ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

自閉症児が考えていること

2018-02-16 | 自閉症の作家・東田直樹さん

KADOKAWA発の文芸情報サイト「カドブン」で、

東田直樹さんのエッセイ(毎週水曜更新)

「東田直樹の絆創膏日記」が掲載されました。

ご興味のある方は、 ここをクリックしてくださいね。


2018年2月2日(金)

   2月3日は節分である。僕も小さい頃は、幼稚園や家で豆まきをしていた。
 
「鬼は外、福は内」という掛け声と共に、豆を鬼役の人にぶつけるわけだが、僕は、豆が入ったますや袋を手に渡されたとたん、ひっくり返すので、周りの人たちに叱られていた。
 
鬼退治が目的だと知らず、みんなが豆を投げているのは、ますや袋の中身を空にするためだと思っていたのだ。
 
「この豆は、鬼に向かって投げるんだよ」と言われても、鬼が誰だかわからない。
すぐ側にいる人でなければ、僕の視界に入らないからだ。
 
わざわざ鬼役の人が横に来てくれても投げられない。
 
今度は鬼のお面に気を取られて、豆を持っていることなんて忘れてしまう。
 
見かねた人が、僕の手に豆を握らせてくれるが、豆を握ると、食べていいのだと思い口に入れる。
 
すると、また注意される。周りの友達を見ると、みんなキャーキャー興奮して大騒ぎである。
 
何だか楽しそうだ。僕も嬉しくなって跳びはねる。
 
   結局、どうしてみんなが逃げ回っているかわからないまま、おかしな変装をしている人(鬼)が僕の目に止まり、その人に抱きついている間に終了。
 
   豆まきは僕にとって、意味不明な行事だったことは違いない。
 
でも、楽しかった、いい思い出だったと懐かしく思い返すことが出来る。
 
   何でも、うまく出来たから楽しいとは限らないし、うまく出来なくても楽しいと思えるものもある。
 
要するに本人次第なのである。
 
~~~~~
 
この文章を読むと、自閉症児の気持ちがよく分かります。
 
そして、自閉症児に対して『言葉や行動が幼いから、何も理解していないのではないか?』
と思うのは、健常者の思い上がりだと云うことを反省させられます。
 
勿論、感性の鋭い東田さんだからこそ~と云う部分もあるとは思いますが、
私達が想像する以上に、自閉症の方々は様々なことを考え、自問自答を繰り返しているのだと思います。
 
私も、その事を忘れないようにしながら、レッスンをしなければ~と思ったのでした。
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不登校~これからは毎週来てね

2018-02-15 | 不登校

ミノ君(高2)は最近、また学校に行けなくなりました。

心配したお母様が、カウンセリングに連れていったようですが
「学校に行かなくても死にはしない。」とか、
「母親のせいでこうなった。」等と答えるだけで、何の進展も無かったそうです。

お母様からは、昨日のレッスンの直前に、
「それでもピアノには行くそうです。どうぞ宜しくお願い致します。」
と連絡がありました。

 

しかし私は、何も知らない振りをしてミノ君を迎えました。

ミノ君は、穏やかな表情でレッスン室に入って来ましたので、
私は少し安心して、オリンピック等の話をしました。

そして「今週は練習出来た?」と聞いてみました。

前回のレッスンの時に、次回までには、ちゃんと練習するように約束したからです。

ミノ君は「それが。。。ちょっと忘れていまして。」と答えました。

最近は、練習した日にちと、時間を書かせるようにしているのですが、
メモ帳に記されていたのは、前日の20分と、当日の30分だけでした。

「2週間で50分は、ちょっとがっかりだねぇ。」と言いましたら

「レッスンの間が開くと、つい後回しになってしまって。。。」と答えました。

 

ミノ君は高校生になってから、1ヶ月に2回だけレッスンに来ています。

高校生は忙しいので、無理のないように~という配慮です。

しかし、レッスンとレッスンの間が開いてしまうのが難点なのです。

「そうだね。 間が開くと、つい練習を後回しにしちゃうよね。
だったら、今度から毎週来る? その方が練習するんじゃないかな。」

と提案してみましたら、
ミノ君は驚くほどアッサリと「はい、そうします。」と言いました。

 

一昨年、ニノ君は数ヶ月間、学校へ行けませんでした。

その頃に、度々家庭訪問をして励ましてくれた担任の先生が
「ミノは、学校にも、どこにも行かず、ずっと家に居て楽しいのか?」と聞いた時、

ミノ君は「ピアノには行っています。」と答えたそうです。

そして「ピアノの先生は、こう先輩(仮名)のお母さんです。」とも言ったそうです。

その担任の先生は、偶然、次男が高校2~3年の時の担任の先生だったので、
私にその様子を知らせてくださったのです。

 

それから程なくして年が改まり、ミノ君は再び学校へ行けるようになりました。

留年の危機を、ギリギリのところで食い止められたのです。

そんな経緯もありましたので、
毎週レッスンに来てもらうことは、ミノ君にとって意味のあることになるかもしれません。

そうだといいな~と思います。

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間違えたら嫌だから~ADHD児T君

2018-02-14 | ADHD児 頑張るT君

