songbookの自己回顧録

「教えて!goo」で見つめてきた自分自身と、そこで伝えられなかったことを中心につづってきましたが、最近は自由なブログです

幼稚園児でも、議論は真剣だった (思い出し日記)

2019-06-29 01:40:38 | 音楽

もうすぐ50年にもなろうとする幼稚園児の頃の記憶が、なぜかはっきりと思い出されることがあります。


友人がいました。

ある日、彼と、議論になり、それは白熱としたものとなり、最後には青筋を立てるほどの大論争に発展していきました。
議題は、「仮面ライダーの主題歌は、本郷猛(藤岡弘。さん)の歌がよいのか、知らないおじさん(子門真人さん)の歌がよいのか」

私はレコードを買ってもらってがっかりしていたのです。主題歌の歌声が、本郷猛の声ではない。何だこのねちゃっとした声は?と
その話をすると、友人は、「何言ってるんだ、あのおじさんの声のほうが、カッコいいじゃないか」
私は聞き捨てなりませんでした。当時の私にとって、子門さんの歌声は、聞きなれない声。コミカルにさえ感じたことがありました。

で、幼稚園児にして、本気の「声の美学論バトル」。当時の私は、その頃のムード歌謡にもよくあった、渋い大人の声の藤岡さんの声こそ
仮面ライダーにふさわしいと思っておりました。

今聴き直せば、音楽的レベル、全体的な歌唱力では、やはり子門真人さんのほうが上ですので、当時の友人の耳はすでに「良いものが分かる」耳をしていたということになります。
藤岡さんの声は、やはりこの当時では、当時の自分が思っていたほど渋い声でもなかったし、子門さんにはかなわないですよね。



この友人とは、別の時にも(もちろん幼稚園児)、激しい論争バトルをした覚えがあります。
議題は、「9と0は、どちらが大きいのか?」
きっかけは、やはり私。「一番大きい数って、9だよね。」とつぶやいた時、彼は、「ちがうよ。0だよ」と、とんでもないことをのたまいます。
笑い飛ばそうとしたら、彼は、「ほら。こうやって左に1を入れれば、(10になって)9よりも大きくなるでしょ。」
納得できない私は、「これ、数が2つあるじゃん。なら、99にすれば大きい。」「残念でした。その左に1を付ければ、100のほうが大きいよ。」
むかっ腹の立った私と彼で、延々桁を増やして争い続け、おそらく8桁にもなろうとする頃、疲れてやめました。
お互い、説得しきれなかったことが悔しくて、大きな消化不良感が残りました。

でも、この時、言葉にはできないけれど、なんだか気分がよかったような記憶もあるのです。
なんか、精いっぱいの言葉で議論するって、楽しいな、と。


こんな歳になってふっと思い出し、思うのです。
小さな子だからと言って、侮ってはいけない。
小さな子でも、一生懸命考え、美を追求し、真実を求めているのだ。

別に大人が迎合する必要はないが、そんな子どもだからこそ、大人は、真剣に、よいものを与えていかないといけないのだ。


今回、なに、という話でもありませんが、大人になった私たちに課せられた思いを再認識しつつ、したためました。
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