新興宗教

　チャイム音で玄関に出ると二人連れの中年のご婦人が立っていた。
　穏やかな笑顔で上品そう、しかし一見しただけで正体は分かる。

　新興宗教の布教の人、どうしてああも同じ偽善的な雰囲気なの？
　冊子を差し出し、人の顔色を伺いながら婉曲的なもの言いを始める。

　私ははっきりしない人は苦手だし興味のない話に付き合う気もない。
　しかし頭から相手を拒否するのは失礼な気もするので丁寧に断る。

　「折角ですが…御免なさいね」と言いながら静かにドアを閉める。
　相手も善行と信じてボランテァで回っているのだろうが大変と思う。

　悩み苦しんでいる人には宗教は救いになるかも知れないが私は結構！