songbookの自己回顧録

「教えて!goo」で見つめてきた自分自身と、そこで伝えられなかったことを中心につづってきましたが、最近は自由なブログです

あのステージを、さゆりさんは覚えているかしら…紅白のビートたけしさんから

2020-01-02 21:21:19 | 音楽
岐阜県東濃のある町のことです。
時は1978年初旬。小学校卒業を間近に控えたころ、私はどういう筋からかは忘れましたが、友達とそのお母さんとの3人で、石川さゆりさんのコンサートを見に行くチャンスに恵まれました。
「津軽海峡・冬景色」が大ヒットしたばかり。「能登半島」「沈丁花」を歌い始めたころのことです。

かたやこちらは人口4万人にも満たない街で、会場も、コンサートホールではなくて体育館のようなところ。パイプ椅子を敷き詰めても人数500人も入れないところだったと思います。
こんなところに、最高に勢いのあるトップスターがよく来てくれたものだと、今でも不思議です。

前座で、藤まさきさんがいらっしゃる話は聞いていました。「可哀そうでしょ私」の人です。
ところが、ステージは藤まさきさんで始まらず、前座のもう一つの前座として、漫才の人が出てきたのです。ツービートという、聞いたことのないコンビでした。
話は活舌が今一つなのにやたらに早口で聞き取りにくく、それでも頑張って聞いていると、多少面白かったのですが下品だったり下ネタだったり
で、これからさゆりさんの歌を聴こうとしている我々には、今でいう「アウェイ」感満載で、でも何となく心に残る「品のない漫才」でした。
友達のお母さんは、「あの漫才は下品で嫌だったよね」なんて、帰りにこぼしていました。

さゆりさんのコンサートは素晴らしかったことを覚えています。
今考えると超多忙だったはずのあの頃、よくあんないい声で歌えたものだと(すごい声圧と歌唱力でした)改めて尊敬します。

この2年後、ツービートは日本を引っ張る漫才ブームの代名詞のような存在となり、今に至ります。


2019年大みそかの紅白歌合戦で、ビートたけしさんが「浅草キッド」を歌われました。
大変胸を打つ、詩と歌でした。
売れなかった時代に夢を語り合った仲間に向けたものです。

これ、自分があの時に見た、当時誰も知らなかったツービートの頃の話じゃん…
と、見ていた私も胸に詰まる思いで見ていました。

そうしたら、その次に歌い出したのが石川さゆりさんで、歌った曲が「津軽海峡・冬景色」

なんという運命のめぐりあわせ
いや、日本中誰も知らない、ご本人たちだっておそらく忘れ去っていることだろうけど

私の中に42年前のあのステージがよみがえってきて、涙がこぼれそうになりました。なんだかね。長く生きているとね。いろいろとね。
コメント
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