Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

良い趣味と対極のもの

2011-02-18 | Blues
 昨夜は一晩中すごい風雨でした。気温は暖房がいらないほどで、春が近いことを思わせる嵐なのかとうつらうつらしながら考えました。
しかし夕方には気温がだいぶ下がって、明日はさらに下がる予報です。



以前書いたような着こなしの良い方々に共通する事の一つに、トラディショナルなテイストをあげることが出来ます。ブリティシュとかアメリカンとか狭義な意味でなく、伝統的なものに対する憧憬や理解と言い換えてもいいかも知れません。
素材や仕立て、合わせにいたるまで身につける物に一貫して感じられるテイストに、そのレベルの方々は今日性も抜かりなく加味されています。

今秋冬の大手ラニフィーチョのバンチを見返していたら、妙に光沢を付与された生地が多いように感じました。趣味の良いと言われる人々が決して手を出さない種類のもので、その光沢はたいてい細番手のウールにシルクを加えて作られているようです。

外国人に「あなたのカッコは違うようだが、日本人は流行のものが好きと聞いている」と言われたように、生地バンチも自分達が使うことのない目先の変わったものを集積しているなんてこともあるかも知れません。
また作っている人のセンスが、必ずしも盲信するほどのものでないことも周知のとおりです。

そこから製品を作れば、あまり趣味が良いとは言えないものが並ぶのは当然の結果です。
シルクは特性上摩擦に弱く、体型的なこともあるかと思いますが、内股に穴があいてしまったり薄くなったものを幾度か見ました。
また濃色では表面が白っぽく見えるようになる場合もあります。
残念ながら経年変化を楽しむ前に、寿命をむかえる場合も少なくありません。

もちろんシルクに罪があるわけでなく、これからのシーズン、シルクを上手く使ったジャケットは季節感もあり、たいへん重宝します。要は使い方の問題でしょう。



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