昨日は、テツ君(3年生)のレッスンでした。

「練習はしたんだけどなぁ~」と言いつつ弾き始めた宿題は、

やはり残念な仕上がりでした。

「あれっ? 頑張るテツ君なのに、どうしたのかな~?」と言うと、

すまなそうな顔で神妙にしています。

なので、何度か片手ずつ練習させると、テツ君は、正確に弾けるようになりました。

 

「ほらね、ちょっと練習したら、テツ君は弾けちゃうんだよね。」

「うん。」

「でも、お家での練習が少なかった罰ゲームとして、もう1回お家で練習してきてね。」

「うん。。。」

「さて、それでは、発表会の曲も練習しよう

「出来ないよ。」

「えっ? 何で?」

「今度の曲は、長いから、間違えるかもしれないし。」

「テツ君なら、大丈夫だよ。」

「やっぱり、この前練習した曲にする。」

1月17日の記事にも書きましたが、

テツ君は、最初に予定していた発表会の曲を、たった1週間で仕上げてきたのです。

それに感動した私は、
少しだけ難しい曲を、発表会の曲としてテツ君に与えたのでした。

「ららみ先生は、テツ君ならば、この難しい曲を弾けると思うんだけど?」

「無理だよ。」

「何で?」

「難しい曲を弾いて、間違えたら嫌だから。 前の発表会の時、僕、間違えたから。」

去年の発表会の時、

テツ君は1カ所だけつまずいた箇所があり、その事を気にしているのです。

間違えた~と言っても、普通の人には分からない程の音の擦れがあっただけなのですが、

テツ君は、ずっと気にしていたのでしょう。

 

「テツ君は間違えた、と言っているけど、先生も気が付かない程だったよ。
それに、テツ君は、あれから随分と上手になっているから、
今度は大丈夫なんじゃないかな?」

「無理

う~ん、困ったな~

テツ君には「来週、もう1回話し合おうね。」と言ってレッスンを終えたのですが、

私の中には、大きな宿題が残ってしまったのでした。

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◯ルーチェのCMを見て~感想?後悔?

2018-02-13 | 日記

最近流れているCMで、かなり気になる物があります。

◯ルーチェのCMです。

男の子とお母さんが、一緒に◯ルーチェを作っているCMなのですが、
放送を見る度に、少し暗い気持ちになります。

CMの中では、牛乳をボールに注ごうとしていた男の子が、牛乳を大胆にこぼしてしまいます。

画面の外に居る私ですら「あ~あっ」と思うレベルの量の牛乳が、テーブルに

でも、CMの中のお母さんは、それを咎めもせず、大らかに笑っているのです。

 

もし、私があの男の子のお母さんならばどうしたでしょうか?

きっと「もおっ」とか、
「だからゆっくり注ぎなさいって言ったでしょ」と言ったに違いありません。

いえいえ、言ったに違いありません~ではなく、
似たような場面の時、私は確かに息子達を叱っていました。

今思うと、小さい息子2人を育てていた時は、心に余裕が無くて、いつも怒っていたように思います。

息子達には、きっと怒りっぽい母親に見えたことでしょう。

お母さんは、いつも怒っているなあって。

それでも無事に大きくなった息子達に、私は心の中で「ごめんね。」と呟きます。

至らないお母さんで申し訳なかったね、と今頃になって反省しているのです。

 

ただ、あのCMには、ひとことお伝えしたいです。

子どもにお料理のお手伝いさせる時は、台所でした方がいいんじゃないかな?

だって、あのCMのテーブルの下、高価そうなフワフワの絨毯が敷いてありました。

フワフワの絨毯に牛乳をこぼしたら、後始末が本当に大変ですよ~

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やっちまったなぁ~・自閉症児M君

2018-02-12 | 自閉症児 M君の不思議

一昨日は、マサ君(6年生)のレッスンもありました。

マサ君は最近本当に大きくなって、今は160センチ以上あります。

声も男の子の声になり、春からは中学生になるのだな~としみじみと思います。

でも、雰囲気は可愛らしいマサ君のままなので、

そのギャップが何とも言えず微笑ましいのです。

 

一昨日も、入って来るなり

「こう君は、何時に帰りますか?」と、満面の笑顔で私に尋ねます。

こう君(仮名)と云うのは私の次男です。

何時もマサ君のレッスン中に部活に出かけるので、

帰宅時間が気になって仕方がないのです。

「こう君は、12時半に帰ります。」と私が答えると、

マサ君は嬉しそうなお顔で、

「そんなに遅く帰ってはいけません」と言うのです。

この会話が、最近のマサ君のお気に入りのルーティーンです

 

さて、そんなマサ君ですが、最近は8分の6拍子を、よく理解してくれて、
初見でも間違いなく弾けるようになりました。

それでも、両手で弾くときは、時々突っかかってしまいます。

するとマサ君は「やっちまったなぁ~」と大きな声で言うのです。

そして、大きな声で笑うのですが、そのお顔は本当に嬉しそうです。

30分間のレッスン中に、マサ君は

「やっちまったなぁ~」と、5~6回は言ったでしょうか。

 

マサ君が帰った後。。。

私の頭の中は「やっちまったなぁ~」と言うマサ君の声が響いていて、

独りで笑ってしまうのでした。

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