生。この曲はミリオンセラーでありながら、「たいやきくん」に1位を阻まれ、確か一度も首位を取っていなかったと思います。

ですがもちろん、圧倒的な支持を得た曲だったのです。言わずと知れた太田裕美さんの代表作であり、松本隆の名を世に知らしめた記念碑的な曲です。

太田裕美さんの声と雰囲気に素晴らしくフィットして、素朴でけなげな女の子と、彼女のためにも一旗揚げようとする男との悲しいすれ違いが
世の共感を呼びました。

しかし

今、こんな曲、絶対に受けないだろうな、何より、こんな女の子像は…


と思って検索してみると、

やはりいました、居ました、うじゃうじゃと。
「これは女が悪い」「こんな女の子だから振られるんだよ」「むしろ男のやさしさの曲だ」「典型的な面倒女だよな」


その通りです。現実的に、社会人の年齢になっても、口紅もつけない女ですよ。
猛烈にそのかわいさ、美しさを保っている美女でない限り、とても人前でそんな顔さらして歩くことなどできません。
だとすれば、その圧倒的な素顔のかわいさは、当然同性から反感を買うような女の子なのかもしれません。
都会の生活を送る彼に、木綿のハンカチーフをねだる価値観の押しつけがましさは、彼にとっては、当てつけとしか思われないことでしょう。


でもね


日本の世の中には、本当に一瞬だけど、こういう純粋さが素直に求められた時代があって
そんなときめきをみんなが求めていた時代があったということを、今の世代の皆さんには知ってほしいと思うのです。
虚飾を取り去ったところに美しさがあり、そのままの姿をさらすところに真実があると、みんなが考えていた時代が、ほんの一瞬だけあったのです。

私はそういう時代のときめきはそれほど経験することなく、その後の、人をうがった目で見る時代を中心に生きてきましたので、
上にあげたような批判もよくわかります。

でも正直、そういう時代の愚直さがうらやましいとも思うのです。

若い時からひねくれて、うがった視線でものを見ていないと生きていけない今の時代
何か、大切な経験をすることなく大人になっていく今の世代の子たちを、私はちょっとかわいそうだと思うときがあるのです。
コメント
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